現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > サイズで括るも明確な規格じゃない! クルマの「セグメント」の中身と「カテゴリー」との違い

ここから本文です

サイズで括るも明確な規格じゃない! クルマの「セグメント」の中身と「カテゴリー」との違い

掲載 更新 3
サイズで括るも明確な規格じゃない! クルマの「セグメント」の中身と「カテゴリー」との違い

「セグメント」は業界用語ともいえる

 新車発表会や、報道陣向け試乗会に行くと「このクルマはBセグメントとしては……」、「北米C/Dセグメントのなかでは……」といった表現をよく耳にする。このセグメントという言葉、自動車業界の普段の会話では「Bセグ」といった感じで短縮系で話す人も多い。そのため、自動車専門誌ではメーカー側の資料やコメントをそのまま使い、誌面やウェブ記事でもセグメントと記載されることがある。

複数ジャンルを併せ持つマルチ性が凄い! どのカテゴリーにも属さない一匹狼なクルマ4選

 とはいえユーザーはもとより、実際に自動車販売を扱う新車ディーラーでも、日常的にセグメントという表現をすることはまずない。要するに、セグメントは自動車メーカーがクルマを商品企画、または製品企画する際、市場全体を俯瞰(ふかん)するうえで使う言葉だ。業界用語と言ってもよいかもしれない。

 では、セグメントとは何か? 似たような言葉であるカテゴリーとはどう違うのか?

 SUVブームによりセグメントという表現が適切でなくなってきた

 クルマのセグメントには、Aセグメント、Bセグメント、Cセグメント、Dセグメントと大きく4つある。ざっくりいえば、ボディサイズやエンジンサイズでAから順に大きくなる。基本的には、セグメントは乗用車に対して使う。

 日本では事実上、Aセグメントは存在しない。小型車、またはコンパクトカーと呼ばれるトヨタ・ヤリス(旧ヴィッツ)、ホンダ・フィット、マツダ2などがBセグメントとなる。このBセグメントを軸として、もう少し小さいクルマがAセグメントだ。そうなると、軽自動車がAセグメントに相当するはずだが、軽自動車にはボディ寸法やエンジン排気排気量などの規定があるため、一般的にはAセグメントとは呼ばれない。

 つまり、セグメントは法律に裏打ちされた明確な区分ではなく、”商品群”といったイメージである。インドでは、軽自動車より少し大きく、Bセグメントよりは小さい”商品群”があり、それがAセグメントにあたる。

 次にCセグメントだが、長きに渡り「Cセグメントのベンチマーク」と世界の自動車メーカーから称されていたのがフォルクスワーゲン・ゴルフだ。日系では、トヨタ・カローラやホンダ・シビックがCセグメントになる。だが90年代以降、アメリカを中心にCセグメントセダンの大型化が進むと同時に、Cセグメント用の車体をひとつ上でのDセグメントで共用する動きが進んだ。そのため、自動車メーカーではC/Dセグメントと呼ぶことが増えた。

 前述のようにセグメントは本来、乗用車に対する考え方だ。ところが、世界市場ではアメリカを筆頭にSUVが乗用の主流にシフトしており、セグメントという表現がマッチしなくなってきた。本来、商用であるピックアップトラックから派生したのがSUV。だが90年代中盤以降、C/Dセグメント乗用車と車体やエンジンを共有化するSUVが一気に増加。そうなるとC/DセグメントSUVということになるのだが、そうした言い方は使わない。

 その代わり、自動車メーカー各社は各セグメントに対応した共通車体を開発し、それを基盤にしてモデルラインアップを拡充している。”商品群”としてセグメントの在り方が大きく変わっており、もはやセグメントという言葉自体が時代にマッチしないのかもしれない。

 それよりもクロスオーバーSUV、プレミアムカー、ショーファーカーといった、商品の特徴を表現するカテゴリーという考え方がこれからの常識になるかもしれない。

こんな記事も読まれています

マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
くるくら
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
くるまのニュース
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
バイクのニュース
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
レスポンス
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
バイクブロス
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
WEB CARTOP
ヤマハ、復活へ向けて本腰。MotoGPスペインGP翌日のヘレス公式テストで”ニューマシン”をテストへ
ヤマハ、復活へ向けて本腰。MotoGPスペインGP翌日のヘレス公式テストで”ニューマシン”をテストへ
motorsport.com 日本版
駐車枠の予約に詳細な満空情報! 普段見慣れたSA・PAがもの凄い勢いでいま進化している
駐車枠の予約に詳細な満空情報! 普段見慣れたSA・PAがもの凄い勢いでいま進化している
WEB CARTOP
マツダ「和製スーパーカー」実車公開! 「ロータリー・ミッドシップ」降臨に衝撃! 斬新「RX500」幕張に登場で反響集まる
マツダ「和製スーパーカー」実車公開! 「ロータリー・ミッドシップ」降臨に衝撃! 斬新「RX500」幕張に登場で反響集まる
くるまのニュース
フェラーリF1、マイアミGPでSF-24のカラーリングを変更。2種類のブルーを取り入れたスペシャルバージョンを導入へ
フェラーリF1、マイアミGPでSF-24のカラーリングを変更。2種類のブルーを取り入れたスペシャルバージョンを導入へ
AUTOSPORT web
苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
motorsport.com 日本版
カワサキ、2024年限りでWSBKのファクトリー参戦終了。復活するビモータにエンジン供給
カワサキ、2024年限りでWSBKのファクトリー参戦終了。復活するビモータにエンジン供給
motorsport.com 日本版
「岡山環状道路」2024年度延伸へ! 2本の国道結ぶ「南西区間」開通で岡山港方面も便利に
「岡山環状道路」2024年度延伸へ! 2本の国道結ぶ「南西区間」開通で岡山港方面も便利に
乗りものニュース
セゾン自動車火災保険、10月から「SOMPOダイレクト損害保険」へ
セゾン自動車火災保険、10月から「SOMPOダイレクト損害保険」へ
日刊自動車新聞
トヨタが「新ランドスケープ」発売! 685万円のゴツ×アゲな「クロスオーバー」公開! みんなの声は?
トヨタが「新ランドスケープ」発売! 685万円のゴツ×アゲな「クロスオーバー」公開! みんなの声は?
くるまのニュース
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
VAGUE
Uターン苦手なバイク初心者も大歓迎! ライディングを基礎から学ぶ「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
Uターン苦手なバイク初心者も大歓迎! ライディングを基礎から学ぶ「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
バイクのニュース
125ccスポーツ「ホンダCB125R」がマイナーチェンジ、フルカラー液晶メーターを新採用し52万8000円で4月25日発売
125ccスポーツ「ホンダCB125R」がマイナーチェンジ、フルカラー液晶メーターを新採用し52万8000円で4月25日発売
モーサイ

みんなのコメント

3件
  • Bセグ車が私にとっては好適です。
  • 全く個人的意見ですけど、セグメントはプラットフォームという設計の世界では生きていて、カテゴリーは営業言葉かな。自動車雑誌なんか、カテゴリーで記事を作っていると思う。例えば、Chrとヴェゼルは、セグメントは違うけど、カテゴリーは同じと扱われて記事にされているとか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村