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【本当にお得!? やっぱり損??】 新車の150万円安も!? 「新古車」の功罪

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【本当にお得!? やっぱり損??】 新車の150万円安も!? 「新古車」の功罪

 新車購入時に同時に検討したいのが俗に“新古車”と呼ばれる、登録済みの未使用車。欲しい車種や仕様のモデルが見つかれば、新品同様のクルマが驚くほど安い価格で買えるケースがある。そんな新古車の購入ポイントを紹介!

※本稿は2018年1月のものです

水に浸かった車に注意!! JAFが注意喚起発令


文:萩原文博(元中古車専門誌編集者の自動車ライター)/写真:ベストカー編集部


初出:『ベストカー』2018年2月26日号

■新古車は大幅値引き級の安さが魅力!

■そもそも「新古車」ってなに?

 一般社団法人自動車公正取引協議会(以下自公協)の規約によると、クルマは新車と中古車の2種類しか存在しないことになっている。その理由は実にシンプルで、1度も登録、軽自動車の場合は届出されていないクルマのことを新車、たとえ使用されていなくても1度でも登録、届出されたクルマは中古車に区分されるとなっているからだ。

 しかし中古車検索サイトなどでは、“登録ずみ未使用車(新古車)”と呼ばれるクルマが多く流通している。これは走行距離が数kmと非常に少ない年式の新しいクルマのことで、この登録ずみ未使用車も厳密に言えば中古車なのだ。

 登録ずみ未使用車は在庫車やディーラーの試乗車などが中心だが、最近ではこれに加えて、“未登録新車”と呼ばれる販社の長期在庫車などまで流通するようになっている。

 そこで、高年式、走行距離が少なく、高コンディションの好条件の揃った登録ずみ未使用車は本当にお得なのか。メリット、デメリットなど紹介したい。

■新古車はどこで買える?

 まず、登録ずみ未使用車はどこで販売されているのかだが、メーカー系中古車販売店や未使用車を専門に扱っている販売店は多く存在していて、そういった販売店で購入することができる。

 新車購入の場合は値引きという駆け引きがあるが、登録ずみ未使用車は中古車に区分されるため、自公協の規約により値引きはない。しかし、新車と比べると、車両本体価格は安くなっているし、重量税や自動車税が免除されるので、諸費用も安くなりその結果、支払総額が安いという特徴がある。新車の見積もりと比べると、その破壊力がわかる。

■新古車の魅力は?

 そして登録ずみ未使用車の魅力はまず何と言っても納車の早さ。新車の場合、オーダーしてから納車まで早いと1カ月以内。人気車の場合3カ月程度かかることがある。しかし、この未使用車は目の前にクルマがあるので、簡単な整備と登録をすれば、すぐに納車可能だ。

 そして価格の安さも見逃せない。車両本体価格だけでなく、諸費用も安く抑えることができ、お得感がかなり高い。そして装備が充実していること。この未使用車のなかにはナビゲーションなどユーザーに人気の装備が装着されているケースが多い。

 ここまでは登録ずみ未使用車のメリットを紹介してきたので、デメリットも紹介しておきたい。登録ずみ未使用車のデメリットとして挙げられるのは、選択肢の幅が限定されること。グレードやボディカラーなど自分の狙っているモデルが必ずあるとはかぎらないのだ。

 そして車検期間が短くなること。1度登録もしくは届出されているクルマなので、購入した日から車検期間が3年ということではないことは覚えておきたい。ただし、新車保証が継承されるため、ディーラーで整備やメンテナンスを受けることができるのでそういった心配はないのは嬉しいところだ。

■買い時はあるのか?

 登録ずみ未使用車の軽自動車は比較的、1年中流通しているが、登録車などは流通している時期がかぎられる。それは登録ずみ未使用車が発生しやすい条件があるからだ。

 その条件として挙げられるのが、フルモデルチェンジやマイナーチェンジといった世代交代。そして販売店が在庫車を整理したい決算期。これら3つの条件で1つでも引っかかると登録ずみ未使用車が市場に出回る可能性が高くなる。もし、狙っているなら、新車のニュースと9月、3月の決算期前に注意が必要だ。

 この未使用車の発生は自動車メーカーによって偏りがある。マツダやスバルなどはほとんど流通していないし、登録車に比べると軽自動車は非常に多くなっているのが特徴だ。登録ずみ未使用車の購入は自分がほしい車種、グレード、ボディカラーが一致すれば、お得な購入法となるのは間違いない。

 そして購入を検討する際には新車見積もりと比較して、どちらが安いか確認しよう!

■国産新古車の最新事情

■軽自動車をはじめ、人気のSUV、ミニバンなど大量にあり!

 ここからは国産車の登録ずみ未使用車事情について触れていきたいと思う。中古車の検索サイトで、年式と平成29~30年式、走行距離は500km以下という条件で検索した結果、上位14台はすべて軽自動車が占める結果となった。

 この状況について登録ずみ未使用車を多く扱っている販売店に聞いてみると……。

「スズキは会長のお行儀よくしたいという言葉が出てから、登録ずみ未使用車は減りましたね。といってもまだ多いですけど。

最近のトレンドとして、これまでは登録ずみ未使用車が中心でしたが、最近は未登録車も特定の販売店(中古車店など)で流通するようになっています。登録ずみ未使用車は自分のお店にクルマを並べるのですが、未登録車は販社の在庫車なので、購入者がいたら販社に連絡してクルマを運んでもらうというケースが増えています。

登録ずみ未使用車の場合は販売店がキャッシュをもっていないと揃えることができませんでしたが、未登録車はキャッシュを用意する必要がないので、販売店にもメリットが大きいのです。なお、この未登録車は在庫車なので、メーカーオプションは付けられません」と、新しい売り方まで紹介してくれた。

 また「軽自動車はマイナーチェンジや一部改良で安全装備がドンドン進化しています。安いからといってマイナーチェンジ前のクルマを購入してしまうと、安全装備が古くて購入後後悔することになるので、注意が必要ですね」とも。

 登録車は人気車のグレード、ボディカラーと好条件のクルマが多い。いっぽうの軽自動車は量販グレードが中心とクルマのタイプによって狙い目グレードは異なる。

■輸入新古車の最新事情

■台数は少ないが、人気のディーゼル車もあり、新車の100万円安も当たり前!

 国産車に続き、輸入車の登録ずみ未使用車を見てみる。台数は国産車に比べると少ないが、メーカーの偏りは国産車よりハッキリと出ている。

 この理由を販売店に聞いてみると、「輸入車の場合、本社に対して期初に1年分のクルマの発注をすることが普通です。これまでの販売実績を加味して、車種やグレード、ボディカラーを見込みで発注します。この見込みがずれてしまうと在庫車となり、最終的には登録ずみ未使用車として市場に出回ります。

したがって、輸入車の登録ずみ未使用車は車種、グレード、ボディカラーが同じ仕様ということが多いです。流通台数の多いBMWの登録ずみ未使用車のボディカラーはほとんどが白か黒。白は人気が高いいっぽうで、大量にこの未使用車も発生しやすいボディカラーといえます」

 全体的にBMW、ボルボ、メルセデスベンツ、プジョーではディーゼル車が多くなっている。これについて聞くと「輸入車のディーゼル車の人気は現在も高いですが、2シリーズのアクティブツアラーやグランツアラー、3シリーズセダン/ツーリングは登録ずみ未使用車の価格が安く非常に狙い目です。

そしてボルボV40/V40クロスカントリー。これらのモデルは登場から時間が経過しているため、新車として売るには厳しくなり登録ずみ未使用車として流通させるのでしょう。しかし昨年フルモデルチェンジしたばかりのミニクロスオーバーも73台と非常に多くの登録ずみ未使用車が出回っています。

これは展示車や試乗車を登録ずみ未使用車として流通させたタイミングだと思われ、こちらはボディカラーも多彩で、装備も充実したクルマが多いので、かなりお得感があるのではないでしょうか」

 中古車検索サイトのバナーなどで、ヤナセが登録ずみ未使用車を扱っていることをよく目にするようになったが、メルセデスベンツの流通台数は意外にも少なめだった。

 そのことについて尋ねてみると「現在はちょうど在庫が少ないタイミングといえますね。中古車が最も売れるのは3月ですから、これから登録ずみ未使用車が出回ります。やはり、フルモデルチェンジやマイナーチェンジした車種は大量に出回りますから狙っている人は要チェックです」

 登録ずみ未使用車で自分の条件にピッタリのクルマを探し出すには出回るタイミングを見逃さないというのが最も大切なことなのだ。

【番外コラム・気になるギモン】 ワンオーナー車ではなくなる新古車のリセールはどれだけ落ちるのか?

 中古車オークションなどでは現在でもワンオーナー車コーナーがあるほど、人気が高いワンオーナー車。登録ずみ未使用車はワンオーナーではなくなるが、この場合リセール時に影響があるのかを未使用車販売店に聞いてみた。

「手放す側としては若干査定が下がる可能性は高いですね。それはオークションではワンオーナー車は現在でも人気が高いからです。それよりも、保証でメンテナンスを受ける際に対応が異なることがあるので、そちらのほうが注意してもらいたいです」とのこと。

 ディーラーとしてはやはり新車で販売したクルマとは区別することがある。

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