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進化を続けるシートベルト ボルボの次世代安全装備 衝突時の状況に応じて自動調整

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進化を続けるシートベルト ボルボの次世代安全装備 衝突時の状況に応じて自動調整

乗員の体型に合わせて拘束力を設定

業界が先進運転支援システム(ADAS)や完全自動運転車の開発に力を入れている昨今、基本的な安全性能の向上策は出尽くしたように見えるかもしれない。

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しかし、実際にはそうではない。ボルボは来年、最新のシートベルトを新型EX60に導入する。同社が3点式シートベルトを発明し、その特許をすべての自動車メーカーに無償公開したのは今から66年前のことだ。

最新のシートベルトは世界初の「マルチアダプティブ式」であり、従来品よりも優れた保護性能を発揮するとされている。車内外のセンサーから得られるリアルタイムデータを基に、走行状況や乗員の体格に適応するというものだ。

乗員の身長、体重、体型、座席位置などを考慮し、ベルトの張力を最適化する。大柄な人は高い張力でしっかりと拘束し、小柄な人には張力を緩めて肋骨骨折のリスクを減らす。

衝突時に作用する衝撃力を適切に制御するため、ロードリミッター(荷重制限)の設定を通常の3段階から11段階に増やした。

交通事故は1つとして同じものはない。衝撃が加わる方向、速度、衝突時の乗員の姿勢など、それぞれ固有の特性がある。

ボルボのシステムは衝突を検知すると、これらの特性をミリ秒単位で分析し、最適な設定でシートベルトを作動させる。

本システムの設計は50年以上にわたる研究と、実際の事故に巻き込まれた8万人以上の乗員データに基づいている。今後もデータが増えるにつれ、無線アップデートによって継続的に改良していく予定だという。

このシートベルトはボルボの包括的な「セーフティ・エコシステム」の一環であり、エアバッグや乗員検知システム、運転支援システムなどとシームレスに連携する。ボルボ・カーズ・セーフティセンターの衝突実験施設でテストと改良を重ね、自動車安全に関する規制要件を上回る性能を実現しているとされる。

世界初の3点式シートベルトは、ボルボの安全技術者ニルス・ボーリン氏によって開発された。同氏は以前、サーブの航空機部門でパイロット用安全装置の開発に携わっていた。

ボルボ車では当初、2点式の斜め掛けシートベルトがオプションとして用意されていたが、同社はこれでは不十分と考えていた。今となっては、確かに不十分だったと言えるだろう。

航空機用として開発されたシートベルトの特許は1952年から米国で出願されていたが、腹部に位置するバックルは衝突時に内臓を損傷する恐れがあった。ボーリン氏の設計ではバックルを側面に移動させ、衝突時にベルトで身体全体を固定するようにした。

あとはご存知の通り、歴史が物語っている。そして、おそらく自動車史上最高の安全装備の1つであるシートベルトは、今もなお進化を続けているのだ。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN

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みんなのコメント

1件
  • zoo********
    最終的にはベルトからエアバッグが出て衝撃吸収や内臓保護するようになるのかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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