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なぜはっきりと価格表示しないのか? 中古車価格ASK(応相談)表示の是非

 限定モデルなどの希少車をはじめ、最近では旧車およびネオクラシックカーでも「ASK」を掲げる商品車が増えてきたように思う。

 そもそも「ASK」の意味とは? 答えは1つじゃない!? 売る側の「ASK」に秘められた意味とは? 実際に自動車を販売している方にヒアリングしてみた。

来たぞ三菱ラリーアート復活!! 往年のファン大歓喜 まずはタイで発表……日本登場にも期待大!!

文/松村透
写真/松村透、トヨタ、日産、マツダ、スバル、Adobe Stock(トビラ写真:bluedesign、Tiko、spyrakot)

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■一般的にイメージする「ASK」とは?

「ASK」の表示を掲げているクルマは憧れの存在であったり、人気車種であることが多い

 「ASK」を和訳すると「訪ねる」だ。もう少し販売寄りの表現に置き換えると「価格応談」ということだろう。

 気になった人はホームページの問い合わせフォームや、電話・メールなどで金額を問い合わせてくれたら教えますよ(たぶん)、というわけだ。

 この「教えてあげますよ(たぶん)」が、売る側・買う側双方にとってフィルターとなっている。売る側にとっては「冷やかしお断り」の無言のメッセージが込められており、買う側にとっては本気度が試されることを意味する。

 「ASK」のクルマをどう扱うかは売り手の都合次第だ。クルマを大切にしてくれそうな人、現金一括で払ってくれる人、他のお客さんも紹介してくれそうな人…。つまり、売り手の希望にマッチする客を選ぶ「完全なる売り手市場」である。

貴重な個体であればあるほど、大切にしてくれる人に託したいという想いも秘められている

■バブル期の頃にはすでにあった「ASK」の表示

 これほど「ASK」が浸透したのは、30年ほど前のバブル期が起源ではないだろうか。

 フェラーリやランボルギーニのニューモデル、限定車など、当時の雑誌を読み返してみると軒並み「ASK」であることに驚かされる。

 それすらも超越したフェラーリF40が2億4千万円とか、デビューしたばかりのランボルギーニ ディアブロが1億円など・・・ASKを通り越して、一時期は金額を明示して開き直っている(?)物件も散見された。

 最近はほとんど聞かれることがなくなった「アーマーゲー(AMG)」同様、バブル期には「ASK」や「Asking」および「価格応談」が混在していた。まさにバブル期は「ASKの表現方法」にとっても過渡期だったのだろう。

バブル期には「ASK」をはじめ、「Asking」および「価格応談」といった表記も混在していた

■自動車販売店が「ASK」と表示せざるを得ない理由とは?

 「ASK」と表示されているクルマは総じて市場の注目度が高い。

 その分、エンドユーザーおよび業者を問わず、価格の問い合わせも多い。その多くが冷やかし半分や興味本位だったりする。

 事実、あまりに冷やかしの問い合わせが多く、売る側が嫌気を差してストックリストから削除してしまうケースもあるという。

 問い合わせがある以上、無視するわけにもいかない。結果として冷やかしだと分かった場合、販売店にとっては無駄な時間を費やすことにもなりかねない。

 販売店の方によると「メール等のお問い合わせがあった際に、お名前とお電話番号を教えていただければ折り返しご連絡いたします」という対応を取っているという。

 すると、実際に8割くらいは返信ないという。これはあくまでも一例だが、8割が冷やかしというわけだ。その反面、残りの2割は電話番号を開示してでも金額が知りたいわけだ。

 それに、不特定多数のユーザーにわざわざ知らせなくともオーナーとなりうる候補者はいくらでもいることも事実だ。

 販売店の常連客や優良顧客が購入してくれるのであれば、わざわざgooやカーセンサーなどの検索サイトに掲載する必要はもないのだ。

あくまでも一例だが「ASK」の問い合わせの実に8割が冷やかしだという。人気車種を商品車に抱えるのもラクじゃない!?

■ASKのクルマを一見客が問い合わせる際に気をつけることは?

 探し求めていたクルマの価格が「ASK」だった場合、多くの人が知りたいのは販売価格だろう。

 予算内に収まるのか、多少無理すれば手が届くのかを見極めるには、商品車を販売している店舗に問い合わせるしかない。とはいえ、なかなか勇気がいることも事実だ。そこで、問い合わせる際に気をつけるべきことをまとめてみた。

◎冷やかしではないことを伝える
 ASKの物件はメールや電話、そして店頭と、多くが冷やかし目的の問い合わせだったりする。本気であれば、その想いをお店側に伝えたほうがいい。

 そして、できるだけ早いタイミングで現車確認の日程を組むか、遠方で難しい場合は車体の画像を添付ファイルに付け加えてメールで送ってもらうよう頼んでみるといい(その際、確認したい箇所や部位を事前に伝えておくとスムーズだ。

 それを回避してくるようなら、何らかの訳ありである可能性もありうる)。もたもたしていると他の誰かに買われてしまうことも充分に考えられるからだ。

◎店舗側のいうことを真に受けない
 筆者も以前、自分が所有していた愛車が売りに出ているのを偶然見つけて、いてもたってもいられずアポイントを取ったことがある。「お客さんで2人目ですね。その後に何十人も控えていますよ」といわれた。

 あわよくば買い戻せないか・・・と画策していたが、その価格を聞いて卒倒した。もはやとんでもないプレミア価格となっていたからだ。「いちど手放した愛車は手元には戻らないと知るべき」いう格言は本当だと気づかされたものだ。

◎最初のひと言は上乗せしている可能性大
一見のユーザーがでどんなことをいってくるかわからないだけに、価格交渉の余裕を持つ必要がある。そのため、販売店が本当に売りたい金額よりちょっと上乗せして伝えることが多い。

◎あまりへりくだる必要はない
 いくら売り手市場であっても必要以上にへりくだる必要はない。ここで横柄な態度を取る自動車販売店はこちらから願い下げだが、意図的にハッタリをかましていることもあるので、このあたりの見極めが難しい。

 冷静な対応と見極めが求められる。こういう時、友人や知人に紹介してもらったうえで「ASK」の物件にたどりつけると理想的なのだが・・・。

「一度手放した愛車は手元には戻らないと知るべき」。ワンオーナー車のユーザーはこのことを本能的に理解しているのかもしれない

■答えは1つじゃない!? 「ASK」に秘められた意味とは?

 表面上は「ASK」であっても、その裏側ではさまざまな事情や思惑がうごめいて(?)いることは間違いなさそうだ。そこで「ASKに込められたホンネ」を下記にまとめてみた。

 いま、gooやカーセンサーなどで表示されているクルマが「ASK」だったとして、下記のいずれかにあてはまる可能性が高いと思っていいだろう。

 今回、実際に自動車販売店が「ASK」に秘められた意味について現場の方にヒアリングを敢行。その事例を下記にまとめてみた。

◎gooやカーセンサー、中古車販売店のwebサイトなどで同じ車種がない:
 日本市場で1台しか存在しない車種である場合、圧倒的に売り手にとって有利な状況。販売の主導権を握るために、価格を明示しないことがあります。

◎仕入先(個人)に販売価格を知られたくない:
 旧車の場合、買取価格と販売価格が大きく離れていることがあります。某自動車販売店では買い取り価格に対して200万円以上、上乗せしています。それが「相場」です。

 しかし、売却したオーナーさんが、自分のクルマがいくらで売られているか気になってネットで検索して見つけるケースも少なからずあります。そのため、売却価格に対して数百万円も上乗せされていると知ると、気分を害したり、時にはクレームを入れてくる方もいらっしゃいます。

 そういったトラブルを回避する意味で「ASK」と表示しているケースもあります。また、売却時に前オーナーから「値段見たくないからASKにして」とリクエストされるケースもあります。

◎他店舗の基準にならないようにするため:
 どのようなクルマでも売値はお店が自由に決めることができます。しかし、同業他社の販売価格とかけ離れていると買ってもらえません。安すぎても、高すぎてもだめなんです。

 しかし、希少車だと比較対象がなかったり、少なかったりするので、売る側も基準となる価格が分からないことがあります。そうなると、商品車を抱える自動車販売店の過去の経験で値付けするしかありません。

 逆に、経験のある店舗は、他店の値付けの参考にならないように「ASK」表示にすることがあります。

車種や店舗によっては、「ASK」のクルマに限らず、購入希望者が社長面談をするところもあるようだ

 取材を進めるうちに予想外な意味合いが秘められていることも分かってきた。

◎売却するユーザーを厳選する(したい)ため:
 販売価格がASKである以上、販売店にとっても特別な存在であることが多いです。そうなると買ってくれるなら誰でもいいというわけではないことも少なくありません。

 店舗なり販売店の社長が「この人になら売ってもいい」と思える方に託したいというケースもあります。車種や店舗によっては社長面談をするところもあるみたいですね。

 そういった行程が苦にならない人でないと手に入れるのが難しい車種がある(最近は増えてきている)のも事実だと思います。

◎購入希望者の間口を広げるため:
 販売金額だけで判断してほしくない場合に目に見えない失客を防ぐ意味で「ASK」と表示する場合があります。

 モニター上で映っている「パッと見た感じ」と「距離」、そして「金額」で判断されてしまうことが多いので、市場の注目度をあげる意味で「ASK」にしていることがあります。

 もちろん「ASK」の安売りをしていると効果が半減するのは承知しているので、コンディションが良かったり、整備記録がしっかりと残っているなど売る側としても自信がある場合に「ASK」とすることが多いですね。

◎海外バイヤー対策のため:
 いまや貴重な日本車が海外へと流失していることは、多くのクルマ好きの方がご存知だと思います。

 「日本人(国内向け)価格」と「海外向け価格」を使い分ける意味で「ASK」と表示しているケースもありますね。ではどちらかが高いのかは・・・お察しください。

 このあたりは水際(国内に)で食い止めたいという店舗と、利ざやを稼ぐために海外へと売る店舗で考え方が大きくことなってきます。

市場の注目度をあげる意味で「ASK」にしていることがあるという

 ひとくちに「ASK」といってもさまざまな意味合いがあるようだ。

◎販売価格は未定だけど、早く売りに出したいため:
 さまざまな事情がありすぐには販売価格は決められないけれど、とりあえず商品車として掲載しておきたい場合も「ASK」と使うこともあります。

◎時価のため相場が流動的:
 まるで株式相場のように販売価格が安定しない(上下する、短期間で価格が上昇する)場合も「ASK」と表示します。

 こうなるともはや生ものと同じです。1ヶ月前は250万円が相場だったのに、翌週には300万円になった・・・といったケースもあります。売る側としては1円でも高く売りたいのがホンネなので「ASK=時価」の可能性も充分にありえます。

◎実は売る気がないため:
 厳密にいえばまったくないわけでもないのだが・・・。よほどの大金を積まれない限り売る気はない場合もあります。ではなぜ商品車として「ASK」と表示しているのかというと、言葉は悪いのですが、要は「客寄せパンダ」です。

 希少車、人気車種など、誰もが注目しているクルマを保有している、在庫として抱えているということを誇示するためにストックリストに掲載しているケースも実際にありますよ。

■結論:ASKのクルマは買いか否か?

 筆者自身の経験はもとより、新旧・国産輸入車を問わずさまざまなオーナーさんを取材させていただいた印象からすると「理屈抜きにこれだ!と思ったら買い」だ。

 もう少し掘り下げると「是が非でも欲しい」と思うクルマがたまたまASKだったら買い!ということだ。

 諦めるための自分自身がを納得させる理由を探している、ちょっとしっくりこない、違和感があると直観的に思ったなら避けた方がいい。もちろん100%とはいいきれないが、その直感は良くも悪くも当たる確率が高い。

 「そんなの答えじゃないだろう!」といわれるかもしれない。確かにそうだ。
 しかし、中古車のASKはもちろん、新車のASKでも基本的には博打であることは、ここで改めて説明する必要もないだろう。

 それが納得できない、リスクを背負いたくないというのではれば、ディーラーで新車を買い、保証期間のなかで乗り替えていくのがベストだ。

自分が行動を起こさなければ何もはじまらない。迷っているうちに他の誰かにかすめ取られる可能性も大いにありうる

 繰り返しになるが、「ASK」のプライスタグを掲げているクルマは総じて注目度が高い。迷っているうちに他の誰かにかすめ取られる可能性も大いにありうる。

 気になっている異性をデートに誘う時と同じだ。自分が行動を起こさなければ何もはじまらない。

 ちょっとくらいぶっきらぼうな対応をしてくる自動車販売店があるかもしれないが、本気度が伝われば相手の対応も変わってくるはずだ。

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