KTMは7月20日、テストライダーであるダニ・ペドロサが、第10戦スティリアGPでワイルドカード参戦することを発表した。
2018年シーズンをもってMotoGPの現役を引退したペドロサ。125cc、そして250ccでは2度の王座を獲得し、MotoGPクラスでも13年間に渡ってホンダから参戦し通算31勝を記録するなど、近年でも突出した成績を残したライダーだ。
■ペドロサ、ワイルドカードへの姿勢に変化「レースではテストで確認できないことが分かる」
ペドロサは引退後、KTMのテストライダーに就任。ワイルドカード参戦を期待する声も多かったが、それについて彼はこれまで興味を示してこなかった。
しかし2021年6月、彼はシーズン後半戦のサンマリノGPでワイルドカード参戦を行なう可能性が報道され、彼自身も今ならワイルドカード参戦を行なう価値があると、心境の変化を明かしていた。
正式に発表されたペドロサのワイルドカード参戦はKTMの母国戦であるスティリアGPとなったが、いずれにせよ彼にとっては約3年ぶりのグランプリ参戦ということになる。ペドロサはスティリアGPでKTM・RC16の開発仕様を走らせる予定だ。
ペドロサは今回のワイルドカード参戦に際し、次のようにコメントしている。
「MotoGPでKTMと共にこのプロジェクトの最初から参加し、僕の経験を彼らと共有できたことはとても興味深かった」
「ステップ・バイ・ステップで、僕らはできる限りのことを行なってきた。今は再びレースに向かうのも興味深い。というのも通常のテストとは別の視点で見ることができるからだ」
「最後にレースをしてから、長い時間が経過している。テストとグランプリでは精神面も全く異なるんだ」
「グランプリでは、僕は“レースという環境”でバイクを試すことに集中する」
「ライダーからの要望を理解できればと思っている」
「家で(MotoGPを)見ていても、バイクやレースが進化しているのは見て取れる。でも今のMotoGPや、新技術、レースの仕方や戦略をより理解するために、僕らはワイルドカード参戦を行なうことにした」
「長い間レースからは離れてきたから、(ワイルドカードでの)予想を話すのは難しい」
「レースのメンタリティにバッチリと嵌るかもしれないし、そうではないかもしれない。ただできるだけレースウィークは楽しもうと思っている」
なおKTMはスティリアGPの1週間後に予定されているオーストリアGPでもペドロサがワイルドカード参戦するかどうかは明らかにしていない。
また当該のオーストリア戦ではペドロサ以外にも懐かしい顔ぶれが見られる可能性がある。ペトロナス・ヤマハSRTのフランコ・モルビデリが膝の手術を受けたことで、9月のサンマリノGPまで欠場する予定となっており、その代役にカル・クラッチロー(ヤマハテストライダー)が起用される可能性があるのだ。
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