■東京湾に浮かぶ謎の島はなんのため?
東京湾アクアラインのパーキングエリア「海ほたる」で降りると、川崎方面に、白い三角の建物が見えます。
【画像】「えっ…!」 これは意外…高速道の非常口内に滑り台が…なぜ? これがその場所です!(17枚)
また、羽田空港行きの飛行機から海ほたると川崎市の間にヨットの帆のような建物がポツンと浮いているのを、見たことがある人もいるかもしれません。
これはどのような建造物なのでしょうか。
この不思議な建物の正体は人工島です。「風の塔」と名付けられていて、海底を走るアクアトンネルの空気を入れ替える役目を負っています。
東京湾アクアラインは、川崎と木更津を結ぶ15.1kmの道路です。
そのうち風の塔がある位置は、川崎側の9.5キロのアクアトンネルのちょうど真ん中にあたります。
トンネル建設時には川崎方面と木更津方面への掘削機の基地として活躍し、完成した後から換気施設として稼働しています。
風の塔はアクアラインの車道のさらに下に緊急避難用の通路があり、そこを通ってクルマで行くことができます。
それでは、風の塔とは実際にどのようなものでしょうか。
まず人口島の大きさは、直径約200mです。海上で見るとわかりづらいのですが、東京ドームがすっぽり入るほどの大きさです。地下も114mと深く、最深部は地下6階にあたります。
その大きな島の上に、2本の巨大な塔が立っています。
海ほたる側の塔は高さ90mで、川崎側のほうは75mとなっており、大きい塔はニューヨークの自由の女神像と同じくらいの高さがあります。
2本の塔は役割が違い、大きい塔で新鮮な空気をトンネルに取り入れ、小さいほうで汚れた空気を排出しています。
つまり、2本の巨大ダクトで空気を入れ替えているというわけです。その都度必要に応じて換気するため、常に稼働しているわけではありません。
塔の内部はダクトなので空っぽですが、内側には細かい鉄骨が無数に張り巡らされています。
■実は2本の塔が建っている! そして傾いている?
人工島には存在感がある2本の塔がありますが、これらの塔は特徴的な姿をしています。
単純な煙突型ではなく、竹筒を斜めに切ったようなフォルム。海ほたるからはこの切り口が三角形に見えているのです。
さらに、2本の塔は斜め12度にわずかに傾いて立っています。
この形状は、空気力学を巧みに利用した結果なのだいい、大きい塔と小さい塔の間にビル風のような風を起こし、島に吹く海風を利用しつつ最も効率よく換気ができるといいます。
また、海ほたる側からは見えませんが、塔の胴体は白と青のコントラストが美しいストライプ模様です。このようなデザインにも意味があります。
川崎側の海は貨物線といった大型船などの航路にあたります。そのため、行き来する大小の船舶や、さらに上空の飛行機からもはっきり視認できるようにしているのです。
こうした塔のデザインは、東京スカイツリーのデザインを監修した澄川喜一氏などによって設計者との協働で考えられたもので、機能面も含めて計算されつくしていると言えます。
一方で、風の塔はこのように道路にとって重要な施設であるため、関係者でも滅多に立ち入ることができないといいます。
当然ながら、一般の人にとっては立ち入り禁止のエリアです。
NEXCO東日本では定期的にアクアラインの見学ツアーを開催していますが、そこでも入ることはできません。
そのため、多くの人の目につきながらも、風の塔はあまり知られてない場所でもありました。
NEXCO担当者によると「2022年には風の塔のオンラインツアーを実施していましたが、現在は見学会などについての実施予定はありません」と話しています。
ちなみに、NEXCO東日本は2021年11月に施設見学ツアーの特別編として、初めて風の塔へ上陸するツアーを実施しました。
参加者の募集期間はわずか1週間でしたが、応募倍率が30倍を越える人気を呼んだといいます。
※ ※ ※
風の塔は地域の大事な資産でもあることから、川崎区の魅力をアピールする「かわさき区の宝物」にも認定されています。
近くを通りかかった際にはどのような風の塔の役割について思い出してみるといいかもしれません。
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みんなのコメント
小さい方を小塔、大きい方を大塔と呼んでいました。
現地にて鉄骨を木更津の護岸を借用して組み立て当時の日本最大のフローティングクレーンで吊り上げ海上運搬して組立てました。
まあ、他にもいろいろと難題が訪れ、どの都度、検討をして完成させましたよ。
特に小塔の壁と屋根の取合い、スリットと呼んでいましたが、上部と下部では取り合う壁厚が三次元で変化し治まりは(当時は3次元CADも無く)2次元CADと自分の頭を酷使して計算しGRC壁を製造する業者に指示をしましたよ。
丁部のスリットに在る点検歩廊、点検扉もワンオフでミリ単位の精度を求められ、図面にして指示しました。
他にも、話せば1冊の本になる位のエピソードとアクシデントが有りました。
今になっては良い思い出です。