■EV新シリーズ「TOYOTA bZ」誕生
トヨタが2021年4月19日、中国で開催中の上海モーターショーで「TOYOTA bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」のコンセプト車両を初披露しました。
この「bZ4X」は電動車のフルラインアップ化の一環として加わった新EV(電気自動車)シリーズ「TOYOTA bZ」の第1弾です。
トヨタは電動車のラインナップについて、2025年までに70車種程度に拡充する計画を立てていますが、これまで同社はEVをどのような方針に基づいて開発してきたのでしょうか。
1993年、トヨタは「G21プロジェクト」を企画しました。これは21世紀に地球に必要とされるクルマの姿を提案するもので、その成果として1997年、「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーのもと、世界初の量産型HV(ハイブリッド車)「プリウス」が誕生しています。
同社はプリウス以降、「環境車は普及し、CO2(二酸化炭素)削減に貢献してこそ初めて環境車としての意義がある」、すなわちサステナブル(持続可能)な移動手段を実用的な形で提供するとの考えのもと、HV、PHV(プラグインハイブリッド車)、EV、FCV(燃料電池車)という電動車のフルラインアップ化を推進してきました。
そして2018年、トヨタは自動車会社から「モビリティカンパニー」へのモデルチェンジを宣言。
地球を、故郷としての惑星「ホームプラネット」という視点でとらえ、安心して暮らせる地球を次世代に受け継いでいく使命のもと、企業活動を推進していくことになります。
トヨタは、これまでの電動化の実績として、次の数字を掲げています。
・電動車販売累計:1700万台超(1997年から2021年2月末現在)
・CO2排出抑制効果:累計約1億4000万トン(1997年から2020年末現在)
・2020年電動車のグローバル販売実績:約195万台(トヨタ販売全体の23%、約4台に1台が電動車)
・2010年から2019年で、約22%のCO2を削減(グローバル新車平均)
・電動車ラインアップ:乗用車・商用車合わせHV45車種・PHV4車種・EV4車種・FCV2車種・計55車種(2020年末現在)
2015年の第21回気候変動枠組条約締約国会議で採択された国際的な協定、いわゆるパリ協定で、日本は、2030年までに2013年比で温室効果ガス排出量を26%削減するという削減目標が設定されました。
さらに2020年10月、菅義偉総理が所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする(カーボンニュートラル)と宣言しています。
自動車産業にとって、カーボンニュートラルの実現には、再生可能エネルギーや充電インフラなどのエネルギー政策と、購入補助金、サプライヤー支援、電池リサイクルシステムなどの産業政策の一体的な運用が必要不可欠で、各国政府や業界団体など様々なステークホルダーと連携した取り組みが必要です。
トヨタは「技術は人の幸せと健康に貢献するものでなければならない」としており、そのために、モノづくりで培った強みを活かし、技術革新でクルマの可能性をひろげつつ、SDGsの達成に貢献する姿勢を示しています。
■トヨタが示すEVの「2つの方向性」とは
CASEの「E」、すなわち電動化を通じたCO2の排出量削減は、このように世界的な課題となっていますが、そんななかトヨタは今回、TOYOTA bZシリーズを発表。
電動車のフルラインアップ化の一環として今後2025年までにbZシリーズは7車種、bZシリーズを含むEVは15車種、電動車全体では70車種を導入する計画です。
同社は、EV導入にはEVならではの特長を生かすべきだとしており、大きくふたつの方向性を掲げています。
ひとつめは少人数・近距離の利用に焦点を置いた、容量の小さな電池を搭載する超小型EVです。
「Mobility for All(すべての人に移動の自由を)」の実現に向けて推進するもので、日本で2020年12月に導入した「C+pod(シーポッド)」が該当します。
電池のリユース・リサイクルの事業化やユーザー向けのサービスなど、新しいビジネスモデルの構築も並行して進めます。
ふたつめは、中国・アメリカ・ヨーロッパなど、EVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域で、多くのユーザーに選ばれることを目指しているEVで、bZシリーズが該当します。
「bZ」はbeyond Zeroの略で、単なるゼロエミッションを超えた価値をユーザーに届けたいという想いを込めたといいます。
EV専用のプラットフォームをベースとし、使用環境を考慮した航続距離と、EVならではの開放的で自由度の高い室内空間、斬新な外観デザインという特徴を有します。
bZシリーズは多様なニーズに対応するため、トヨタをはじめスバル、ダイハツ、スズキ、中国のBYDと共同で開発を推進。
再生可能エネルギーを促進するエネルギー政策と連携しながら、より一層のCO2排出量削減につなげていきたい考えとしています。
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こう言ってた奴、今頃息をしているのだろうか?