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「観光しない旅」が新潮流? 日本経済の起爆剤は「平和ボケ」が育んだ滞在型の体験経済かもしれない

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「観光しない旅」が新潮流? 日本経済の起爆剤は「平和ボケ」が育んだ滞在型の体験経済かもしれない

“観光しない旅”が示すポストコロナの潮流

 観光は訪れる人に安らぎと新しい体験をもたらす特別な活動だ。2021年東京五輪では選手村のもてなしに日本独自のホスピタリティが際立ち、「平和ボケ」が安心感と癒やしを与える力を示した。本連載「平和ボケ観光論」では、日本の安全で穏やかな環境が観光資源として持つ価値を体験を通して探る。

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※ ※ ※

 本連載のテーマを考察するきっかけとなったのは、コロナ禍とその前後における人々の動き、そして2021年に開催された東京五輪だ。特に“おもてなし”を象徴する存在となった選手村が重要な要素となる。

 コロナ禍により、東京五輪では従来以上に“おもてなし”が強調され、選手や関係者にとって印象深い滞在体験となった。なかでも選手村の食堂は高く評価され、和食はもちろん、西洋料理やアジア料理に加え、ベジタリアン、グルテンフリー、ハラル対応など、多様な食文化に配慮した約700種類のメニューが提供された。選手たちがSNSに食事の写真を投稿し、その充実ぶりを称賛したことも話題となった。

 通常の五輪では、トップアスリートのなかにはそもそも選手村に滞在せず、食堂への期待が高まることは少ない。しかし、コロナ禍で多くのホテルや飲食店が営業を制限されるなか、多くの選手が選手村に滞在した。その結果、日本の大衆料理や滞在環境の質を体感する機会となった。皮肉にも、コロナ禍が“おもてなし”の成功を後押しした形である。

 こうした経験は、ポストコロナ期の訪日観光にも通じる。2025年9月には、訪日外国人旅行者数が前年同月比13.7%増の約327万人に達し、1月から9月の累計では過去最速で3,000万人を突破した(JNTO調べ)。特に中国、韓国、台湾、米国などのリピーターを中心に、滞在型観光の需要が高まっている。旅行者は観光名所を巡るよりも、滞在先での安心感や快適さ、食や生活文化を体験することに価値を置く傾向が強まっており、都市部のカフェや地方の宿泊施設での滞在型体験が人気を集めている。

 東京五輪では、選手たちが観光地を巡ることなく、日本の日常的な食文化や滞在環境を体験し、強い印象を残した。この現象は、観光地を積極的に巡らずに滞在そのものを楽しむ“観光しない旅”の拡大として、現代の訪日観光トレンドにも反映されている。

五輪後の受け入れ文化の進化

 選手村の話題が出ると、個人的に思い出すのは高校時代の陸上部の合宿だ。振り返ると、1964(昭和39)年の東京五輪の選手村跡地にあった「国立オリンピック記念青少年総合センター」に宿泊した記憶がある。1983年のことだったと計算してみると、今の施設ができる前だったようだ。

 そのとき、選手村の面影が残っていることに気づいた。特に印象に残ったのは、共同トイレの個室の仕切りの下が空いていて、利用者の足が見えるという点だ。欧米的なデザインだと感じたことを今でも覚えている。

 1964年の東京五輪の選手村も、選手たちから好評だったという記録が残っている。日本は戦前から修学旅行や団体旅行の文化が根付いており、団体の受け入れには慣れている国だ。運動部などの「合宿型受け入れ」にも長けており、この点が他国とは異なる強みとなっている。

 国際スポーツ大会における日本の受け入れ態勢には定評があり、2019年のラグビーW杯では、地域全体で選手団を迎え入れていたことがよく報じられた。また、新潟県柏崎市は海外水球チームの合宿地として定着しており、2018年の平昌冬季五輪や2019年の光州世界水泳では、多くのチームが事前合宿で日本の施設を利用した。

地方創生の新形態、宿泊施設の進化

 日本全国に点在する「少年自然の家」や「青年の家」といった宿泊施設は、かつて「合宿型受け入れ」のインフラとして重要な役割を果たしていた。しかし、少子高齢化の影響を受け、これらの施設は年々減少傾向にあり、その現状は残念である。

 それでも、静岡県・沼津市ではかつての「少年自然の家」が現代的にリノベーションされ、2017年から「泊まれる公園 INN THE PARK」として新たに営業を開始している。この動きは、施設の進化を示す一例であり、2022年3月には福岡にも「泊まれる公園 INN THE PARK 福岡」が開業し、好評を博している。

 こうした施設の人気は、あえて1か所に留まることを楽しむ旅のスタイルが一部で支持されている現れであるといえる。

 また、コロナ禍で盛り上がったキャンプブームは若干下火になりつつあるが、それでもインバウンドのキャンプ需要は着実に増加している。日本オートキャンプ協会(JAC)の「全国キャンプ場の2024年秋冬営業状況」によれば、全国のキャンプ場でインバウンドが増加しており、特に北海道、九州、沖縄地方でその傾向が顕著であることがわかる。

 インバウンドの多くはリピーターであり、日本各地を巡ることを一時的に棚上げし、自然豊かなキャンプ場で“コト消費”を楽しむ傾向が見受けられる。これもまた、近年広がりつつある“観光しない旅”の一形態である。

インバウンド需要復活と新たな楽しみ方

 コロナ禍が終息し、街には新たな変化が見られる。

 少子化などの影響で国内のアミューズメント施設の売上は減少傾向にあり、ゲームセンターの店舗数も年々減少していた。しかし、コロナ禍明けにインバウンド需要が回復すると、ゲームセンターは再び活気を取り戻している。

 そのなかには、インバウンドを主要な顧客層とする店舗も存在し、秋葉原などではゲームセンターでクレーンゲームを楽しむインバウンドの姿が当たり前のようになった。

 何度も訪日しているリピーターのインバウンドは、都市部で“観光しない旅”を楽しむようになっている。これは、観光地を巡るのではなく、街中で楽しめる活動が多くなったことを意味している。食べ歩きやショッピング、ゲームセンターに加え、カラオケやサウナ、岩盤浴など、日本人の日常のなかで楽しむ娯楽がインバウンドにも人気を集めている。

 これまでの「観光 = 観光地巡り」という概念は変化し、リピーターが増え続けるなかで、日常を楽しむ旅へのニーズが強まっている。日本の安全な環境が、こうした“観光しない旅”を支え、インバウンドにとって魅力的な場を提供していることは確かだ。(仲田しんじ(研究論文ウォッチャー))

文:Merkmal 仲田しんじ(研究論文ウォッチャー)

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みんなのコメント

8件
  • usa********
    言いたいことはまぁわかるのですが、例えば主語と述語が対応していないなど、文法を逸脱した文が多く、全体的にかなり読みづらいです。
  • しゃこたんブーケ
    誰も推敲していないのか読み辛い文章。
    冒頭で「平和ボケ」を観光資源とするという主題を提示しているが、その後の東京五輪の選手村の話や合宿文化の話が、どう「平和ボケ」と結びついているのか論理的な繋がりがない。そして、論理展開の飛躍と唐突な話題変更、同じ主張の繰り返し、 結論が曖昧。朝から読み疲れました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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