プライドマンスを彩る3つのパーティー──この6月に東京で開催される特別なイベント3選

6月はプライドマンス。多様性を祝福し、誰もが自分らしく生きる権利を肯定する特別な1カ月を彩る、東京で開催される3つの注目のイベントを紹介！

6月の東京を彩る、3つのプライドな時間

毎年6月は「プライドマンス」と呼ばれる。これは、LGBTQ+の権利向上や多様性の尊重を訴える月間として、世界各地でパレードやイベントが開催される期間のことだ。

東京でも毎年この時期になると、街の至る所でレインボーフラッグが掲げられ、さまざまなイベントが開催される。今年もその例外ではない。台湾出身のフォトグラファー／アーティスト、マンボウ・キーを中心としたアートイベントから、ラグジュアリーホテルが仕掛ける洗練されたパーティーまで、3つの異なるアプローチでプライドマンスを祝福する催しが用意されている。

アートが踊り出す、渋谷の夜

まず注目すべきは、6月6日（金）に渋谷PARCOで開催されるマンボウ・キーの個展「HOME PLEASURE」を記念したスペシャルパーティーだ。現在、同ビルのPARCO MUSEUM TOKYOで開催中の個展のアフターイベント的な意味合いを持つこのイベントは、アート、音楽、トーク、パフォーマンスが交差する一夜限りの特別な祝祭となる。

マンボウ・キーは、ジェンダーやセクシュアリティの境界を自由に行き来しながら、独自の視点で現代社会を捉える写真作品で知られている。彼の作品には、既成概念に捉われることなく、自分らしさを追求する人々の姿が生々しく、そして美しく映し出されている。今回のパーティーでは、彼自身によるフォトシューティングが行われるほか、VOGUEショーケースや今注目のDJ、DSKEによるプレイなど、多層的なコンテンツが用意されている。

特にDSKEは、東京のManiac Loveでキャリアをスタートし、ベルリンの伝説的クラブBerghainやPanoramabarでプレイした経験を持つ注目のDJだ。欧州各都市からアジア諸国まで幅広く活動し、渋谷Contactで「MOTORPOOL」のレジデントDJとオーガナイズを務めるなど、東京のクラブシーンを牽引してきた存在として知られている。

会場となる渋谷PARCO 10階の「PBOX」では、BEAMSやloneliness books、アートスペース「WALL_alternative」による特設ブースも設けられ、本イベントの世界観と共鳴する展示やセレクトドリンクが楽しめる。大型LEDスクリーンと最新サウンドシステムを備えたこの没入型空間で、アート、ファッション、音楽の境界が溶け合い、まさに"今"を感じられる刺激的な夜になるだろう。

２つのエディションが贈る、昼と夜の祝祭

一方、高級ホテルの東京エディション銀座と東京エディション虎ノ門では、それぞれ異なるテイストのプライドイベントが開催される。

6月12日（木）に東京エディション銀座で開催される「Queens' Brunch」は、その名の通り、東京のアイコニックなドラァグクイーンたちを招いたブランチイベントだ。キリーシャクレーによるライブパフォーマンスとエリーローズによるDJプレイが予定されており、CLOUDOMもDJとして参加する。銀座の洗練された空間で、グラスシャンパンを片手にクイーンたちのパフォーマンスに酔いしれる──これ以上贅沢な午後の過ごし方があるだろうか。

ブイヤベース、ビビー・ジェローデル、ミア・スキャンダル、セレスティア・グロウンといったドラァグクイーンたちも登場し、クイーンズグリーティングや抽選会なども行われる。関東近郊をはじめ日本各地の小規模農家から仕入れる無農薬野菜やオーガニック食材を使った50種類を超えるサイドディッシュと、3種類から選べるメインディッシュが用意されている。

6月18日（水）に東京エディション虎ノ門で開催される「UNIQUE」では、中国のインディペンデントファッションハウスとのコラボレーションが実現する。WINDOWSENは、ジェンダーの境界を越え、クラシックと近未来、既成と前衛との対立を探求するブランドとして知られている。31階のLobby BarではRHYMEが、1階のGold Bar at EDITIONではPELIとUNA & MATCHAがDJを務め、GQでもおなじみのポールダンスワールドチャンピオンの小源寺亮太による妖艶かつ力強いパフォーマンスも予定されている。きっと、そこには言葉では表現しきれないほどゴージャスで、エモーショナルな瞬間が待っているはずだ。

これら3つのイベントは、それぞれ異なるアプローチでプライドマンスを祝福している。マンボウ・キーのパーティーは渋谷の熱狂的なエネルギーとアートの融合を軸とし、エディション銀座は昼間から楽しめるドラァグクイーンカルチャーの華麗なる饗宴を演出し、エディション虎ノ門は東京の夜空を舞台にした極上のファッション・エンターテイメントを約束している。

しかし、共通するのは、多様性を肯定し、個性を讃える姿勢だ。プライドマンスの真髄は、ただ虹色の旗を振ることではない。それは、自分らしさを纏うことの美しさと強さを確認し合う、年に一度の特別な季節だ。ファッションが言葉を超えて語り、音楽が心を解放し、アートが新しい扉を開く──そんな瞬間がここにある。東京の6月は、いつもよりも少しだけカラフルで、自由で、ずっとエキサイティングになる。これらのイベントに足を運べば、きっと何か新しい自分に出会えるはずだ。

（イベント詳細）

A Special Party Celebrating MANBO KEY's Solo Exhibition「HOME PLEASURE」日程: 2025年6月6日（金）18:00～23:00
会場: 渋谷PARCO 10F「PBOX」
住所: 東京都渋谷区宇田川町15-1
入場: 無料（ワンドリンク制）
展示: 同ビル4F「PARCO MUSEUM TOKYO」にて6月9日（月）まで開催中

Queens' Brunch日程: 2025年6月12日（木）12:00～15:00
会場: 東京エディション銀座 14階 Sophie at EDITION
住所: 東京都中央区銀座2-8-13
料金: ウェルカムカクテル付き ¥8,800 / グラスシャンパン付き ¥10,000
予約: TEL 03-6228-7400

UNIQUE日程: 2025年6月18日（水）20:00～26:00
会場: 東京エディション虎ノ門 31階 Lobby Bar / 1階 Gold Bar at EDITION
住所: 東京都港区虎ノ門4-1-1
予約: TEL 03-5422-1630

文＆編集：高田景太（GQ）