1600kmレースを完走したウーズレー3.5hp
僅か1年の差とはいえ、1800年代に作られたクルマの運転は感慨深い。ウーズレー3.5hp ヴォワチュレットは、1899年式。英国ではビクトリア女王が即位した年で、日本は日露戦争前の明治時代だった。
【画像】126年前の生き証人 3.5hp ヴォワチュレット 同年代のクルマたち 後のウーズレーも 全111枚
その時すでに、一部の英国人は馬が引かないクルマに乗り、下り坂なら40km/hで移動できた。翌年の1900年には、1000マイル(約1601km)を走る1000マイル・トライアルが開かれ、3.5hp ヴォワチュレットは完走している。
マニアの間では、このウーズレーはナンバーにちなんで「OWL」と呼ばれ親しまれてきた。1900年のレースへ出場したクルマは2台が現存し、これはその1台に当たる。
現在は「ロンドン・ブライトン・ベテランカー・ラン」へ名前を変え、コースも違うが、2025年は記念すべき125周年。OWLはロンドンの中心、ハイドパークから先頭を切って出発する予定にある。このクルマにとって、40回目の南岸への冒険だという。
新たな移動手段を理解させるためのイベント
OWLは重要な生き証人で、クルマを市民へ普及させた、貢献「車」の1台でもある。当時の英国では、クルマに対して懐疑的な考えが浸透し、技術的な進化を阻んでいた。
ロイヤル・オートモービル・クラブ(RAC)の現会長、ダンカン・ウィルシャー氏は「1000マイル・トライヤルの重要性は、巨大なものでした。クルマの実用性と喜びを、広く認知させたのです」。と発言している。
19世紀の終わりに、遠くへ移動する自由を多くの人へ与える新たな手段を理解させるには、思い切った取り組みが必要だった。郊外に住む殆どの人は、クルマを目にしたことすらなかった。1895年の英国には、約30台しか存在していなかったのだ。
1900年には750台前後へ増えたものの、馬車の方が遥かに多かった。そこで自動車業界を巻き込んで提案されたイベントが、国内を巡るレースだった。
11日間に及んだハードなスケジュール
自動車黎明期でありながら、内容はなかなかハード。スケジュールは11日間に及び、タイム制限があり、ヒルクライムコースが4つも含まれ、過去にない規模といえた。
ルートはロンドンを出発し、南西部のバースやブリストルに寄り、北上してバーミンガムやマンチェスターを経由し、エディンバラに到達。そこから南下し、ニューカッスル、シェフィールド、ノーザンプトンを巡り、ロンドンへ戻るもの。
参加カテゴリーは、自動車メーカーとプライベーターの2つ。車両価格に応じて、それぞれクラス分けもされた。
毎年のようにクルマの性能は向上し、1日に160km、馬車の3倍の距離を走ることも現実的になっていた。そして好奇心旺盛な英国人は、クルマを見たいと思っていた。有力なPRイベントになることは、明らかだった。
完成度が高かったウーズレー最初の四輪車
グレートブリテン島中部、バーミンガムで羊の剪毛機械を製造していたウーズレーは、元々はオーストラリアに本社があった。創業者はフレデリック・ウーズレー氏。工場長を任されていたのは、後にオースチンを立ち上げる、ハーバート・オースチン氏だ。
グレートブリテン島へ移転したのは、1889年。羊毛の閑散期を活用すべく、オースチンが目をつけたのが自動車で、1899年までに三輪モデルを2台試作している。今回ご紹介する3.5hpヴォワチュレットは、最初の四輪車だったが、驚くほど完成度は高かった。
1900年1月6日のAUTOCARは、「3年以上に渡って、オースチン氏は多大な労力を費やしてきました。自動車の市場投入へ向けて、準備を進めています」。と報じている。
クルマを見るため集まった数1000人の市民
かくして、1900年4月23日、83台がハイドパークの南端、グロブナー・プレイスに集結。そこには、ベンツにネイピア、プジョー、トライアンフ、デイムラーなど、名だたる新興ブランドが名を連ねた。ウーズレーも。
AUTOCARの記事によると、ギアは3段。燃料タンクは15Lで、約160kmの航続距離を備えていた。1000マイル・トライアルで1日に走る距離に、好適なスペックといえた。
ドライバーは、工場長のオースチン。後にアームストロング・シドレーを立ち上げるジョン・シドレー氏は、デイムラーを駆った。名もなき自作車両も多かったようだ。
初日の行程は約190km。当時の報告書を読むと、数1000人という市民がクルマを見るために沿道へ集まったらしい。道路を開けておくため、警察が観衆を整理したという。
この続きは、ウーズレー3.5hp ヴォワチュレット(2)にて。
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