現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則75】アルファ147 1.6ツインスパークには本来の「素」の良さが輝いていた

ここから本文です

【ヒットの法則75】アルファ147 1.6ツインスパークには本来の「素」の良さが輝いていた

掲載 更新
【ヒットの法則75】アルファ147 1.6ツインスパークには本来の「素」の良さが輝いていた

2004年にイタリアでフェイスリフトされ、2005年3月に日本に導入されたアルファ147。デザインを大きく一新したことでも市場を驚かせたが、ここではその147のベーシックモデル「1.6ツインスパーク」を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年9月号より)

アルファ147の日本仕様全グレード中、ベストバランスと言える
単にカオとオシリが変わっただけ(あと内装の一部)、という見方もできる。2.0ツインスパークのような、コンフォートサスペンションという注目すべき要素もない。例のツリ目フェイスとメッキガーニッシュの入ったリアデザインになっただけ。ホイールだって従来の1.6と変わらないのだから。全長が若干伸びただけでスペックも同じ。装備だって基本、前のと一緒だ。

【スクープ】新型ヤリスの「GR-4」がGRMNの正体? 3気筒ターボを搭載して2020年内に発売か

が、しかし。だからと言って語ることがないのかというと、そうでもない。そこは、さすがアルファロメオと言いたい。

「1.6ツインスパーク」は、1.6Lのツインスパークエンジンを積む、日本市場においては最廉価グレードという位置づけ。VDCやMSR、ブレーキアシストといった電子デバイスを積まず、ノーマルのアシに15インチタイヤ、5速マニュアルミッションという組み合わせには、ラテン車好きを引き込んでやまない「スタンダードの匂い」が立ちこめている。

インテリアだって飾り気のないアルファテックス。今回からレザーシートのオプション設定すらなくなっている。素の良さを知るにはますます、これしかないというわけだ。

フェイスリフトで加わった2.0ツインスパークのコンフォートサスペンションモデルは確かに良かった。街乗りと高速走行時のマナーが格段に「フツウ」になり、しかもロールをめいっぱい楽しむ系のハンドリングは、それなりに楽しいと思えるものだった。

つまり、走って楽しめるという147の良き資質はコンフォートサスペンションとなっても、しっかり残っていた。そして、だからといって、これまでのものがダメだったかというと、そうではないということを、1.6Lモデルが改めて教えてくれたのだ。スタンダードな仕様の1.6に乗ると、これはこれで良かったな、という気にさせてくれるから、ラテンスモールのは面白い。

タイヤサイズが15インチ、それも60扁平ということもあって、荒れた路面でないかぎり、街中の硬さも随分抑えられているし、多少入力を強めに感じてもそれほど不快には思わないレベルなのだ。

ギアチェンジをこまめに行った方が楽しいから、そちらに神経がとられがちで、多少の乗り心地の悪さがあってもシコリを残さない。それをカジュアルな楽しさと捉えて評価させてしまうところも、ラテンスモールの得な点だ。

1.6Lツインスパークエンジンのパワーは、このサイズならば十分である。アクセルペダルが思う存分に踏めて、なおかつ電子制御の手助けがいらないから、クルマに乗るということ、アルファロメオを駆ることのプリミティヴな面白さを体験できる。

そして、ここが最も重要な点だが、性能と価格を考慮して、アルファロメオとして楽しめたかどうか、という観点からすると、147の日本仕様全グレード中、ベストバランスだと言っておきたい。これは従来から変わらない判断で、上級グレードがコンフォートになった今となってはなおさらに、147の素の価値が変わらずこの1.6ツインスパークには宿っていると思う。(文:西川 淳/Motor Magazine 2005年9月号より)



アルファロメオ アルファ147 1.6ツインスパーク(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4225×1730×1450mm
●ホイールベース:2545mm
●車両重量:1240kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1596cc
●最高出力:120ps/6200rpm
●最大トルク:146Nm/4200rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FF
●車両価格:257万2500円(2005年当時)

[ アルバム : アルファ147 1.6ツインスパーク はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

「DG-011 パーシャルフィットメッシュグローブ」がデイトナから発売!
「DG-011 パーシャルフィットメッシュグローブ」がデイトナから発売!
バイクブロス
レース終了から1ヵ月半……インディカー開幕戦ウイナーのニューガーデンが失格! プッシュ・トゥ・パスの違反発覚、オワードが繰り上げ優勝に
レース終了から1ヵ月半……インディカー開幕戦ウイナーのニューガーデンが失格! プッシュ・トゥ・パスの違反発覚、オワードが繰り上げ優勝に
motorsport.com 日本版
斬新デザインの上級7人乗りSUV ヒョンデ新型「サンタフェ」 約895万円から欧州発売へ
斬新デザインの上級7人乗りSUV ヒョンデ新型「サンタフェ」 約895万円から欧州発売へ
AUTOCAR JAPAN
GW渋滞、名神・新名神・中国道のピークは? 最大35kmの渋滞を見込む【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、名神・新名神・中国道のピークは? 最大35kmの渋滞を見込む【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
トヨタ“新”「アクア」発表! めちゃ上質ブラウン内装×斬新2トーン採用! 「小さな高級車」な新「Raffine」 内外装の特徴は
トヨタ“新”「アクア」発表! めちゃ上質ブラウン内装×斬新2トーン採用! 「小さな高級車」な新「Raffine」 内外装の特徴は
くるまのニュース
盗難の温床になることもある危険な場所! ヤードって何?
盗難の温床になることもある危険な場所! ヤードって何?
バイクのニュース
限定生産、MT設定なし? 軽量カーボンの高性能クーペ、BMW新型「M2 CS」2025年導入へ
限定生産、MT設定なし? 軽量カーボンの高性能クーペ、BMW新型「M2 CS」2025年導入へ
AUTOCAR JAPAN
ダイハツ「ハイゼット パネルバン」を「旅する小さなログハウス」に! 地産地消のおしゃれ軽キャンパーに込めた想いとは
ダイハツ「ハイゼット パネルバン」を「旅する小さなログハウス」に! 地産地消のおしゃれ軽キャンパーに込めた想いとは
Auto Messe Web
【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
カー・アンド・ドライバー
GW渋滞、九州道のピークは5月3日に最大30km! 東九州道と長崎道も混雑か【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、九州道のピークは5月3日に最大30km! 東九州道と長崎道も混雑か【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
くるまのニュース
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのニュース
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レスポンス
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
レスポンス
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
月刊自家用車WEB
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
motorsport.com 日本版
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
くるまのニュース
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村