■4WDの特性を理解すると雪道がより安心に走れる
冬本番となり、雪が多く降る地域に出かけることが多くなる季節です。しかし、ふだん雪が降らない地域に住んでいる人にとっては、慣れてない雪道は路面が滑りやすく、運転に気をつかうものです。
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4つのタイヤに駆動力を配分する4WDであれば、雪道でも安心して走れるといいますが、2WDのクルマは雪道を走行できないのでしょうか。
一般的に雪道や凍結路での走行に関して、4WD車は動力が4つのタイヤに配分されるため、滑りやすい路面でも駆動力が伝わりやすいのは事実です。
とくに、2WDより4WDの方が発進しやすいといわれており、雪の多い地域では軽自動車でも4WD車が売れ筋のようです。
4WDにはいくつかの種類が存在しており、「フルタイム式(オンデマンド)4WD」は、前輪駆動(FF)ベースと後輪駆動(FR)ベースがあります。
この方式では、通常は2WDで走行していて、前後輪の回転差が大きくなるとメインの駆動(FFもしくはFR)以外のタイヤにも駆動力が伝わるシステムになっています。
ほかにも4輪を常時駆動する「センターデフ付きフルタイム式4WD」や、手元のスイッチなどで2WDと4WDを切り替えられる「パートタイム式4WD」などを採用する車種もあります。
JAF(日本自動車連盟)の雪上走行テストは、新品のスタッドレスタイヤを装着した2WD車(FF)と4WD車で登坂実験をおこなったところ、9%の勾配の上り坂は両方クリアできましたが、20%の勾配になると2WD車は途中でスリップして上れませんでした。
一方の4WD車は、難なくクリアできたという実験結果が出ており、雪道の上り坂に関して、4WDは大きなアドバンテージを持っていることが証明されています。
雪道での上り坂では圧倒的な優位性がある4WDでも過信は禁物で、2WD車と比べると、4WDは複雑な機構を搭載するため重量が重くなり、制動距離に影響が出る可能性が高くなります。
JAFの雪上走行テストで、圧雪された平坦な道で時速40kmから急ブレーキをかけたところ、制動距離は4WD車が約20m、2WD車が約22mとなり、ほとんど差が出ませんでした。
上り坂では優位だった4WD車ですが、平坦な道で止まるときは2WD車の性能と変わらないのです。
さらに、圧雪された下り坂の制動テストで、勾配9%の下り坂で時速40kmから急ブレーキをかけたところ、2WD車は約29mから33mで停止したのに対し、4WD車は約35mから40mもの制動距離が必要でした。これは4WDの重量により、下りの制動距離が伸びたものと推測されます。
※ ※ ※
4WDは、発進や上り坂には強いのですが、車両が重いため、平坦な道や下り坂でのブレーキングは苦手です。
4WDに乗っているから大丈夫だと過信すると、いざというときに停まれなくなることもあるので、十分な車間距離が必要という認識を持つとよいでしょう。
■FFやFRで雪道を走行するとどうなるのか?
4WD車が雪道での発進や上り坂を得意としていることはわかりましたが、2WD車(FF、FR)の場合はどうなのでしょうか。
2WD車での雪上走行は、心配することはありません。スタッドレスタイヤを4輪に装着していれば、問題なく走行することができます。
では、前輪駆動(FF)と後輪駆動(FR)では、どちらが雪道が得意なのでしょうか。
これについては、一般的にはFFに軍配が上がります。それは「トラクションがかけやすいから」ということに尽きます。
雪道では、グリップ力が低い路面を捉えるために、タイヤを路面に接地させて駆動力を伝えることがポイントになるのですが、ほとんどのクルマは前方に重いエンジンを積んでいます。
しかもFFであれば、エンジンの次に重いトランスミッションも前に積まれており、駆動輪である前輪に重い重量物が乗っている状態で、それだけトラクションを稼ぐことができているというわけです。
また、FFの場合、とくにコンパクトカーなどは車重が軽いので、思った以上に雪道が得意なのです。
一方で、通常の路面では走りが楽しいFRは、雪道に関しては弱いのも事実です。重い重量物が乗っている前方には駆動力がなく、比較的軽い後輪部分でタイヤが回転し、後ろから押し出される感覚が強くなります。
逆にそれが楽しくてFRで雪道を走りたがるツワモノもいますが、通常は、急アクセル、急ハンドル、急ブレーキなどを控え、慎重に運転することをおすすめします。
雪道といっても、高速道路のような整備された道ばかりとは限りません。また、勾配がきつく、スタッドレスタイヤだけでは上れない道も出てくるかもしれません。
ここで覚えていておきたいのは、チェーンは、金属タイプ・非金属タイプに関わらず、必ず駆動輪に装着するということです。
4WD車の場合、乗用車ベースの車種であれば、もともとはFFなのでフロントにチェーンを装着するのが正解です。
JAFの雪上走行テストでも、2WD(FF)の駆動輪(フロントタイヤ)にチェーンを装着した場合は、勾配12%の坂道も上れますが、誤って非駆動輪(リアタイヤ)に装着した場合は上れなかった、という実験結果が出ています。
駆動輪ではないタイヤにチェーンを装着した場合、コーナーでは大きく膨らみ、ブレーキを踏んでも制動距離が大幅に伸びるなど、「曲がらない・止まらない・上れない」という状態になり、大変危険です。
※ ※ ※
雪道を走行するときは、4WDの方が安心感は強い気がしますが、FFでもFRでも、それぞれの特性を理解すれば問題なく走行できます。駆動方式に関わらず、いつも以上に安全な走行を心がけましょう。
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