完全なる自動運転機能を備え、手動運転も可能なBEV(フルバッテリー電気自動車)として登場。パーソナルアシスタント、AI(人工知能)、画期的なエンジニアリングも導入される。(Motor Magazine 2019年9月号より)
創立100周年の前日にワールドプレミア
1919年、ベントレーはウォルター・オーウェン・ベントレーによって、ロンドンのクリックルウッドに設立された。ウォルター・オーウェンは、少年期から機械に強い関心を抱き、当時は交通の主役でもあった蒸気機関車への憧れからイギリスのグレートノーザン鉄道に入社。しかしながら自動車の普及が進む中で、徐々に自分自身の名を掲げた自動車、それも高性能で高級な自動車の生産を夢見るようになったのだ。
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それから1世紀の時が過ぎ、ベントレーは今年の7月10日に創立100周年を迎えた。この間に彼らのファクトリーを後にしたモデルは実に多彩だが、とりわけフォルクスワーゲングループに再編されて以降のベントレー車は、非常に身近な存在となった。そして創立100周年の前日、同社は自身の新たな新世紀を示唆するかのような実験車「EXP 100GT」をクルー本社近くの特設会場でワールドプレミアした。
まずスピーチを行った同社CEOのエイドリアン・ホールマーク氏は「まもなくここで発表されるEXP 100GTは、ベントレーが100周年という節目で再構築するラグジュアリーとモビリティ、そしてベントレー自身の存在を具現化したものだ」と語った。
4モーター式のBEVで最大トルク1500Nm
実際にステージへ現れたのは、全長で5.8m、全幅も2.4mと非常に大柄なボディサイズを持つモデルだった。左右のドアは上下方向に開き、そのドアだけでもほぼ2mのサイズがある。
デザインはきわめて斬新で、アルミとカーボンが使い分けられたボディには、もみ殻をリサイクルした原料をベースとした塗料が用いられる、インテリアも同様に100%オーガニックで、5000年前の銅が染み込んでいるというリバーウッド(=倒木)や、ワインの醸造プロセスで生まれるレザーに近い手触りの生地などが採用されている。
EXP 100GTのパワートレーンは、もちろんフルエレクトリックだ。4モーター方式で最大トルクは1500Nm。車重は1900kgで300km/hの最高速、2.5秒以下の0→100km/h加速を可能と発表された。最大航続距離は700km。わずか15分で、80%の充電ができるという。(文:山崎元裕)
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