“手が届く”スーパースポーツ登場
本格派だけど親しみやすいスーパースポーツだ! 突如キラ星のごとく現れた新生YZF-R7。スーパースポーツの醍醐味が手の届く範囲で味わえる。そんな大注目のマシンの速攻撮り下おろしに成功したのでお届けしたい。
73馬力/188kgのヤマハ「YZF-R7」参上!! 思いっ切り走れる2気筒スーパースポーツ
本格スーパースポーツとフレンドリーなMTが融合
ヤマハのスポーツマインドを具現化したYZF-Rシリーズに、新たな仲間が登場だ。その名はYZF-R7。この名前に聞き覚えのある読者もいることだろう。前世紀末の1999年に発売された同名の車両は“OW02”の別名を持つように。スーパーバイクレースのベース用ホモロゲーションマシンとして500台限定で作られたもの。価格は約400万円以上の別格的レアマシンだった。
だが、今回登場した新生YZF-R7は以前とは、いやそれどころか既存のスーパースポーツとも、まったく異なる新機軸の意欲作だ。
コンセプトは「Fun Master of Super Sport」。幅広い技量のライダーが“扱いきれるスーパースポーツ”を目指し、フレンドリーさで定評あるMT-07のコンポーネントをベースに、最新スーパースポーツのスタイルとスポーティなハンドリングを調和。多くのライダーが市街地、高速道路、ワインディング路からサーキットでのスポーツ走行など様々なシーンで、クールで楽しい走りを手にできるマシンとした。しかも、米国では約100万円とリーズナブル! 日本では2021年冬に発表されそうだが、価格は100万円を切るとの噂も。
本誌ではこの新生YZF-R7を、ベース車となる新型MT-07および600ccピュアスポーツで一時代を築いてきたYZF-R6と同時のナマ撮りに成功。まずは3車のスタイリングと、気になるライディングポジション比較をお届けしよう。
――
―― 【噂は本当だった!】本誌では集めた情報により、以前からMT-07ベースのYZF-R7登場の可能性を左のようなCGも作ってスクープ。やはり噂は本当に実現した。
YAMAHA YZF-R7[2022 EU model]
―― M字ダクトと両脇にポジションランプを配置した完璧なYZF-Rフォルム。倒立フロントフォークが戦闘力を高めている。トラコンなど電子装備は持たない代わりに低価格設定(北米で100万円程度)とした。
―― 直4に比べて横幅が狭い並列2気筒エンジンを活かしたスリムなフロントビューを実現。YZF-RらしいアッパーカウルはM字ダクト内に1灯のヘッドライトを設置する。
―― 2気筒のスリムさと軽さを活かし、走りとスタイル、そして価格をバランスさせているのがYZF-R7。ショートマフラーやスイングアームなどはMT-07と共通だが、セパレートハンドルとフルカウルでスーパースポーツらしく仕立ててある。
―― R6に対し全長は30mm、ホイールベースは20mmとやや大きめなディメンジョン。シート高は835mmと低くして足着きにも考慮した。R6のようなカミソリレベルのハンドリングよりも扱いきれる範囲を狙っていることが窺える。
YAMAHA YZF-R6[2017 EU model]
―― YZF-R1の弟分として600レースを念頭に置き輸出仕様のみ作られた直4ミドルスーパースポーツ。ユーロ5には対応せず公道仕様は2020年限りで生産終了。撮影車は2017年モデルだ。
―― 排気量はR7より少ない599ccだが、気筒数が多いために横幅のボリュームは増。ヘッドライトはR1同様の2灯式で、ウインカーも同じくミラー内蔵型を踏襲している。
―― 車体の基本設計は2006年モデルがベース。熟成を重ねて2017年モデルで外装を最新YZF-Rスタイルにすると同時に6段階トラクションコントロールシステムやR1と同型のφ 43mm倒立フロントフォークをゲットした。
―― サーキットでの空力性能を極めるため、スクリーンも低く抑えたフォルム。シート高も850mmと足着き性より運動性能を最優先した高めの設定だ。だが、新R7のフォルムは究極SSを目指したこのR6と遜色ないのは見事だ。
YAMAHA MT-07 ABS[2021 EU model]
―― ベースとなるのは国内でも7月末から発売になる新型2022年モデル。ユーロ5に対応するとともにエンジンの熟成でトルク曲線を改善し加速特性を向上した。撮影車は欧州仕様だ。
―― 新R7と同じく1灯でHi/Loを兼用するバイファンクションLEDヘッドライトを新採用。大型化されたタンクカバーサイドのエアスクープがスリムな車体を強調している。
―― R7のベースとなるが、アップハンドルは先代から左右幅を+32mm、高さを+12mmとしてよりアップライトに。フロントフォークは正立タイプを採用する。
―― R7に対して全長で15mm、ホイールベースで5mmプラスとディメンジョンとしては一番大きめ。シート高は805mmと低く、足着き性では一番。3車を並べると、R7はこのMTとR6の中間設定になっていることが分かる。
ライディングポジション比較【身長170cm/体重60kg】
―― 【ちょっと本気にさせる雰囲気の持ち主】低く構えたセパレートハンドルで、本格スーパースポーツらしいそれなりに前傾姿勢となるライディングポジションだ。足着きは両足指の付け根が接地する常識的な範囲内とした感じだ。
―― 【ガチサーキット前提。公道は我慢しろ】サーキットで思い切り伏せることを前提としたライディングポジション設定。ステップ位置もR7より高くそして後方にセットされている。足着きはつま先がギリギリだ。
―― 【街中からツーリングまでラクチン】アップハンドルはライダーにも近く、街中で扱いやすい。アップライトながらやや前傾ぎみのライディングポジションは、峠道や風圧の強い高速道路にも強い。足着き性も良好だ。
―― 3車の足着きを比較。
―― 3車のライディングポジションを比較。
3車のスペックを比較
―― 3車のスペックを比較
YAMAHA YZF-R7[2022 EU model]
―― YAMAHA YZF-R7[2022 EU model]
―― YAMAHA YZF-R7[2022 EU model]
―― YAMAHA YZF-R7[2022 EU model]
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みんなのコメント
4気筒のSSも良いけど、
年取るとシングルやツインのような味のあるバイクが恋しくなる。
個人的には、BMWのR1200Sを復活させて欲しい。