レーサーとしての2ストエンデュランサーにバランサーが組み込まれるという話を聞き、あまりにストリートリーガルに迎合しているのではないか…そう思ったあなたは、大きな勘違いをしている。このRR2Tに仕込まれた新規のバランサーは、現エンデューロ界きってのベータのエース、スティーブ・ホルコムが昨シーズン先行投入していたというのだから。
Beta
RR2T 250/300 2020年モデル
これがベータの考えるレーシングバランサーだ
基本的に、今回のフィレンツェ試乗はマルチタレントなライダーである和泉拓が全モデルをインプレしているが、どうしても僕稲垣も興味があったこのバランサー入りRR2Tを、軽く乗らせていただいた。どこからでもトルクを引き出せる扱いやすさ、かき消された振動…。バランサーの入った2ストロークは、ある意味理想的なエンジンだ。振動がなくなっただけで、恐怖感をぬぐえるのだから興味深い。
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ベータの開発陣いわく、250/300にバランサーを投入したわけは、トラクションの「させやすさ」を向上するためだと言う。「コーナーの出口や、スリッピーな路面で加速する時、振動がないほうがスムーズに開けていけることがわかった。ただ、振動をかき消してコンフォートにしたかったわけではないから、ある程度の振動を残している。これはレーシングバランサーだからな」と。言われてみれば、他社のバランサーと比べてみると振動はあるほうに思える。ロードバイクなどは、むしろトラクションを向上するために、振動を意識的に作るエンジン設計をしているほどだ。
ちなみに、2Tを長く乗ってきた和泉によれば「そもそも、これまでのモデルにもバランサーが入るスペースが用意されていましたよ」とのこと。Betaは、そこまで時間をかけてじっくり投入時期を決めていると言うことだろうか。
「ベータは、18モデルで250/300が大きく変わりました。それまで扱いやすさ命って雰囲気だったのが、相当走るモデルになったんです。走るというか、暴力的な加速をしますね。開け始めはそこまでガツガツこなくて、トルクフルな特性を活かせるマイルドさがあるのですが、中速域からかなり太くなります。立ちが強いパワー特性です。クロストレーナーが出たことで、扱いやすさはクロストレーナーに振った形だと考えています。コンペモデルとしては正しい方向性だと感じます。相変わらず、粘りはするのですが、吹けてしまうのでグリップさせるには腕も必要です。
この20モデルでは、ボトム付近は相変わらずものすごくマイルドですね。バランサーの効果は大きいと感じました。若干ダルになってるようなムードもあり、回転落ちもゆるやかですね。イナーシャが増えている効果だと感じました」と和泉。
裏側トラクションが秀逸だ
加えて、この20モデルでは「裏側トラクション」がいいのだと和泉は言う。
「これは、成田匠さんの言葉なんですが、たとえばステアを上がるときのことを考えてみてください。開けっ放しでステアをのぼることってあまりないですよね、丸太越えなんかも、スロットルを戻しながら登るのが普通です。その戻した時の、コロコロって転がる部分で粘りがないエンジンは、ストールしてしまう。ここのことを、裏側トラクションって呼んでいるのですが、ベータはこれまでここが強かった。しかし、18-19モデルではここが薄くなっていたんですが、20モデルになって戻ってきた。クランクの問題ではないと思うのですが。特に、300は秀逸です」と和泉。
エンデューロは、欧州型のオンタイムエンデューロか、あるいは世界的にブレイクしているハードエンデューロか、岐路にある。ベータの場合、ハードエンデューロには目もくれず、エンデューロGPでタイトルを欲しいがままにしているが、日本では特にハードエンデューロにおいてとても人気がある。それは、この裏側トラクションであったり、ボトム付近での扱いやすさに起因する。
和泉によれば、特に300の開けたときのパワーの凶暴性が、上がっていると言うが、特に低中速での扱いやすさや、トルク感、そしてバランサーが加わったことによるトラクションの良さは、よりハードエンデューロ方面にその人気を延ばしそうだ。ベータ開発陣が意図している、いないに関わらず。
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