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レクサス新型「LS」登場! 後世に語り継がれるべきトヨタの歴代高級セダン5選

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レクサス新型「LS」登場! 後世に語り継がれるべきトヨタの歴代高級セダン5選

■トヨタが誇る歴代高級セダンを振り返る

 トヨタの高級車ブランドのレクサスから、2020年11月19日にフラッグシップセダンの「LS」改良モデルが発売されました。LSはフラッグシップにふさわしく、内外装には贅が尽くされ、トヨタの持てる技術が惜しみなく投入されています。

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 庶民にはマイカーが夢だった頃の1955年に発売された初代「トヨペット・クラウン」は、誕生した時点で高級車に位置付けられ、以来、トヨタは数多くの高級車を世界中で販売してきました。

 そこで、新型LSとともにトヨタの歴代高級セダンを、5車種ピックアップして紹介します。

●レクサス「LS」

 日本でレクサスブランドが展開されたのは2005年からで、2006年にはフラッグシップモデルに君臨していたのがLSです。

 現行モデルのLSは日本で2代目にあたり、2017年に発売。フロントフェイスは重厚な印象のスピンドルグリルが採用され、高級パーソナルセダンにふさわしく、ルーフ前端からリアエンドに至るやわらかなカーブによって、エレガントなフォルムを実現しているのが特徴です。

 改良されたLSは、レクサス独自の上質な走りを目指し、静粛性と乗り心地の深化を追求。パワートレインやサスペンション、シートの縫い位置など細部にまで徹底的な作り込みをおこなっています。

 ボディサイズは全長5235mm×全幅1900mm×全高1450mm(2WD)と堂々とした体躯で、かつてはロングホイールベース車もラインナップしていましたが、現在は設定されていません。

 パワートレインは最高出力422馬力を誇る3.5リッターV型6気筒ツインターボと10速ATの組み合わせに、システム最高出力359馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒エンジン+モーターのハイブリッドを設定。どちらも2WDと4WDが選べます。

 今回、ツインターボエンジンの内部に手が入れられ、実用域のトルクの立ち上がりや、静粛性の向上が図られています。

 外観ではヘッドライトやバンパーなどの意匠が変更されるとともに、新外装色の「銀影(ぎんえい)ラスター」を設定。奥行きを感じる深い陰影を特徴とするシルバーで、レクサスが長年開発に力を注いできたボディカラーだといいます。

 内装もスイッチ類の意匠変更や、マルチメディアシステムがApple CarPlayやAndroid Autoに対応するなど、アップデートされました。

 また、先進安全技術の「Lexus Safety System +A」も進化し、交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能となっており、2021年には高速道路でのハンズオフ走行も実現します。

 新型LSの価格(消費税込)は、ツインターボエンジンのLS500が1073万円から1580万円、ハイブリッドのLS500hが1219万円から1728万円です。

●トヨタ「セルシオ」

 1980年代の終わりに、日本は好景気に湧いていました。後にバブル景気と呼ばれたこの時代は、国民の中流意識が高まって高額なクルマを求めるようになると、日産は1988年に初代「シーマ」を発売し、高級車ながらヒットを記録します。

 それにトヨタも追従するかたちで、1989年に初代「セルシオ」を発売。

 セルシオは、日本を代表する高級セダンとして親しまれてきた「クラウン」と「センチュリー」の間を埋めるポジションで、同時にアメリカで立ち上がったレクサスブランドから初代LSとしても販売されました。

 ボディサイズは全長4995mm×全幅1820mm×全高1400mmと、クラウンよりもひとまわり大きく、外観も高級車らしい押し出し感を強調したフロントフェイスです。

 搭載されたエンジンは最高出力260馬力を発揮する4リッターV型8気筒DOHCで、静粛性と高級感のあるドライバビリティを実現するため自然吸気を採用。

 足まわりにはダンパーの減衰力が路面状況に応じて瞬時に切り替わる、電子制御サスペンション「ピエゾTEMS」装着グレードも用意され、しなやかな乗り心地と高いスタビリティを兼ね備えていました。

 内装も本木目パネル、本革シートが設定されるなどゴージャスな雰囲気で、いまとなっては珍しくはないですが、国産車初の自発光式メーターを採用しています。

 セルシオの高い静粛性と品質、乗り心地の良さは日本のみならず世界中で高く評価され、他の高級車メーカーのクルマづくりに大きな影響を与えたといわれています。

●トヨタ「クラウンエイト」

 前述のとおり1955年に誕生した初代トヨペット・クラウンは、発売当初から高級車として庶民の憧れの存在になりました。

 そして、1962年には2代目にモデルチェンジ。ボディサイズが全長4610mm×全幅1695mm×全高1460mmと、小型乗用車枠の上限近くまで大型化されて、高級車らしい重厚さを強調。

 この2代目クラウンをベースに、国産乗用車初の2.6リッターV型8気筒OHVエンジンを搭載した「クラウンエイト」が、1964年に発売されました。

 クラウンエイトは運転手が乗車するショーファードリブンカーとして開発されたモデルで、主に法人の役員専用車やハイヤー向けに販売。

 ボディサイズは全長4720mm×全幅1845mm×全高1460mmと、2代目クラウンに対してホイールベースを50mm、前後トレッドを160mm、全長を120mm、全幅を150mm拡大することで、それまでの国産車にはない堂々とした外観と広い室内空間を実現しています。

 また、V型8気筒エンジンはエンジンブロックなどがアルミ製とされるなど先進的で、スムーズな回転と高い静粛性を実現。

 ほかにもトヨグライド2速AT、パワーステアリング、クルーズコントロール、パワーウインドウ、電磁ロックドア、ライトコントロール、電動式三角窓など、贅を尽くした装備によって高級車にふさわしい仕上がりとなっていました。

 クラウンエイトの価格は東京店頭渡しで165万円。クラウンのトップグレード「カスタム」のAT車が114万円でしたから、いかに高額だったが伺えます。

 その後、1967年に初代「センチュリー」が登場するまで販売され、総生産台数は3834台でした。

■スポーティな高級セダンの登場と、国産乗用車で唯一無二のエンジンを搭載したモデル

●トヨタ「アリスト」

 バブル景気の頃に、初代セルシオや空前のヒット作となった8代目クラウンで成功を収めたトヨタは、次の一手として、それまでと異なるコンセプトの高級セダンの「アリスト」を1991年に発売。

 巨匠ジウジアーロが主宰するイタルデザインの手による外観のデザインは、ロー&ワイドを強調したフォルムで、重厚なイメージのセルシオとは明確に方向性を変え、スポーティさを前面に押し出しています。

 搭載されたエンジンは全グレードとも3リッター直列6気筒で、自然吸気モデルでは最高出力230馬力、ツインターボモデルでは最高出力280馬力を誇り、このエンジンは後に「A80型 スープラ」にも搭載されたことで、アリストは「スープラセダン」と呼ばれたほどです。

 1992年にはセルシオに搭載されていた4リッターV型8気筒エンジンとフルタイム4WDが組み合わされた「4.0Z i-Four」も加わりますが、やはりツインターボモデルが人気で、ハードなチューニングのベース車としてもてはやされました。

 足まわりには4輪ダブルウイッシュボーンを採用し、軽量・高剛性のボディと相まって優れた操縦性や直進安定性、快適な乗り心地を実現。

 そしてなによりも、アリストの大きな魅力は暴力的と評された加速性能で、多くの人を魅了しました。

●トヨタ「センチュリー」

 トヨタの最高峰に位置するセダンといえば「センチュリー」で、2018年に21年ぶりとなる現行モデルがデビューしたことが大いに話題となりました。

 センチュリーはショーファードリブンカーですから、静粛性や乗り心地のよさ、そして余裕あるパワーが欠かせません。そのため、1967年に登場した初代にはV型8気筒エンジンが搭載されました。

 初代センチュリーは30年もの長きにわたって販売され、多くのVIPに愛されてきましたが、さすがに基本設計の古さは否めず、1997年に2代目が登場。

 そして、2代目には日本の市販乗用車としては史上初で唯一の、V型12気筒エンジンが搭載されました。

 センチュリー専用に開発された5リッターV型12気筒DOHCエンジンは、最高出力280馬力と控えめなパワーでしたが、片側6気筒ずつを別々に制御することが可能なように設計されおり、片方の6気筒に不具合が生じても、もう片方の6気筒が機能して走行し続けられるようにされ、まさに要人のためのクルマに相応しいエンジンです。

 外観は初代を踏襲していますが各部のブラッシュアップが図られ、より近代的な印象となり、内装では派手さは押さえつつも豪華さを演出する意匠で、後席のVIPをもてなす工夫が随所に施されています。

 国内唯一の乗用車用V型12気筒エンジンは、現行モデルが登場して際に5リッターV型8気筒エンジン+モーターに移行したことで消滅してしまいました。

 しかし、天皇陛下がお乗りになる御料車の「センチュリーロイヤル」にはこのV型12気筒エンジンが搭載されており、まだまだ活躍し続けることになるでしょう。

※ ※ ※

 今回、紹介した高級セダンのなかで、一番印象深いのが初代セルシオではないでしょうか。

 高級車の概念を変えたともいわれ、60km/h以下で走っているとエンジンの存在を忘れるほどの静粛性であったり、アイドリング中のエンジンの上にコインを立てることが可能だったという逸話も残っています。

 意外だったのが価格で、1989年当時、初代セルシオは455万円から620万円(東京店頭価格、消費税含まず)と、現在の水準から考えるとかなり安価です。

 もちろん、装備や貨幣価値の違いもあって現在のモデルと一概には比べられませんが、同年代のカローラの上級グレードに対して3倍ほどの価格で買えたのは、かなりのバーゲンプライスに思えます。

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