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こどものためにメーカーがガチで作った自動車! ダットサン「ベビィ」は遊具のレベルを超えていた

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こどものためにメーカーがガチで作った自動車! ダットサン「ベビィ」は遊具のレベルを超えていた

 この記事をまとめると

■ダットサンがこどもの国のために製作したのが「ベビイ」だった

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■ダットサン・ベビイは初代Zのデザイナーがコニー・グッピーを変貌させた

■199ccエンジンは7.5馬力・12.7Nmで最高速度は30km/hに制限されていた

 こどもの国で走らせるためだけに作られたベビイ

 可愛らしい2ドア車。しかも、クルマのまわりには、遊園地のゴーカートのような大型のバンパーガードが装着されている。このクルマ、名前をダットサン「ベビイ」という。

 ダットサンといえば、日産自動車との関わりが深いことをご存じの方も少なくないだろう。そんなダットサンが1960年代に、こんな可愛いクルマを量産していたのだ。ただし、量産とはいっても公道での走行を前提としないという、変わった発想のクルマである。

 ベビイが走っていた場所は、神奈川県横浜市の「こどもの国」。こどもの国は、現在の上皇上皇后両殿下がご成婚の際、全国から国に対して多額のお祝い金が寄せられ、その資金を基にこどもの未来のために役立つ施設として考案された。

 当時、クルマは日本を牽引する産業として期待が高く、こどもたちのクルマに対する興味がとても高かった時代だ。そこで、こどもの国では、こどもが実際に乗用車を運転し、またクルマの技術や法律などについて学ぶ施設を建設することになった。これを「こども自動車」と呼び、当時としては高額な1億7000万円を投じて、車両100台、交通訓練センター、そして全長1.6kmのこども自動車専用コースを造ってしまったのだ。こども自動車を運転する条件は、小学生5年生以上で、交通訓練センターでの座学とコースで仮免許試験に合格する必要があった。

 日本では極めて稀な、こうしたこども自動車に、当時のこどもたちが強い関心を持ったのは当然のことだ。結局、クルマのメインテナンスを継続することが難しいことなどから、1965年の開園から8年間でこども自動車の運用は終了してしまう。

 じつは筆者も、こども自動車の免許を持つひとりである。その縁から、こどもの国・50周年記念史・編集協力委員として、同記念史のなかでこども自動車について執筆している。

 では最後に、ベビイのスペックを紹介する。

 原型は、日産が1962年に技術提携した愛知機械工業が市販していたコニー「グッピー」だ。エンジンは、空冷単気筒・排気量199ccのAE82型。トランスミッションはトルクコンバーター式の2速AT。

 この「グッピー」をベースに、日産ベビイへと変貌させたのは、当時の日産「造形課(現在のデザイン担当部署)」の新人カーデザイナーで、後に初代「フェアレディZ」のデザインにも関わった松尾良彦氏である。

 完成したベビイは、全長2960mmx全幅1420mmx全高1245mm (バンパーガードを含む寸法)、ホイールベースは1670mm。

 エンジン最大出力は7.5馬力/5000rpm、最大トルクは12.7Nm/3200rpm。グッピーとしての最高速度は80km/hだが、ベビイでは30km/hで燃料のカットオフが入る仕組みで走行中の安全性を確保していた。

 日産社員らの自主活動である日産名車再生クラブが2014年、ベビイのレストアを行っている。

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みんなのコメント

4件
  • pee********
    プライド。
    日本人としてのプライド。
    こんなもんで良いなんて価値観は プライドのない奴のセリフ。
    そんな時代で生まれベビイと命名されたんだ。
    日本の未来を本気で豊かにしたい。
    夢を持てない大人になるなと 真剣に全力でベビイを産んだ先達はやはり凄い。
  • dev********
    初代フェアレディZデザイナーの松尾吉彦さんですね。
    遊具にすら手を抜かない素晴らしいデザイナーでした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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