各部の刷新でロードレーサーへ転身
ハーレーダビッドソン(以下ハーレー)は、基本的に速さよりもフィーリングを楽しむマシンだというイメージを持たれている方もいらっしゃるかと思います。
【画像】アドベンチャーモデルがベースとは思えない!! ハーレーダビッドソン「パンアメリカ」のロードレース用バイクを画像で見る
いやいや、実はそんなことないんですよ。ここで紹介するのは「パンアメリカ1250」(以下パンアメリカ)のレースマシンのお話です。聞けば、エンジンはノーマルなのに、ヨーロッパや日本の水冷ハイパーツインと同等か、それ以上のポテンシャルを持っているのだと言います。
パンアメリカはハーレーが開発した大型アドベンチャーツーリングモデルで、水冷の1250cc Vツインエンジンを搭載し、非常に高い完成度を持ったマシンとしても知られています。
ハーレーダビッドソン博多の武田さんがパンアメリカに注目したのはアメリカで開催されている「スーパーフーリガン」というレースでの活躍を見たときでした。ヨーロッパのハイパワーツインを相手にパンアメリカが圧倒的な速さを見せていたのです。
これに刺激されて武田さんも2023年にパンアメリカのレーシングマシンを制作することを決意しました。当時、パンアメリカでサーキットを走ろうと考える人は日本にいなかったと言います。
武田さんは、「自分のスキルアップと新しいチャレンジをしたいと考えてパンアメリカのレーシングマシンを制作することに決めました。実はパンアメリカが発売されてすぐに購入していて、エンジンのフィーリングやパワー感を気に入っていたというのも理由の一つです」と話しますが、アドベンチャーツーリングモデルをレーサーに仕立て上げるとなると、足回りは作り変えることになります。
そのため、前後ホイールを17インチ化し、フロントフォークはオーリンズのカトーリッジタイプに交換しリアショックはアラゴスタ製を装着しています。
「最初はノーマルのフォークで走ったんですがあまり良くありませんでした。フロントヘビーになってしまったんです。バイクはバランスが大事ですから、フロントフォークはノーマルよりも40mm延長しました」(武田さん)。
それまでハーレー「XR1200」でレースをしていた経験からパンアメリカの車体のセットアップに関してもあまり迷うことなく進めることができたようです。
外装はレースでも活躍した「XR750」を彷彿させるダートトラックスタイルに作り変えました。燃料タンクはシート下に移植しFRPで製作。シートは90年代に人気だったメーカー、ストーツ製のレプリカです。
「インナータンクを制作しようとしたんですが、ノーマルはタンク下の形状が複雑で容量がとても小さくなってしまうんです。そこでシートレールを新造して、燃料タンクをそこに装着することにしました」(武田さん)。
注目はエンジンですが、実はノーマルのまま。マフラーのテールパイプを製作してレースに対応したサイレンサーを取り付け、マップを変更したのみです。これで20馬力パワーアップするんだとか。現状では後輪で145馬力。低中速から扱いやすい特性でこのパワーが出ています。ノーマルだから信頼性、耐久性が高いのも大きなメリットです。
このマシンをベースとして、パンアメリカレーサーの2号機も製作。オーナー・ライダーの野中さんがライディングして2025年5月のMCFAJがデビューレースとなりました。
レースでは用意していたマップにトラブルが出てしまって、急遽ノーマルのマップに変更して参戦することになりました。
「九州で走っていたときは問題なかったんですが、プログラムにバグがあるようで筑波を走るとそのバグの部分を読み込んでしまうみたいですね。エンジンが止まってしまうんですよ」(武田さん)。
急遽マップをノーマルに戻して参戦することになったため、本来のパワーは発揮できませんでしたが、対策は万全です。現在はニュージーランド製の四輪用フルコンLinkに変更して武田さん自らマッピングしているところです。まずは野中さんの2号車に取り付けて次のレースまでには対策できるとのことでした。
ハーレーダビッドソン博多にはパンアメリカのレーサーが2台あるわけですが、今後は筑波TTを中心に2台でエントリーしていく予定。1号機に関しては筑波で1分0秒台を狙っているのだそうです。ハーレーのこのダートトラッカースタイル、しかもノーマルエンジンで0秒台が出たら、かなり驚きですが、武田さんは十分に狙えるポテンシャルがあると言います。
もしかしたらダートトラックスタイルのハーレーが1分を切ってしまうかも、なんて考えてしまうとワクワクしてしまいます。
取材協力:ハーレーダビッドソン博多 筑波サーキット写真:POP近藤(後藤武)
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みんなのコメント
今年モデルのパンアメリカSTはホイールが17インチでロードよりになってますね。