■スバル360の思想を継いだ画期的な商用車「サンバー」
スバルの軽商用車「サンバー」。自社生産を終えてはや13年が経ちますが、今なお中古車市場で高い人気を保っています。
【画像】超カッコいい! これがスバルの「スゴい軽商用モデル」です! 画像を見る
その理由には、スバル製サンバーに秘められた数々のコダワリがありました。
日本の街に溶け込み、人々のくらしになくてはならない軽自動車。
その中でもさらに、もはや生活インフラなのでは、というほど重要な存在なのが、都市、郊外、海辺、山間部などあらゆるところで活躍する軽商用車です。
最初の軽自動車規格が制定されたのは1949年。戦後間もない昭和24年のことです。翌年には二輪・三輪・四輪の区別が設けられ、排気量上限は300cc・200cc、車体寸法も全長3m×全幅2mまで拡大されました。
1954年には三輪・四輪・4/2サイクルの区別なく排気量が360ccまでとされています。
そんな中、軽三輪トラックのベストセラーとなるダイハツ「ミゼット」が登場。マツダや三菱、コニー、オリエントなどさまざまなブランドがこの市場に参入しましたが、1955年のスズキ「スズライト」、1960年にダイハツの軽四輪商用車「ハイゼット」が登場すると、マツダ、三菱、コニー、ホープスターなどが軽四輪商用車を相次いで発売。
軽三輪トラックのブームは長く続きませんでした。
軽乗用車のパイオニアであるスバル「360」を開発したスバルは、1961年にスバル360のパワートレインやメカニズムを用いた軽商用車サンバーを発売。
百瀬晋六氏をはじめとして、スバル360と同じスタッフが開発を務めただけに、スバル360の基本設計と「人間優先」思想が盛り込まれていました。
サンバーの特徴は、スバル360と同様にリアエンジン・リアドライブ(RR)による驚異的に低い荷台とトラクション・高い登坂性能・キャビンの静粛性、当時では画期的だったボンネットを持たなキャブオーバースタイルなど、特徴的な技術を満載したこと。
その後、スバル製サンバーの伝統となる4輪独立懸架がもたらす乗り心地の良さは特筆すべきポイントで、当時、ガラスや豆腐など割れたり崩れたりすると困る業種で特に好まれた、と言われています。
搭載されたエンジンは360と同じ2サイクル空冷直列2気筒で、356ccの排気量から18psを発生しました。当初はまずトラックを発売、半年後に1BOX型の「ライトバン」を追加しています。
2代目サンバーは1966年にデビュー。与えられた愛称は「ニューサンバー」でした。基本的な成り立ちは初代を引き継いでいましたが、デザインは洗練されてさっぱりとした印象に。
1970年には空冷でありながらヘッドライトの間にダミーグリルを装着、フロントドアを「逆ヒンジ(いわゆるスーサイドドア)」から前ヒンジに変更した「ババーンサンバー」に発展。
さらに1972年にはグリルが車幅いっぱいに拡大され「すとろんぐサンバー」と呼ばれましたが、シンプルなボディに派手なマスクで、評判はあまりよくありませんでした。
続く3代目は、1973年に登場しました。愛称は「剛力(ごうりき)サンバー」です。
大きなトピックはエンジンが空冷から水冷に切り替わったことで、車体も四角くなってぐっと新しい雰囲気に。ライトバンではリアドアがヒンジ式からスライド式に変更され、使い勝手も大きく向上しています。
3代目が発売されていた時代は、排気量の550cc化・車体サイズの拡大など、軽自動車規格の大きな変革期。サンバーもまずは1976年に4サイクル化した500ccエンジンを搭載。
翌1977年、550ccフル規格のエンジンに積み替えたのち、1979年にはフロントの造形を大きくチェンジしました。
ところでサンバーといえばハイルーフや4WDというイメージもありますが、これらは3代目の末期に採用されたものでした。
1982年リリースの4代目では、ライトバンが「サンバートライ」と名付けられ、当時のレジャーブームに対応するべく、装備を増やしたRV(レクリエーショナル・ビークル)風モデルも発売されました。
その後1987年のマイナーチェンジで、バンは「サンバーバン」、RVモデルは「サンバートライ」として性格が分けられたほか、フリーランニング式フルタイム4WDを追加するなど、改良が続けられました。
■軽自動車としてはめちゃ贅沢な4気筒エンジンを搭載
1990年には軽自動車が新規格に移行、排気量が660ccとされ、全長もこれまでの3.2mから3.3mに拡大されました。同年登場の5代目サンバーは、当初からこの規格に合わせて開発。
サンバートライには、のちに「サンバーディアス」に改名される上位版の「サンバートライ・ディアス」を追加しました。
エンジンは軽自動車としては贅沢な4気筒が搭載され、さらにスーパーチャージャー付きでは最高出力55psを発生しました。
1992年にはマイナーチェンジを受けてヘッドライトを丸型から角形に変更、1995年にオートマチックトランスミッションをCVTから3速ATに載せ替えています。1993年に追加された「ディアスクラシック」も人気を博しました。
そして1999年、6代目の販売をスタートします。軽自動車規格は1996年に再び変更を行なっており、全長が3.3mから3.4m、全幅が1.4mから1.48mに拡大されていたため、6代目サンバーはその規格に合致したサイズで登場。
小さなボンネットを持ちつつも、前席下に前輪を配置するフルキャブスタイルを堅持しました。
エンジンは5代目から継いだ4気筒。スーパーチャージャーももちろん設定されていました。1999年には、5ナンバーの乗用登録ワゴンである「ディアスクラシックワゴン」も追加しています。
2002年のマイナーチェンジではフロントマスクを変更、ディアスクラシックワゴンが廃止されたかわりに、標準顔の乗用モデル「ディアスワゴン」が生まれました。2005年にフロントデザインを変えたものの、スバルは2008年に軽自動車生産からの撤退を表明。
2009年に再度の前面変更を行いましたが、同年12月にはディアスワゴンの販売を終了することに。そして2012年、ついにバンとトラックも生産・販売を終えています。
1958年にスバル360が登場して以来、54年間にわたるスバル製軽自動車の歴史、かつ約50年におよぶサンバーの歴史がここに閉じることとなりました。
なお現在のサンバーは、ダイハツ「ハイゼット」「アトレー」のOEM車として存続しています。
また、サンバーで忘れてはならないのが「赤帽専用車」の存在です。赤帽とは、「全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会」の略。軽商用車を用いた運送業を営む個人事業主で構成する協同組合です。
移動距離の長さや過酷な使用に耐えられるよう、収納式ハンドブレーキ、高照度ルームランプ、オーバーヘッドシェルフ、死角を減らす助手席側フェンダーミラー、耐久性を向上させた「赤ヘッド」エンジンなど、数々の専用装備を有していました。
初代以来貫かれた、軽商用車としてはオーバースペックとも言えるスバル製サンバーの設計は、他メーカーの作る軽商用車とは常に一線を画していました。そのため生産が終了して13年経つ今なお、中古車市場で高い人気を誇っています。
中でも2011年に、サンバー発売50周年記念特別仕様車として限定1000台が限定販売された「WRブルーリミテッド」は、スバルのラリーカーで強い印象を刻んだボディカラー「WRブルーマイカ」をサンバーに塗るという意外性も手伝い、発売当時大きな話題に。
2025年9月現在でも、100万円~250万円という高い相場感をキープしています。
※ ※ ※
スバルが作るクルマは個性的なモデルが多く、サンバーも例外ではありません。
しかしそんなスバル開発・自製のサンバーも、生産を終えて時間がかなり経っており、中古車市場でもじわじわと少しずつ台数を減らしています。
リアエンジンであることから「農道のポルシェ」と称して親しまれることもあるスバル製サンバー。是非欲しい!と思ったら、早めに手に入れることをおすすめします。(遠藤イヅル)
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みんなのコメント
全幅2m…?
軽自動車どころか5ナンバー普通自動車を大きく超えるサイズだよ?
間違えがひどすぎる
アメ車か?