WTCR世界ツーリングカー・カップにアウディスポーツ・チーム・レオパード・レーシングとして参戦し、2台のアウディRS3 LMSを走らせるWレーシングチーム(チームWRT)が、12月13~15日にマレーシア・セパンで開催される2019年シーズン最終戦をもってシリーズを離れると発表した。チームは同時にTCRヨーロッパ・シリーズでの活動も休止する。
ベルギーを本拠地とするチームWRTは、TCRインターナショナル時代からグリッドの一角を占め、WTCRへと変貌を遂げたシリーズにもアウディの実質的ワークスチームと呼べるトップカスタマーチームとして参戦してきた。
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2018年には、TCRインターナショナル最後の王者でもあるジャン-カール・ベルネイがドライバーズラインキング5位に入ったものの、そのベルネイは2019年最終戦を前に未勝利でランク10位に留まり、昨年は勝利も挙げているチームメイトのゴードン・シェドンに至っては、同24位と苦しい状況が続いてきた。
チームは2019年いっぱいでのWTCR参戦終了に加え、並行参戦してきたTCRヨーロッパ・シリーズでの活動も休止し、アウディRS3 LMS、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRで戦った同プログラムにも終止符を打つことを決定している。
チームがWTCRを含むTCRシリーズでの活動を終える理由はフォルクスワーゲン・アウディ・グループがモータースポーツ・プログラムの電動化に重点を置くことを選択したことが影響しているようだ。
フォルクスワーゲンはモータースポーツ活動の完全電動化を推進するとして、現在展開しているTCR車両の製造を2019年内で終了。後継モデルの開発も行わないとしている。正式なアナウンスはなされていないが、姉妹ブランドとも呼べるアウディも展開中のRS3 LMS後継モデル開発を凍結したとみられており、これがチームWRTの決断に影響した可能性が高そうだ。
なお、チームは公式サイト上でWTCR/TCRでの活動終了についてコメントを掲載しており、そのなかで「2020年には、新たな挑戦やプログラムが我々を待っている。詳細は近日中に発表する」とTCRシリーズに代わる活動を示唆している。
チーム代表のヴィンセント・フォッセ「セパンでのレースは、我々にとってTCR最高峰でのラストレースになる」とのコメントを寄せた。
「WTCRを戦った2年間、TCRインターナショナルを戦った2年間は我々チームにとって大きなチャプターだった。素晴らしい思い出を作ることができたし、将来的にシリーズへ戻るチャンスがあればうれしく思う」
「2020年に向けて、我々は実行中のGT3プログラム、DTMドイツ・ツーリングカー選手権への参戦に加えて、新たな挑戦をするつもりだ。これについては近日中にお知らせする」
チームWRTは、2019年のスーパーGT GT300クラスを戦ったAudi Team Hitotsuyamaと技術提携のパートナーシップを結んでいるほか、11月23~26日に行われたスーパーGT×DTM特別交流戦ではHitotsuyamaとのコラボレーションでアウディRS5 DTMを走らせていた。
フォッセ代表が示唆した「新たな挑戦」がどんなものになるのか、チームからの発表が待たれる。
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