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こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!

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こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!

 これまで日本にはたくさんのクルマが生まれては消えていった。そのなかには、「珍車」などと呼ばれ、現代でも面白おかしく語られているモデルもある。しかし、それらのクルマが試金石となったことで、数々の名車が生まれたと言っても過言ではない。

 当連載では、これら「珍車」と呼ばれた伝説のクルマや技術などをピックアップし、その特徴を解説しつつ、日本の自動車文化を豊かにしてくれたことへの感謝と「愛」を語っていく。今回は、そのスペックと希少性の高さから発売後に即完売となった、インプレッサ22B-STiバージョンを取り上げる。

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!

文/フォッケウルフ、写真/スバル

【画像ギャラリー】ラリーカーイメージを体現した初代インプレッサの限定モデル「22B-STiバージョン」の写真をもっと見る!(5枚)

WRCを席巻したラリーマシンのロードバージョン

全幅1770mmに拡大されたブリスターフェンダーが特徴

 インプレッサの「22B-STiバージョン」は、1997年のWRC(世界ラリー選手権)でのマニュファクチャラーズタイトル3連覇を達成したことを記念して1998年3月に400台限定で発売された。

 ラリーマシンのイメージを忠実に再現した迫力あるルックスは、相当なインパクトを放つとともに、スポーツモデルならではの速さと操る楽しさを十分に満喫できるポテンシャルを実現。開発に際しては、公道を走る乗用車に求められる実用性や信頼性、耐久性をバランスさせることに注力されている。

 2ドアクーペのインプレッサWRX タイプR STi バージョンIVをベースにしながら、前後のブリスターフェンダー、フロントグリル一体型バンパー、ブレースグリル付きアルミ製ボンネット、サイドスカート、大型リヤスポイラーを装着した外観は、まさにラリーマシンそのものであり、ボディカラーも「インプレッサ・ワールドラリーカー97」の専用色であるソニックブルーマイカに統一している。

 ほかにも、エアダクト付アルミ製フロントフードや、フロントフェンダーサイドにはチタン製STiエンブレムなどの専用パーツを装着することによって、スペシャルなムードが演出されている。

 車内は前後のシートとドアトリムを、ボデイ色であるソニックブルーマイカとコーディネートしたブルーとし、フロントシートのバックレストにはSTiロゴの刺繍を施した専用品を装着している。

 インパネは「インプレッサ・ワールドラリーカー97」と同様にマットブラックタイプとし、ソフトタッチの特殊な表面塗装を施すことで防眩効果を高めている。さらに、コンソールボックス前部には1台ごとに専用シリアルナンバープレートがあしらわれているのも、特別なクルマを所有しているユーザーの優越感を刺激してくれる。

【画像ギャラリー】ラリーカーイメージを体現した初代インプレッサの限定モデル「22B-STiバージョン」の写真をもっと見る!(5枚)

専用に仕上げられたパワートレインを搭載

 エンジンはベース車であるSTiバージョンIVに搭載されていたEJ20型水平対向2Lエンジンのボアを92.0mmから96.9mmに拡大し、シリンダーブロックをクローズドデッキタイプに変更したEJ22改となる。排気量を2Lから2.2Lへとアップさせるとともに、内部パーツには、耐久性や信頼性を高めるべく、鍛造モリプデンコーティングピストンやメタルヘッドガスケットなどを備えるなど「22B-STiバージョン」専用に作り込まれている。

 そのうえで、低中速回転領域の十分なトルク特性を重視したチューニングを実施。最高出力は280psにとどまっているが、最大トルクは37.0kgmに達し、低速領域から力強いトルク特性を発揮しながら、高回転領域まで吹けあがる特性を実現している。

 ドライブトレーンにも専用チューニングが施されている。駆動系は、ベースとなったインプレッサSTi バージョン専用の4WDシステムであるドライバーズコントロールセンターデフ付きクロスミッションを搭載。

 センターデフのトランファーレシオをセンターデフフリーからロックまで自由にコントロールできる設定とし、デフフリー時はF:R=35:65の駆動力配分を行うことで、スムーズな旋回性とコントロール能力を発揮する。

パワーユニットはオールマイティなトルク特性と卓越した動力性能を発揮する、専用の水平対向2.2Lターボエンジンを搭載。最高出力280ps/6000rpm、最大トルク37.0kgm/3200rpmというスペックを誇る

 トランスミッションが5速MTなのはベース車と同様だが、メインシャフトおよびセカンドドリブンギヤの材質強化を図り、各ギヤのスペシャルハードショットなどを施すことでエンジンのトルクアップに対応した。排気量アップによって実現したさらなる高出力、高トルクに対する耐久性と信頼性がバージョンアップしている。

 足まわりは前後ともストラット式のサスペンションとなるが、専用セッティングを施したビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製コイルスプリングを採用し、ダンパーストラットとのマッチングを図っている。専用のサスペンションチューニングに加え、前後のトレッドを拡大することによって、コーナリング時のロールを低減し車両安定性が高められている。

 さらに、BBS製のアルミ鍛造ホイールによるバネ下重量の軽減による効果も相まって、シャープなハンドリングを実現するとともに快適な乗り心地を両立した。ブレーキは前後ともにベンチレーテッドディスクで、フロントには対向4ポット、リアには対向2ポットのキャリパーを採用。BBSホイールの隙間から見える赤いキャリパーが特別なイメージを強調していた。

【画像ギャラリー】ラリーカーイメージを体現した初代インプレッサの限定モデル「22B-STiバージョン」の写真をもっと見る!(5枚)

500万円の高額でも限定台数は2日で完売

 1992年11月にデビューしたインプレッサは、WRCをはじめとする国内外のモータースポーツにチャレンジし、結果を残してきた。「22B-STiバージョン」は、その苛酷なラリーフィールドから得られた技術的ノウハウが注ぎ込まれ、圧倒的な走りのよさと、耐久性、信頼性、スポーツ性能をはじめとするポテンシャルの高さを有し、スバルが得意とする4WDとスポーツ性の融合を強烈に訴求し、インプレッサWRXの人気を不動のものとした。

専用のサスペンションチューンを施して車両安定性を高めた。また、剛性、グリップ性能、ウェット性能、乗り心地を向上し、ブリスターフェンダーとのマッチングも考慮したタイヤ「ピレリP-Zero(235/40ZR17)」も走りのよさに貢献している

 スタイリングだけでなく、ロードカーとして速さを求めてあらゆる部分に専用チューニングを施したことに加え、販売台数が400台限定だったことも「22B-STiバージョン」の特別感をより高みに引き上げた要素と言える。

 ちなみに価格は、専用アイテムやチューニングを施したとはいえ、500万円というプライスタグが付けられていた。にもかかわらず、400台がわずか2日で完売しており、その人気たるや凄まじいものだった。中古車価格にいたっては3000万円はくだらない!

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みんなのコメント

16件
  • *****
    この型がやっぱり、ヘッドライトとかテールランプのデザインが1番安心して見れる。
  • oka********
    当時のインプレッサWRXは海外でも人気が高かったので某ディーラーが買い占めて海外に流してしまったそうです。

    その後も同じ事が繰り返されて国内で正規に販売されたのはわずかな台数なのだと思います。

    きっと海外で元気に走っているか大切に保管されているかと。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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