海辺のリゾートで何も考えずリラックスする旅も捨てがたいが、少ない休みだからこそ学びを求めて旅にでるのも充実度が高い。知的好奇心を刺激する工芸や農業の体験ができる宿を紹介する。
1.富山でアートと工芸に触れる──楽土庵2.奥多摩で里山を味わう──Satologue(さとローグ)3.八ヶ岳で農業体験──アグリツーリズモ ユタカ4.静岡のクラフトを自作できる──工芸ノ宿 和楽5.長野・木曽で宿場町を堪能する──BYAKU Narai1.楽土庵──富山の散居村で地元の伝統とアートに触れる
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2022年、富山県砺波市の散居村(耕地などに民家が点在する集落形態)に誕生した「楽土庵」。築200年の古民家を再生した1日3組限定のアートホテルで、館内では内藤礼をはじめとする作家の作品を鑑賞することができる。民藝や工芸に触れる機会も設けられていて、地域の人々から伝統文化を見聞きするアクティビティも充実。また、ローカルの食材を使った料理からも富山の恵みを教えてくれる。
長く受け継がれる文化を地域の人たちに教わる富山には、“土徳”という、人と自然が共につくり合う品格を表す言葉が伝えられてきた。そのため宿でも“土徳”を感じてもらうプログラムを揃える。例えば900年前の神事に由来する「越中いさみ太鼓」の体験。自然の恵みに対する感謝から始まった太鼓で、村人はいまも桑野神社で週3~4回練習に励み、宿泊者も村人から太鼓の叩き方を習うことができる。他にも絹織物の老舗はた屋の見学や、江戸時代から作られている「大門素麺」の工房見学、寺での書道体験など、約10種の体験を用意。
水田に囲まれた築200年の伝統建築「アズマダチ」が宿宿は築200年の「アズマダチ」を現代的に再解釈して改修した宿泊棟と、窓の外に農村風景が広がる新築のレストラン・ショップ棟からなる。ラウンジには染色家・芹沢銈介や板画家・棟方志功の屏風にピエール・ジャンヌレの椅子、ライブラリーには美術家・内藤礼の作品を展示。客室には現代作家・林友子のアートワークを壁に配するなど、時代やジャンルを超えた工芸やアート、家具が交錯する空間となっている。ディナーは富山の海の幸・山の幸をふんだんに使い、地元の作家によるオリジナルの器も料理を引き立てる。
楽土庵富山県砺波市野村島645
0763-77-3315
全3室
1泊2食¥98,000~(1室2名利用時2名分)
https://www.rakudoan.jp
2.Satologue(さとローグ)──奥多摩で続く里山の暮らしに溶け込む
昨年5月にレストランとサウナを先行オープンしていた「Satologue(さとローグ)」の宿泊棟が、今年5月に開業した。東京・奥多摩の魅力を伝えるために生まれた施設で、テーマは“沿線まるごとホテル”。JR鳩ノ巣駅をホテルのフロントとし、地域住民をホテルのキャストとするなど、地域全体をひとつのホテルに見立てる。宿泊客は集落散策や野菜の収穫体験を通し、奥多摩の豊かな自然に浸ることが可能だ。
集落ホッピングで発見する、未知なる青梅線沿線JR青梅線の青梅駅から奥多摩駅間には13の駅があり、ハイキングやサイクリングが醍醐味。集落を訪れ、林業の歴史や住民の暮らしを垣間みる時間が新鮮だ。奥多摩は日本トップクラスに巨樹が多いエリアであり、森林セラピーも叶う。渓谷の奥へと進むわさびツアーでは、冒険のような刺激も得られる。宿の敷地内では、自家農園での野菜の収穫、焚き火などの体験を提供。
山の麓に佇む、安心して帰れる家のような宿宿泊棟を含むSatologueの施設は「guntû(ガンツウ)」等を手がける堀部安嗣氏が設計を担当。繭のような白いアーチ型天井のある客室は、柔らかな木の質感により森に溶け込むような空間となっている。テラスからは奥多摩の自然を一望し、バスルームからも対岸の緑を眺めることが可能。元倉庫を改築したサウナもあり、綺麗な空気に包まれた外気浴が至福だ。元民家のレストランでは、自家農園の野菜や清流で育った川魚をフレンチベースの調理で提供する。
Satologue(さとローグ)東京都西多摩郡奥多摩町棚澤1
0428-85-9310
全4室
1泊2食サウナ付き¥49,500~(1室2名利用時1名分)
https://satologue.com/
3.アグリツーリズモ ユタカ──八ヶ岳南麓で狩猟に触れ農業を体験
2024年8月に山梨県小淵沢に開業した「アグリツーリズモ ユタカ」は、一日一組限定の体験型オーベルジュ。「リゾナーレ八ヶ岳」等で経験を積んだシェフとコンシェルジュの夫妻が、標高800mの自家農園で育てる無農薬野菜を中心に、旬を表すイタリア料理を提供する。シェフが現役猟師のため、獣道に一緒に入り、狩りの方法を教わることもできる。
野菜を収穫し、猟師の話を聞いて山の生態系を知る猟師体験では、まず狩猟道具(主に罠猟)の使い方を学び、その後、山に入り野生動物の足跡や糞などを探していく。動物の気配を感じとりながら進むと、鹿が姿を表すことも。農業体験ではディナーに使用する野菜を宿泊客が自家農園から収穫。日によっては種まきも経験できる。また、宿からクルマで10分の乗馬クラブでの乗馬も人気だ。蕎麦打ちやジェノベーゼ作りなど、料理系のアクティビティも豊富で、それらすべて子どもと一緒の体験も可能だ。
住人気分の一棟貸しは、家族での連泊にも最適宿泊は無垢の木をベースとした100平方メートルの空間を一棟貸しする。八ヶ岳の森が目の前に広がり、6名まで宿泊できるため、家族や仲間と健やかに過ごすことが可能だ。小淵沢に移住して16年になる夫婦がオーナーで、周辺環境に精通しているため、体験してみたいことを随時相談できるパーソナルなもてなしも魅力。朝食は土鍋ごはんと野菜をふんだんに使った和朝食。
アグリツーリズモ ユタカ山梨県北社市小淵沢町9465-2
070-8532-2629
全1室(棟)
1泊2食2名¥82,500~
https://agriturismo-yutaka.com
4.工芸ノ宿 和楽──竹細工や陶芸など静岡のクラフトを自作できる
「工芸ノ宿 和楽」は静岡の工芸に触れられる宿として2023年夏に開業。立地は丸子(まりこ)という里山で、都内からは新幹線とタクシーを乗り継ぎ1時間20分ほどで到着する。築100年以上の古民家をリノベーションした空間に、駿河竹千筋細工のライトや地元作家の陶芸が揃う。併設する工房では6種以上の工芸を体験することが可能だ。
伝統工芸からTAMIYAの模型製作までを気軽に体験工芸を体験するのは、宿から徒歩1分の「駿府の工房 匠宿」。そこでは駿河竹千筋細工、染めもの、木工(箸づくり等)、漆芸、陶芸、模型製作の体験を提供する。駿河竹千筋細工は良質な竹が多く採れる静岡中部で発展した工芸で、繊細な丸ひごによる曲線の優美さが特徴だ。模型製作では地元企業「TAMIYA」のミニ四駆を作ることもできて、童心にかえる心地に。
サウナでととのい、駿河湾の魚を堪能できる古民家客室は全8室で、サウナが付く5室はすべて60平方メートル以上とゆとりある快適な空間。夕食は国内外の名だたるシェフが取引する「サスエ前田魚店」の前田尚毅氏が仕立てる魚を料理する「シンプルズ」へ。1度のコースで駿河湾の魚が15種以上も使用され、誰もが知る鯵や鯛が未知の美味しさを放ち、耳慣れない魚の風味に好奇心が刺激される。当日午前中まで生きていた魚の旨味に、味覚からも静岡を満喫できるだろう。
工芸ノ宿 和楽静岡県静岡市駿河区丸子3375-1
050-5530-4338
全8室
1泊2食¥39,400~(1室2名利用時1名分)
craftinn-waraku.jp
5.BYAKU Narai──木と共に生きる木曽と奈良井宿の豊かさを伝える
「BYAKU Narai」が位置するのは、400年以上の歴史をもつ長野の宿場町、奈良井宿。元の建物は創業1793年の酒蔵「旧杉の森酒造」と曲物職人の住居であり、2021年に2棟からなる宿に生まれ変わった。2023年にはさらに2棟4部屋を加えた全16の客室となり、泊まりながら、木曽の職人技術やかつて住んでいた人々の暮らしを体感できる。「杉の森酒造」の名を継承した「suginomori brewery」も隣接している。
木曽の職人を訪れる訪日客向けツアー訪日客向けの5時間のローカルツアーが好評だという。まずは長泉寺で奈良井宿の歴史について習い、木曽平沢で漆器職人の工房を訪れ、その後は地元の小中学校を見学したり、漆の木の植樹活動を見学したりする。日本人向けには、酒蔵見学や寺での朝のおつとめ、気に入った器の職人の工房を個別に案内。宿では日本酒の飲み比べ体験もできる。また、「BYAKU Narai」は奈良井宿の重要伝統的建造物群保存地区に立つため、目の前の通りを人がいない時間帯に歩くのも趣深い。
元酒蔵が趣溢れる宿として蘇った築約200年以上の建物をリノベーションした客室は、庭とお座敷をもつ日本家屋から元家財蔵までさまざま。部屋によって飾り欄間や階段箪笥が設らえられ、当時の精巧な手仕事が滞在を彩る。ディナーは「嵓(くら)」へ。厨房チームが近隣の農家の収穫に参加し、収穫直後の信州野菜でコースを組みたてる。長野の郷土料理である“鯉こく”を食べやすい仕立てで提供するのもローカルな文化体験だ。
BYAKU Narai長野県塩尻市奈良井551
0264-34-3001
全16室
1泊2食¥50,000~(1室2名利用時1名分)
https://byaku.site
文・大石智子
編集・遠藤加奈(GQ)
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