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【究極の二面性こそ、伝統】アルピナB7ロング・アルラット試乗 最も「意外」なアルピナ

掲載 更新 52
【究極の二面性こそ、伝統】アルピナB7ロング・アルラット試乗 最も「意外」なアルピナ

期待大、最強世代の「7」アルピナ版

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)

【画像】伝統の「7」、新鋭の「7」【アルピナB7とXB7を比較】 全190枚

photo:Toshikazu Moriyama(森山俊一)

editor:Taro Ueno(上野太朗)

どんなメーカーにもあまり期待されていないシリーズがあるものだ。

BMWでは7シリーズがそれにあたるような気がする。サイズや質感はライバルと互角で、ハイテクが詰め込まれているのだけれど、じゃあBMWらしいかと言われればそんな感じもしない。

ところがG11/G12こと現行の7シリーズは違った。

最初の試乗車は直6エンジン搭載のベーシック寄りのモデルだったのだが、カーボンで補強され、鉄とアルミ、マグネシウム等で作り込まれたシャシーは、ボディサイズに比して乗り味が軽快で、しかしすこぶる硬い。

結果的にラグジュアリーな7シリーズでありながら、3や5にも通じる機敏な走りもあわせ持っていたのである。

そして当然のように、そのアルピナ版であるB7ビターボ(前期型)も歴代最強の7として強く印象に残っている。

今回ドライブするB7ロング・アルラットはG11/12の後期型となる。

エンジンは4.4L V8ビ・ターボ・チャージング(ツインターボ)で、ZFとの共同開発による8速AT「スイッチトロニック」やアルピナ初のエアサスなどスペック的には前期型と大差ない。

だがFRだった駆動は後期型でAWD化されており、より万能感が高まっているはずだ。

B7はロングホイールベース版のみが用意されている。後席の足元スペースが140mm広くなっておりショーファードリブンにも使える仕様となっているのだ。

アルピナとショーファーというとイメージがかみ合わない気もするのだが、実際はどうなのだろうか?

大きいのに小さい、重厚なのに軽快

初対面のB7はキドニーグリルの大きさに圧倒される。

しかも「ALPINA」の文字を掲げたチンスポイラーがアゴの厚みを増すおかげで、顔の迫力はあらゆるSUVをも凌駕する。

真横から見たアルピナブルーのボディは21インチのアルピナ・クラシックホイールの精緻な印象と相まって、5.3m近い全長の割にはアスリート的な雰囲気を漂わせている。

黒いレザーと赤みがかったウッドパネルのコントラストが美しいコックピットはよく見るとシートやダッシュのみならず、室内全体が革でトリムされており、B7の格の高さを思い起こさせてくれる。

定価は2597万円だが、B7をオーダーするようなファナティックは細部まで徹底的にこだわるはずだし、実際には3000万円越えも珍しくないだろう。

走りはじめの重厚な感じから、スロットルを踏み込んでいったときのB7の加速感は独特だ。

ターボが炸裂するというより、重量感が霧散していくような感じなのである。排気音も軽く室内にこもる程度で耳ざわりがいい。

エアサスはドライバーとタイヤの間にゴムボールが挟まったような感触を示すものもあるが、B7のそれは柔らかめと硬めの2種類の金属バネがプログレッシブに機能している印象で、乗り心地の良さとリニアリティを両立している。

このクルマのために開発されたミシュランが路面を捉える様子も、ステアリング越しにつぶさに読み取ることができる。

だからボディが小さく感じられ、どんどんとペースが上がっていくのだ。

究極の二面性こそアルピナの伝統

ワインディングと高速道路で「スーパースポーツセダン」の走りを体感した後、今度はリアシートで「リムジン」を体感してみた。

試乗車のリアシートにはオプションとして用意されているエグゼクティブパッケージ「President」が装備されていた。

シートの座面はやや硬めだが、脚を前方に投げ出し柔らかいピローで頭を支えつつ、リクライニングで体に完璧にフィットさせることができる。

セダンのリアとしては座面が高めなので視界もいい。

低速ではメルセデスSクラスやロールスロイスにも通じる世界観だが、一方ハイペースで走っている場合には自分がステアリングを握っている時と同じようなリニアリティが感じられる。

極上の乗り心地とスポーツ性能の両立というコンセプトがリアシートにまで徹底されている。これはライバルにないアルピナだけの質感だと思う。

ステアリングを握ればスポーツセダンの走りが楽しめ、一方リアでは極上の移動空間を享受できる。

これは超扁平のタイヤで極上のハンドリングと乗り心地を実現してきたアルピナの伝統的なキャラクターそのもの。

車重が2.2tを超えるサルーンでそれを可能にしているのはアクティブなスタビやエアサス、そして可変レシオのステアリングやAWDシステム、後輪操舵といったハイテクだ。

それでも忘れてはならないのは、アルピナがハイテクを乗り手に感知させないほど緻密に操り、B7の性能幅を二面性と呼べるレベルにまで拡大してみせた点なのである。

現代のアルピナで感動や意外性が最も大きく含まれているのは、実はB7なのかもしれないと思った。

アルピナB7ロング・アルラットのスペック

価格:2597万円
全長:5270mm
全幅:1900mm
全高:1520mm
巡航最高速度:330km/h
0-100km/h加速:3.6秒
車両重量:2210kg
パワートレイン:V型8気筒4394ccツインターボ
最高出力:608ps/5500-6500rpm
最大トルク:81.6kg-m/2000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

52件
  • コメント欄に必ず現れる低所得層は無視。

    低所得層はカービューコメント欄から締め出すべき。

    彼らは自分の年収に全く見合わない高級、高額車の記事になると決まって妬み、誹謗中傷を書く負の連鎖。

    君らが努力もせずお金も稼げない事に要因があります。世の中が悪いなどと思い込んでる貴方達、早く気づきな。


    低所得層はスルーで。居ても居なくても同じ様な存在でしょ?構ってあげると涎垂らして連投しちゃうから。

    低所得層に餌やり禁止。


    まあ、生活水準の低い方達はこう言ったところでしか(場所でしか、匿名掲示板の、)
    ストレスを発散出来ないでしょうから彼らにとって精神の安定を取るいい場所なんでは無いでしょうか。

    基本、いないものだと思って無視しましょう。(実生活でも居てもいなくても同じような、空気の様な無職でしょうか。滑稽ですね。)


    障害者に餌やり禁止。喜んで連投するので。完全無視。現実の世界でも居ない存在。 
    空気みたいな物体。ゴミ。
  • 会社経費でS550をリース契約して若い社員に運転して貰ってるキミ、気味が悪い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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