アストンマーティンAMR25は、ストレートスピードとフロントエンドの面が弱点とされている。ライバルをオーバーテイクしていくのが難しいことが課題となっていたため、フェルナンド・アロンソは“工夫”を凝らす必要があった。
アロンソがアストンマーティンに移籍して最初のシーズンとなった2023年に、彼はシーズン序盤の8戦で6回の表彰台を獲得し、ランキング3番手を走っていた。
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ただ、今年は第9戦スペインGPでシーズン初ポイントを獲得。それまでの14ポイントはチームメイトのランス・ストロールが全て獲得していた。
昨年、アストンマーティンの技術部門では既にいくつかの首が飛んだが、AMR25のパフォーマンスが上がらず。レースペースに根本的な問題を抱えているようだ。
ストロールが予選で1発のタイムをまとめ上げることができず、決勝レースで順位を上げる傾向があり、AMR25が予選ペースよりもレースペースが問題という事実を覆い隠している。実際、今季唯一ストロールが予選でトップ10以内に入ったイモラでは、決勝15位フィニッシュとなった。
一方でアロンソは予選Q3に3度進出したが、前述の通りスペインGPが今季初入賞。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)へのペナルティがなければ1ポイントだったはずだ。
このヨーロッパ3連戦の初戦イモラと3戦目のバルセロナで顕著だったのは、コース上の型破りな箇所でオーバーテイクを試みるという傾向だ。
「トップスピードが足りてなくて、ストレートではかなりロスしていた」とアロンソはスペインGPの際に語った。
「DRSを使ったオーバーテイクは1度もなかった。ターン3のアウト側でオーバーテイクしたんだけど、そこは普通のオーバーテイクポイントじゃない。しかし僕らは、そうした動きを工夫する必要があった」
「イモラでも、最後の数周で3回、ターン7出口でオーバーテイクを仕掛けた。この状況を解決して、みんながやっているようにDRSを使ってストレートでオーバーテイクを始める必要がある」
「ストレートスピードとデグラデーション(タイヤの性能劣化)はもう少し改善する必要がある。言っていたように、土曜日はかなり競争力があり、日曜日は一歩後退しているように見える」
「今回は初めてのポイントだったし、最後のセーフティカーも良かった。でも、もし木曜日に戻って週末をやり直すとしたら、土曜日よりも日曜日を意識したマシンに変更する必要がある」
またトラックサイド・チーフオフィサーであるマイク・クラックは、マシンバランスが悪く、アンダーステアが強すぎたと言及していた。
バルセロナのようなサーキットではリヤがどっしりと安定したマシンが適しており、多少のアンダーステアはリヤタイヤの保護に役立つため、チームがそうした傾向にセットアップを振るというのは一般的だ。
ただmotorsport.comが、アンダーステアが強すぎたことが原因なのかと尋ねると、アロンソは明確に「ノー」と答えた。
アストンマーティンが昨年抱えていた課題のひとつは、シーズン中のアップデートがほとんど期待通りのパフォーマンスを示さなかったこと。AMR25は前任の設計体制で生まれたモノだが、イモラで投入された新しいフロアとボディワークが、新体制や新しい風洞で最初のパッケージとなった。
1周あたり0.5秒の改善を示すようなアップデートではないものの、チームCEO兼チーム代表のアンディ・コーウェルは、ツールやプロセスに関するストレステスト的なモノだと話していた。
レースが進むにつれて明らかになりつつあるのは、AMR25はフロントエンドのグリップが弱く、アンダーステア傾向だということ。しかもリヤタイヤの温度管理も上手く言っておらず、同時に空力効率も比較的悪い。直線スピードの遅さとタイヤマネジメントの厳しさは、決勝レースでは致命的だ。
AMR25は現状、直線スピードは遅いが、スライドが増えてタイヤマネジメントを犠牲にするわけにいかないので、ダウンフォースを削ることができない……空力効率の悪さによって八方塞がりという状況だ。
「予選と決勝の違いは非常にシンプルだ」
スペインGP後、クラックはそう語った。
「予選では、次々に新しいタイヤを投入する。マシンが抱える多くの問題を隠すことができる」
「これは我々のマシンだけでなく、全てのマシンに言えることだ。予選でのギャップが小さいのもそのためだ。マシンが抱える弱点はすべて、新しいタイヤ、新しいコンパウンドによってカバーされるからね」
「タイヤが2周、3周、4周と古くなると、弱点はますます顕在化する。だから上位のマシンはひたすら突き進む。だから隊列が広がっていくんだ」
注目すべきは、アストンマーティンがフリー走行中にレース用タイヤセットを“皮むき”していることだ。タイヤに一度熱を加え、再び冷やすことでゴムの粘弾性特性を変化させる。これによってタイヤのグリップやライフが直線的に向上するというのは単純過ぎる話だが、グレイニング(ささくれ摩耗)やヒートデグラデーションの影響を受けにくくなるという考え方もある。グリップのピークは低くなるが、ピークの持続時間を長くすることが目的だ。
アストンマーティンのチーフタイヤパフォーマンスエンジニアを務める松崎淳は、チームがフォースインディアと呼ばれた時代から在籍し、セルジオ・ペレスが“タイヤの囁き”を聞けるまでに育て上げた。
松崎エンジニアはそれ以前、ブリヂストンに務めていた。2013年にピレリのリヤタイヤが本来の回転方向とは逆に装着した方が長いスティントを走れることを初めて突き止めた人物でもある。
つまり、アストンマーティンのパフォーマンス不足の原因が、コースサイドのオペレーションでタイヤの性能を引き出せていないというのは考えにくい。メカニカルデザインや空力デザインの問題なのだ。アロンソは「何が起きているかはわかっているつもりだ……」と、チームが問題を把握していると信じているようだ。
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