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盗難事件があった「個人間カーシェア」はどういう仕組み? 依然残るリスクや問題点とは

■カーシェア黎明期に急成長するさまざまなサービスの違いは

 大阪で「個人間カーシェア盗難が発生」。このニュースが流れて、多くの人が事の詳細を理解できないと思います。

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 カーシェア(カーシェアリング)といえば、駅前や商店街の駐車場にある、タイムズやオリックスのカーシェア用のクルマを思い浮かべます。近年、カーシェアは日本でもだいぶ定着してきましたが、今回盗難があった「個人間カーシェア」とは、そもそもどういうサービスなのでしょうか。

 公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団が2019年6月に発表したデータによると、2019年の日本国内カーシェアの会員総数は約163万人で車両台数は約3万5000台です。10年前の2009年は約6000人/約500台、5年前の2014年には約47万人/1万2000台と、近年になり急速に拡大しています。

 では、個人間カーシェアとは、普通のカーシェアと何がどう違うのでしょうか。

 まず最初に、カーシェアは大きくふたつに分類されます。ひとつは、自分で運転するシェアリング。貸し手は、企業や自治体などの公共機関、または個人です。

 もうひとつは、自分では運転せず、お客として移動する空間をシェアリングするもの。貸し手と借り手という関係は生まれません。一般的に、ライドシェアリングと呼ばれます。

 近年、アメリカ発の「Uber(ウーバー)」や「Lyft(リフト)」、また中国発の「DiDi(ディディ)」などのベンチャー企業が急成長している様子を、テレビの経済ニュースなどで見る機会があると思います。

 このような個人所有車をライドシェアリングすることは、日本では旅客に関わる法律で「白タク」にあたる禁止行為であり、福祉や交通空白地域などの一部例外を除いて、事業として認められていません。

 こうしたさまざまなカーシェア・ライドシェアがあるなかで、今回盗難が問題となった個人間カーシェアは、個人の貸し手から個人がクルマを借りて、自分で運転するタイプのカーシェアです。貸し手と借り手の中間で、ウェブサービスとして事業者がマッチングをおこなうものです。

■個人間カーシェアが「営業行為」にあたらない理由とは

 個人間カーシェアをもう少し深堀りしてみましょう。貸し手と借り手が共同使用契約を結ぶことが、個人間カーシェアの基本です。つまり1台のクルマを複数の人が時間を区切って共同で使用することであり、営業行為ではない、ということです。

 ですが、個人間カーシェアをおこなっている大手企業の事例を見ると、ディー・エヌ・エーの「Anyca(エニカ)」や、ガリバーを運営するIDOMの「GO2GO(ゴーツーゴー)」などでは、ネット上で貸し手が利用金額を提示し、借り手である利用者がその金額を支払ってクルマを借りています。

 これは法的に、利用者が共同利用する際の経費を負担している、という解釈になります。AnycaやGO2GOは、マッチングネットワークを提供している、という建て付けです。

 ただし、こうした分野を所管する国土交通省では、個人間カーシェアについて総括的な法整備を現時点ではおこなっておらず、許認可制度はありません。そのため、マッチングネットワークを提供する各事業者は個別に、国土交通省を交渉することで事業の形式を作っているのが実情です。

 こんな話を聞くと、なんとも分かりにくく、理屈っぽい、と感じる人が多いはずです。そこまでして、どうして個人間カーシェアが必要なのか、と思う人も多いのではないでしょうか。

 筆者(桃田健史)は日本を含め世界各地で、カーシェアやライドシェアについて定常的に取材をしています。AnycaやGO2GOについても、立ち上げ期からそれぞれの事業責任者と何度も意見交換をしています。

 Anycaはすでに4年間の実績があり、クルマの登録台数は約8000台、会員数は約25万人です。

 そうしたなかで、個人間カーシェアというクルマの新しいビジネスモデルが生まれることは、社会のなかでさまざまな可能性が広がると感じます。

 趣味の分野での楽しみが増えて、人生がより楽しくなる。また、公共交通が不便な地域での問題解決の一助になる可能性もあります。

 一方で、事故のリスクは当然あります。実際、Anycaでも軽度な車両の損傷などが、事例は少ないにしても一定数発生しています。

 そうしたリスクについて、Anycaの場合、損害保険大手のSOMPOホールディングスとディー・エヌ・エーが2019年2月に設立した新会社のもとで、貸し手と借り手の安心・安全を十分に考慮した個人間カーシェアの運用を始めています。
 
 個人間カーシェアは事業形態としては、まだまだ『赤ちゃん』です。そのため、今回発生した盗難事件など、社会の中で起こり得るさまざまなリスクに対して、さらなる予防策が必要だと感じます。

 ただし、あまりにも法的にがんじがらめにするのではなく、適時適所で対応することが個人間カーシェアの潜在的な可能性を維持することにつながると思います。

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