いろいろなバスに乗れる楽しさ
4月13日に開幕した大阪・関西万博は、10月13日まで6ヵ月間の開催なので、まもなく折り返し地点になる。
【画像】バスを通して最新技術を知る『大阪・関西万博』 全2枚
僕が5月下旬に行ったことは、ブログ(【第9回】森口将之の『もびり亭』にようこそ:森口流・万博の行き方、歩き方)で書いたとおりだが、そのとき感じたことのひとつが、いろいろなバスに乗れる楽しさだった。そこで今回はその点に絞って紹介していこう。
万博関連のバスは、会場へのアクセスと会場内移動の、2種類に大きく分けられる。まずアクセスから説明していくと、多くがスマートフォンアプリ『KANSAI MaaS』による事前予約制で、予約なしで乗れるのはJR西日本ゆめ咲線の終点桜島駅からのシャトルバスのみだ。そして会場側の発着はすべて西ゲートになる。
事前予約なしで万博にアクセスする手法としては、ブログで書いたように大阪メトロ中央線もあるが、中央線の終点舞洲駅の近くにあるのは東ゲートだ。地下鉄は東、バスは西と覚えておくと良いだろう。
ゆめ咲線は万博のほか、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへのアクセスルートでもある。桜島駅は通常の出入口のほかに、万博専用出口を開設。そこを降りると目の前にバスターミナルが見える。すべて電気バスで、BYDやEVモーターズ・ジャパン(EVMJ)のほか、昨年発売したばかりのいすゞエルガEVも活躍していた。
僕は夜間券を使って万博に2日連続で通い、初日の帰りに桜島駅行きシャトルバスを使ったが、そのときの車両がエルガEVで、これが初乗車だった。何度か乗ったことがある同サイズのBYDと比べると、乗り心地やシートの座り心地がしっとりしていて、日本の老舗メーカーらしい作りを体感できた。
一部で自動運転も実現
一方、予約制のバスは、大阪駅や新大阪駅、なんば駅などの主要ターミナルのほか、大阪国際空港(伊丹)や関西国際空港発着の便もあり、さらに北は仙台から西は広島まで、全国各地と万博会場を結ぶ高速バスが運行されている。
このうち新大阪駅や大阪駅南口などから発車するバスは、一部で自動運転を実現。また大阪駅北口を発着する便には、ENEOS・西日本ジェイアールバス、日野自動車が共同運行する合成燃料を使ったバスが導入されている。
僕は2日目の往路に新大阪駅発の自動運転バスを予約したが、前日に通常のバスに切り替わってしまったのでキャンセル。地下鉄で会場入りしたが、大阪駅北口に立ち寄って、合成燃料バスを見にいった。
音は通常のディーゼルエンジンバスとさほど変わらず、臭いも気にならなかった。合成燃料はコストが高いのがネックだが、石油を輸入に頼っている国だけに、国内で量産できるようになれば好ましいエネルギーになりそうだと思った。
同じ2日目の帰りに予約したのも、この大阪駅北口行きのバス。通常のバスだったが、驚いたのは途中で開通前の阪神高速道路のトンネルを専用道として使っていたことだ。
ほとんどトンネルなので景色は楽しめないが、大阪市中心部の渋滞をクリアしていけるし、誰もいない道を進んでいくのは気持ちいい。新大阪駅発着のバスもこの阪神高速を使っているそうで、ここで自動運転を行っているようだ。
このほか、マイカーで行く人たちのための駐車場、船でアクセスする人たちの港と西ゲートを連絡するバスもあるが、駐車場も船も事前予約制なので注意していただきたい。
まだ少数派の電気バスがたくさん
では、会場内のバスはどうかというと、万博のシンボルである大屋根リングを巡るように、西ゲートや東ゲートなどを結ぶ外周バスが用意されている。
車両はEVMJ製で、非接触給電が導入されていることがポイントになる。コイルを内蔵した路面上に車体がいれば、走行中でも充電されるとのことだ。充電方法が違うだけなので、乗った印象は通常の電気バスと変わらない。充電時間が節約できるので、こちらも合成燃料と同じように、実用化が望まれる技術と言える。
ちょっと変わった使い道としては、ヒョンデ・エレクシティタウンが、スタッフの移動用のほか休憩スペースとしてバスを活躍している。『グリーンパークバス』という名のとおり、内部は木目と芝生を基調にした仕立てになっていて、しっかり休息用に作り替えているところに好感が持てる。
以前の連載でも書いたように、会場内はベンチが多いし、大屋根リングは日よけや雨よけにも使えるけれど、無料で涼める場所があるのはありがたいし、柔軟な発想に感心した。ヒョンデでは5月からこのサービスを導入していて、6月からはいすゞの車両も加わっているそうだ。
全国的にはまだ少数派である電気バスがたくさん走っていて、休憩スペースという新しい使い方の提案もある。合成燃料や自動運転、非接触給電といった新しいテクノロジーもある。おまけに1カ所ですべてを見ることができるので効率的だ。
万博が最新技術を一気に体験できる場であることを、バスを通して教えられた。
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