2021年6月に発売されてから5年を経て、ランクル300が初の大掛かりな改良を受けるという。純ガソリン車が廃止され、代わってハイブリッドがZXとGR SPORTに設定され、なんとハイブリッドZXの価格は、ガソリンZXの743万6000円から一気に236万3900円アップの980万1000円になるという。その衝撃の内容を解説していこう。
文:青山勇輝/写真:トヨタヨーロッパ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ランクル300ハイブリッドの写真をチェック!(9枚)
※本記事の内容はメーカーのトヨタからもたらされた公式発表のものではなく、ディーラーを取材して得た独自情報となります。
グレードの整理も行われた! グレードラインナップと価格
首都圏のトヨタディーラーに取材したところ、ランドクルーザー(300)が2026年9月16日にマイナーチェンジするという情報を入手した。これまでの純ガソリン車に代わってハイブリッドを新たに設定するとともに、ラインナップを整理し、装備品の拡充や価格も改定するという。
ラインナップはハイブリッドがHEV ZX、HEV GR SPORTの2グレードとなり、価格はHEV ZXがガソリン車のZXから実に236万5000円アップの980万1000円、HEV GR SPORTが純ガソリン車から同じく236万5000円アップの1020万300円になるという。なお、純ガソリン車のGX、AXは廃止となるようだ。
いっぽう、ディーゼル車はZX、GR SPORTに加えて、これまでガソリン車にあったGXグレードが安価なディーゼルモデルとして、630万800円で新たに設定された。
価格はZXが101万4200円アップの870万500円、GR SPORTが101万円4200円アップの915万900円。なお、ハイブリッドは3列シート7人乗り、ディーゼルは2列シート5人乗りとなる。
改良前はガソリン車のGXが525万円2500円、AXが563万900円、VXが643万6100円、ZXが743万6000円だったことを考えると、原材料価格の高騰や装備が充実したとはいえ、随分値上がりしたという印象だ。さすがにレクサスLX700hの1580万~2100万円までは高くはないが……。
エクステリアに関しては内燃機関モデルとの差別化を図るため、ハイブリッドZXにはグリル下の部分を拡大したフロントマスク、左右のフォグランプを装着した大型エアロバンパーを採用したほか、リアにはハイブリッド専用の漆黒メッキモール付きエアロバンパー、青い円(BEYOND ZEROの象徴)と「HEV」の文字を組み合わせたロゴが装着されている。
3.5Lハイブリッドはシステム最高出力457ps/790Nm!
ハイブリッドモデルはすでに2025年半ばにはUAEやカタール、欧州では2026年1月に発売されていたものと同じ、3.5L、V6ツインターボと10速ATの間にクラッチを有するモータージェネレーターを配したパラレルハイブリッドシステムを搭載。すでに2025年3月から販売しているレクサスLX700hとほぼ同じハイブリッドシステムである。
パラレルハイブリッドは、408ps/650Nmを発生する3444cc、V6ガソリンツインターボエンジンに、54ps/290Nmの電気モーターを組み合わせたもの。システム最高出力は実に457ps/790Nmという、歴代最強のパワートレインとなる。
WLTCモード燃費は、ガソリン車の7.9km/Lから、ハイブリッド車で9.4km/Lに大きく改善している。燃料タンク容量は従来の80Lから68Lに変更(ディーゼルは80L)されている。
水に弱い? ハイブリッドを搭載しても生きて帰れるのか?
世界中のどんな過酷な土地からでも生きて帰れることをコンセプトとしているランクルシリーズだが、ハイブリッドモデルなので、水に弱いのでないかと心配する人も多いことだろう。しかしランクルハイブリッドには、万が一、ハイブリッドシステムが停止した際の退避走行機能が備わっている。
高電圧のハイブリッドシステムが完全に停止するような深刻なトラブルが万が一起きても、独立したスターターでエンジンを始動できる。さらにオルタネーター(発電機)が12V補機バッテリーへ電力を供給し続けるため、ガソリン車と同じように自力で走行(退避)を継続できるのだ。
またトランスファーLoレンジやアクティブハイトコントロールによる車高調整、アクティブトラクションコントロールの作動が確保されているので安心だ。
特にリアのフロアに搭載されているハイブリッドのメインバッテリー本体は、上下に分割した防水トレイで覆われており、深水路などへの進入時も水の侵入を防いでくれる。万が一、防水トレイ内に水が浸入した場合でも、トレイ内の被水センサーが自動的に検知し、注意を促すメーター表示も備えている。
また、センターコンソール下には防水構造を備えたACインバーターが搭載され、100V・1500Wまでの給電に対応。センターコンソール後部とデッキにコンセントが設置されており、外部給電アタッチメント(ハイブリッドのみ)によって、アウトドアや非常時における電源としても活用できる。
オフロード性能を表すスペックは以下のとおり。渡河水深性能は内燃機関モデルと同等の700mmを確保している。
・渡河水深:700mm
・アプローチアングル:32度
・デパーチャーアングル:26度
・最大安定傾斜角:44度
・登坂能力:45度
注目すべきは、トランスファーLoレンジでのモーター駆動を初採用したのがポイント。岩場、ダート、深雪路などの繊細なアクセル操作が要求される場面において、モーターのみでの走行を一部可能とすることで、従来モデル以上に、緻密なコントロールを実現。
マルチテレインセレクト(岩、モーグル、砂、泥、深雪)との組み合わせにより、さらに高い走破性と操作性を両立。加えて、3Dマルチテレインモニターがフロント・サイド・リアの4カメラ映像を活用し、ドライバーの死角をリアルタイムで可視化。オフロード走行中の安心感を大幅に高めている
価格が大幅に上がったのは装備が充実したから
大幅に価格が上がったのはこれまでメーカーオプションだった装備類が標準装備されたことが大きい。ZXとGR SPORTの標準装備品は以下のとおり。
・トヨタセーフティセンス+3.0
・電動パワーステアリング
・ヘッドアップディスプレイ
・前後ドライブレコーダー
・デジタルインナーミラー
・おくだけ充電機能
・12.3インチディスプレイオーディオPlus&JBLプレミアムサウンドシステム
・11.6インチ×2、リアシートエンターテインメントシステム
・AC100V・1500Wアクセサリーコンセント(外部給電アタッチメント付き)
・マルチテレインモニター
・クールボックス
・チルト&スライド電動ムーンルーフ
・ルーフレール
・ETC2.0車載器
・ITCコネクト
・タイヤ空気圧警報システム
・寒冷地仕様 ほか
ほぼフルオプション状態で、メーカーオプションはリア電動デフロック(2万2000円、トルセンLSDから変更)やヒッチメンバー(7万7000円)、ルーフレスオプションくらいだ。
ボディカラーは、プレシャスホワイトパール、ホワイトパールクリスタルシャイン、ブラック、ダークレッドマイカメタリックが廃止され、新たにプラチナホワイトパールマイカ、ニュートラルブラックが新設定。そのほか、グレーメタリック、アバンギャルドブロンズメタリックが用意されている。
新設定されたGXディーゼルは、307ps/700Nmを発生する3345cc、V6ディーゼルエンジン+10速ATに変更はない。ZXに比べるとかなり装備は簡略化されており、7.0インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイのほか、マニュアル調整式のファブリックシートのほか、フロント・リアデフロック、おくだけ充電、LEDフォグランプ、ETC2.0車載器、ITCコネクト、寒冷地仕様などが標準で備わる。
ランクルHEV ZXの見積もり金額は?
さて、ランクルHEV ZXの乗り出し価格はいくらになるのか? すでに8月下旬からディーラーでは見積書の作成が可能となっているとのことで首都圏ディーラーに行ってきた。ただ抽選販売、事前に購入意思を示していた顧客に声をかけて購入の意思を聞いて商談する等々、全国のディーラーではそれぞれ対応が異なるようだ。
それでは筆者がディーラーに見積もりをとってもらったのでお伝えしよう。ランクルHEV ZXの車両本体価格は980万1000円。総支払額は、電動リアアデフロック(+2万2000円)のメーカーオプションと、フロアマット、ETCセットアップなどの付属品6万5450円を付けて、税金や保険料35万350円、消費税90万5800円を入れると1023万8810円となった。
ちなみに残クレの2年後の残価率は78%、3年後は70%だった。相変わらず高いですなあ。とはいえ、ランクル300ハイブリッドが1000万円(諸費用込み)を突破し、もともと買えないクルマがさらに買えなくなってしまいました……。ランクル250との価格差が近かったのが、今度は差が広がった印象。これが妥当なのか? みなさん、どう思いますか?
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