生活や仕事を支えるクルマであり、ヘビーデューティーなランクルのDNAを色濃く受け継ぐ存在のランドクルーザー70。2023年11月に再導入され大きな話題を呼び、あっという間にオーダーストップ。その納期は3年とも言われている。初期受注以降、注文できない日々が続いているランクル70は、再び注文を受け付けられるようになるのだろうか。ナナマルの今後の動きが、関係各所への取材で明らかとなった。
文:ジョー城ヶ崎/画像:トヨタ、ベストカーWeb編集部
ランクル70「あと2年で生産終了」は根拠なし!! トヨタ生産継続なのにナゼ? 納期伸びる「手仕事」と日本市場需要急増の背景とは
※本企画に掲載する情報は、筆者が独自に調査し、執筆したものです。
【画像ギャラリー】レトロな丸目が道ゆく人の目を奪う!! でも第2世代も忘れないで!! 非クルマ好きまでも欲しがるランクル70!!(11枚)
初期受注はほぼ納車済み?受注再開は秒読みなの?
これまでクルマに興味がなかった人でさえそのデザインに一目ぼれし受注再開を強く待ち望んでいるという声も聞く
取材に応じてくれたのは、ランドクルーザーの販売に詳しい関係筋。
まずはランクル70の現状だが、オーダーストップは相変わらずの状態。しかしながら、街中でも結構見かけるようになってきており、トヨタディーラーからの納車も順調に進んでいる。今年の11月で発売から丸2年が経過するが、初期受注の半数以上はオーナーの手元に届いているようだ。
当初予想されていた3年という納期は、若干短縮される傾向にある。
そうなると俄然期待されるのが、ランクル70の受注再開。SNSなどでは2025年中に復活などという話もあるが、実際のところどうなのか。関係筋に聞いてみると返ってきたのは、「あと2年くらい、受注再開はない」という少々残念な答えだった。
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納車が進んでも注文再開が出来ない理由
1984年登場のランドクルーザー70。ドアミラーではなくフェンダーミラーとなっている
ランクル70は海外が主戦場となるクルマである。これは1984年の第1世代登場時から変わらぬ事実だ。現行型における国内の初期受注に対して、ある程度優先的に新車をまわしてくれている今の方が異常な状態なのである。
第3世代登場直後は、レトロな丸目ブームも大きな追い風になり、販売現場が非常に混乱した。しかしながら、生産と配車についてはいつでも平常運転状態。トヨタディーラーもこの点は理解しており、トヨタに対してランクル70の生産を急かすような動きは起こしてはいない。
世界的に需要が高まっていても、国内での人気が爆発していても、国内の生産工場はトヨタ車体の吉原工場のみ。今は工場自体にも拡張性が無いため、作ったものはほぼ全数が海外へ送られているのが現状である。
なぜ吉原工場に限定しなければならないのかには様々な理由があるが、最も大きな理由の1つはピラーやボディ開口部などの溶接作業が手作業であり、これが吉原工場の匠にしかできないことだから。こうなると物理的に増産は不可能なのだ。
70の生産が急激に増える、つまりは一般的なカタログモデルと同様に、常時注文ができるようになる(一般的な解釈としての”受注再開”となる)には、トヨタがナナマル生産用に新しい工場を作るか、生産ラインをナナマル用に新規で追加するか以外はあり得ない状況にある。
これらの実現可能性は極めて低く、注文再開は約2年先まで難しい状態だ。
BEVとランクル70の意外な関係
UAEをはじめとした中東で追加されることなったランドクルーザー300ハイブリッド
さらにナナマルの増産に踏み切れない理由が、昨今のBEV規制対応にもあるという。
ランクル70のような純ガソリンエンジン車を増やすということは、自ずとトヨタのBEV+HEVのウェイティングが下がることを意味する。ランクル300にもHEVが追加されたように、世界規模で考えるとメーカーの電動化比率(HEVを含む)は、大きな意味を持っているのだ。
例えばランクル70がBEVになれば、増産もバンバンかかるわけだが、ナナマルはそういうクルマではない。仮にBEV化を目指すとしても、そのハードルもかなり高いところにあるだろう。電動化が進む一方で、ナナマルはBEVになるべきではない(どこへでも安全に行って帰ってくるために)のは世界共通認識なので、ニーズがあるからたくさん作るという方向に舵が切りにくいという状態にもなっている。
注文再開は少し遠い未来の話になるが、カタログモデルから消えるということは絶対にないから安心してほしいとも、関係筋は語ってくれた。
現行のナナマルは、メーカーとしても手をかけて新たなエンジンとトランスミッションでの仕様を起こし、相当手間をかけているから簡単にドロップアウトすることはないというのだ。
生産現場からも販売現場からも、相当な時間はかかるがもう一回注文ができるようになる時期は来ると常々声が出ているから、ナナマルの所有を切望している人は、待つしかない。
トヨタとしてもナナマルのお客様が多数待っているということは知っている。それと同時に、ナナマルのお客様が「待つ人」であることもトヨタは知っているのだ。
変わらないことがナナマルの美徳である。クルマとしての構造などはもちろんだが、初代から続くナナマルの生産方式も配分割合も、そしてお客様(オーナー)も変わらないことに美しさがあるのだろう。
時間はかかるが、待っている人のところへランドクルーザー70はやってくる。必ずくる受注再開の時を、待っていてほしい。
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みんなのコメント
供給がそれ以上に少ないだけ。
こんなもの、お役所と土木、牧場主くらいしか本当は必要としないんだから、業販リースのみにすればいい。