この記事をまとめると
■エンジンやミッションの載せ替えには改造申請が必要な場合がある
「12カ月点検」はたった「3割」程度しか受けていない! 「義務」だけど「罰則」のない法定点検の中身とは
■令和8年7月より一部の改造申請が不要になる可能性が出てきた
■まだ制度の中身は調整中でNALTECでは意見を募っている
大幅な改造にはお金も時間もかかる
最近では少なくなった気がするが、かつてのチューニングカーでは、ミッション載せ替えやエンジン載せ替えなんて方法が溢れていた。
メリット・デメリットはいろいろあるのだが、この手のチューニングでもっともメジャーだったのが、「安いベース車に人気グレードのエンジンやミッションをドッキングする」という手法。
暗号のように聞こえるかもしれないが、この手法のメリットは、安い中古車を人気グレードに変身させられることにほかならない。簡単にいえば、自然吸気かつATという、走り好きからは相手にされなかったQ’sやスペックSのシルビアに、ターボエンジンとMTを載せ、上級モデルだったK’sやスペックR同等のメカニズムを与えてやるという手法だ。
こうすることで、人気グレードと同等のクルマが15年くらい前までは安価に手に入ったのだ(最近はネオクラシックカーブームでこの手法があまり通用しない……)。上手くパーツを集めれば、人気グレードの中古相場の半額くらいで作れたという。また、愛車をクラッシュさせてしまった際、同様に不人気グレードのボディを買ってきて、元の愛車の中身を総移植する、箱替えなんて手法でも、この載せ替えという手法はよく使われた。
しかし、「載せ替えてはいおしまい」で終わらないのが日本の法律。車検時に「エンジンを載せ替えた」、「ミッションを載せ替えた」、「サスペンション(リーフスプリング)を変えた」、「アーム類を変更した」などなど、走る・曲がる・止まるに関する大幅な改造をした場合、「改造申請(構造等変更検査)」を出さなければならない。「右ハンドルから左ハンドルにした」なんていう特殊な場合も該当する。
そしてこの審査、「申告したからOK」で片付かない。どんなクルマのどんなパーツを使ったのか、載せ替えたことにより強度は大丈夫なのか、強度計算はできているかなど、安全に関する項目なだけに、かなり細かくチェックされる。先の例に挙げたシルビアのMT化は鉄板なので慣れたショップも多く、ほぼ完成した状態の書類をもっているショップも多いが、変わったクルマなどでやると、相当骨が折れるそうだ。
ちなみに、同形式のエンジン同士の載せ替えであれば、この「改造申請」は不要だ。わかりやすいので何度も登場させているが、シルビアのエンジンとしてお馴染みの「SR20」は、車検証の原動機の項目に「SR20」としか書かれていないので、「SR20DE(自然吸気エンジン)」から「SR20DET(ターボエンジン)」に載せ替えても、とくに問題ない。S13シルビアの前期モデルにあった「CA18DET」を「SR20DET」に載せ替えた場合は改造申請が必要だ。
このように、載せ替えるのも大変だが、載せ替えたあとも事務的に大変なことが多いので、変わったことをすると、それだけ費用も時間もかかる。プライベーターはもちろん、チューナー泣かせでもある。もちろん、ナンバー不要のサーキット専用車ならなんでもアリ。なお、一部車種ではアッパーアームなど、一部足まわりのパーツを変更した際にも書類や改造申請が必要になる。
ちなみに、これらの申請を受けて検査をパスした車両の車検証には、「S14改」みたいな感じで、型式の欄に「改」と明記される。めちゃめちゃ格好いい(!?)のだが、自動車の任意保険に入れないケースが多かったり、保険料が高かったりと、これまた酷い仕打ちが待っていることが多い。ネット型ではなく、代理店型などを使って直接保険会社の人と相談すれば、そのリスクは軽減できる(実際に筆者の身近な人でもそうやってクリアした人がいる)。
改造申請が大幅にラクになる可能性
さて。前置きが非常に長くなったが、こんなにも大変な改造申請がなんと、なくなる可能性が出てきたのだ!
この一部のチューナーにとって大ニュースを発表したのは、独立行政法人自動車技術総合機構(以下:NALTEC)。自動車の検査(車検)や型式認証審査(新車の安全・環境性能確認)、リコール検証、基準策定研究などを担い、自動車の設計から使用段階までを管轄する機関だ。
同機関は、「改造自動車届出制度の見直し」といったプレスリリースを2026年1月28日に発行。その中身には、以下のように書かれている(一部省略)。 改造自動車届出制度は、改造内容について届出を得ることにより新規検査等当日の保安基準への適合性の確認を適正かつ効率的に行うことを目的としたものだが、昨今のデジタル化推進に伴い届出手続きの効率化を図っていく必要がある。また、自動車機構における自動車の構造・装置の変更等に伴う事前書面審査制度は「新規検査等届出制度」と「改造自動車届出制度」が存在し、自動車の形態によっては同一の検査において2種類の届出が必要となり、新規検査等に係る手続きが煩雑になる場合があります。これらの課題を解消すべく、審査事務規程の一部を改正することとする。 要するに、書類作業が増えて非効率なので、検査などの簡略化をおこない、スムースに車検や改造申請を進められるようにするということだ。プレスリリース内の紹介では、「動力伝達装置」、「走行装置」、「緩衝装置及び連結装置」に関連する改造は、一定の安全性が確保されているものとして、改造自動車の届出対象から除外すると紹介している。
一例で挙げられているのは、「自動車メーカー純正部品を変更することなく用いた改造」、「アフターパーツメーカーが製造し一般市場において流通している自動車部品を変更することなく用いた改造」だ。つまり、先の例で挙げたATのシルビアをMT化したり、70系ランドクルーザーなどに使われる、リーフスプリングを変えてリフトアップするなど、事情の説明などは都度必要かもしれないが、いままでのようなややこしい改造申請が不要ということだ。また、購入時に強度計算書が付いてくるアーム類やリーフスプリングについても、車検時に書類の提出だけで済むそう。
とはいえ、シルビアの数はかなり減ってきているので、最近のクルマで今後ありえるとしたら、ATの86(ZN6)のMT化などが該当するだろうか。ただし、MTの設定がもともとないクルマに、同じメーカーのミッションとエンジンだからといって、MTや設定のないエンジンを載せ替えるのは、いままでどおり改造審査が必要なようだ(アルファードのMT化など)。
ただし、これには車種やメーカーによってさまざまな抜け穴や、「この場合どうなるの?」と、イレギュラーなことも無数にありそうなので、まだまだ精査が必要だろう。実際、「これはどうなんだ?」「この制度は反対(賛成)だ」などのパブリックコメントを、NALTECでは、FAX、メール、郵送で令和8年2月10日(火)まで受け付けている。有識者の意見を聞いた上で、どう運用していくか検討するのだろう。このままでは施行直後、現場の検査員やもち込んだ人も混乱する可能性も否定できない。実際、SNS上でも「これは?」「この場合は?」と、混乱気味だ。
リリース上では、令和8年3月に法改正を行い、令和8年7月からこの制度を施行する予定としている。
ここにきて、チューナーたちにとっての大ニュースが舞い込んできたわけだが、この制度が今後どうなるのか、どのように運用されるのか、改造車好きの筆者としては引き続き注目したいものだ。
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みんなのコメント
いい加減な改造がダメなのはもちろんですが、乗る側も、改造車だから異音や振動などに気をつけるなどは必要です。
ノーマル車みたいにメンテナンスフリーではない事は忘れてはならないと思います。
走り屋が首相になると
こんな感じか?
あとは旧車に愛の手を