GR Supra vs. BMW M2 vs. Porsche 718 Cayman GTS
GR スープラ 対 BMW M2 対 ポルシェ 718 ケイマン GTS
「ポルシェ911 GT3 カップ」試乗! 島下泰久氏がワンメイク最高峰の世界に迫る【動画レポート】
2台のベンチマークと対峙!
単独でカントリーロードをひた走った限りでも、リアルスポーツカーとしての高い実力を実感させてくれた「GRスープラ」。しかしながら、やはり気になるのは果たしてライバルたちと対等に渡り合えるクルマになっているのかということだ。
そこでパフォーマンス的に、あるいは価格的にも拮抗する実力派モデルを2台引き連れての比較試乗も実は今回敢行した。スープラに加えて、その開発の際にベンチマークとしたという「ポルシェ718ケイマンGTS」、そしてZ4が兄弟とすれば親戚ぐらいの関係とも言っていい「BMW M2」の計3台を引き連れて、引き続く南仏マルセイユ近郊の一般道で徹底的に乗り較べたのである。
期待を裏切らない出来の良さ「718ケイマンGTS」
最高出力を365psにまで高めた水平対向4気筒2.5リッターターボエンジンをキャビンのすぐ背後、それも水平対向のメリットを活かしてきわめて低い位置に搭載する718ケイマンは、やはりこのセグメントのベンチマークに相応しい、全方位に高い実力で唸らせた。とりわけ際立っているのが、やはりそのハンドリングパフォーマンスである。
前期型タイプ981よりは速められたとはいえ、そのステアリングギア比は決してクイックではないし、身のこなしも驚くほどシャープとは言えない。それなのにコーナーひとつクリアするだけで快感に打ち震えてしまうのは、こちらの意思通り、きわめて正確なレスポンスと、まさに自分を中心にクルマが向きを変えていくかのようなミッドシップらしい旋回感覚のおかげだ。
それは素性の良さが可能な限りストレートに活かされた走りと言い換えることができるだろう。コーナリングの後半、加速していく際のトラクションの掛かり方も、FRレイアウトの他の2台よりも有利な印象で、気持ち良くアクセルを踏み込んでいける。
その反面、限界に近い領域では、立ち上がりで大きめのアンダーステアに見舞われたり、速い動きでリアが出てしまったりといったシビアさも顔を覗かせる。しかしながら、それにしたって決してトリッキーな動きではないから、自信をもって攻めていけるのだ。
718ケイマン登場当初は、パワーはともかくそのフィーリングの面で、従来の6気筒自然吸気を恋しく思わせたフラット4ターボユニットは、ここに来てずいぶんと洗練を感じさせた。そのビート感に相応しいだけのパワーを得たこともあるが、実際に回転の粒は滑らかになり、気持ち良く回せるエンジンに仕上がっている。
718ケイマンGTSは、ポルシェに期待する通りの、すべてにバランスの良さが際立ったスポーツカーと言える。しかも、特にそのエンジンなどキャラクターの濃さは他の追随を許さない。何度も繰り返してしまうが、やはり紛れもなくこのクラスのベンチマークに相応しい1台である。
パワフルなM2! しかし路面追従性はスープラに及ばない
続いてM2に乗り換えて走り出すと、路面の荒れた一般道でとにかくクルマが暴れることに驚かされた。大径タイヤが路面に追従しきれずに接地感が乱れて挙動が安定しないのである。同じようにワイドなタイヤを履くFRで、トレッドはスープラとほぼ同等。それに対してホイールベースは200mm以上も長いのだが、乗っている時にはまさかそんなに差があるとは思えなかった。
今回の3台では唯一、電子制御式ダンパーが備わらないのも影響はかなり大きいに違いない。それでも、ここまでとは・・・と思えるほどの大きな差は、スープラがいかに路面追従性に優れているのかをまざまざと実感させる。単独で乗ってもそう感じはしたが、こうして比較すると、その差は想像を超えていた。
一方、文句なしに爽快なのがエンジンである。直列6気筒3.0リッターターボエンジンは、GRスープラRZより30psもパワフル。7000rpmのレッドゾーンを飛び越えて勢い良く回転を跳ね上げ、凄まじい快感をもたらしてくれる。
おかげで、ついつい右足に力が入るのだが、不用意に踏み込むとDSCをオフにしていなくてもリアがズバッと一気に滑って肝を冷やすことになる。ロデオを乗りこなすようで楽しくないわけではないけれど誰にでもどうぞとは言い難い。
M2の名誉のために付け加えておけば、サーキットなどの平滑な路面でのフットワークは、もう最高である。ドリフトコントロール性の高さは目を見張るほどで、まさに意のままに操れる。スープラとの差は、どちらを重視したかという話。次はぜひ、サーキットでも比較してみたい。
名作2台と比較しても評価できるスープラの完成度
2台を味わったあとスープラのコクピットに収まる。改めて実感したのは、間違いなく今回連れ立った2台と同じ土俵で勝負できる、評価できるスポーツカーに仕上がっているということだ。
何より際立っているのは、ターンインに於けるノーズの入りの鋭さ、荒れた路面でも容易にタイヤを路面から離さない高い接地性だ。今回の試乗の舞台、路面は相当に荒れてうねっていたのだが、スープラはそんな中でも、どのクルマより安心感をもって走ることができた。また、ボディの剛性感の高さがもたらす圧倒的な包まれ感も魅力と言える。
その反面、いざリアがスキッドした時の挙動変化は速くスリリングではあるのだが、そもそも限界自体が十分に高い。むしろ気になるのは速度域、前後荷重変化を問わない挙動の一貫性、安定感で、この点では718ケイマンはやはり盤石、懐深いなという印象である。
エンジンは低回転域からしっかりとトルクが出て、しかも非常にスムーズ。M2と較べるとトップエンドは6000rpm台後半で伸びが鈍るのが惜しいが、そこまではサウンド含めて気持ち良く回り切る。また、718ケイマンとM2のDCTに対して唯一トルコンATを使うギアボックスも、少なくとも一般道では不満を感じさせることはなかった。ワインディングロードではスポーツモードを使ったが、その際のダウンシフトの速さ、切れ味はM2を凌ぐと感じさせるほどだったのだ。
スープラのデビューによって嬉しい迷いをもたらす
実力はまさに伯仲。しかしながら個性や長所はどれもまったく異なっているというのが、この3台のスポーツモデルを同じ舞台で比較して得た結論である。その中でもポルシェ718ケイマンGTSは、絶対基準としての高い完成度が光る。
BMW M2は今回のテストルートではヤンチャなところが目立ったが、駆け抜ける歓びは間違いなく濃密。そしてスープラはと言えば、クイックなレスポンスと高いスタビリティで、いずれとも異なるドライビングファンを堪能させてくれた。
よって優劣をつけるのは難しいのだが、それこそ大いに歓迎すべきことだろう。GRスープラ。世界のスポーツカーファンにとって新たな、嬉しい迷いをもたらす魅力的な選択肢の登場である。
REPORT/島下泰久(Yasuhisa SHIMASHITA)
PHOTO & MOVIE/宮門秀行(Hideyuki MIYAKADO)
Special Thanks/トヨタ自動車株式会社
https://www.youtube.com/watch?v=4N6GXpPAwgc
https://www.youtube.com/watch?v=hdPsKsr4uJw
【SPECIFICATION】
GR スープラ RZ
ボディサイズ:全長4380 全幅1865 全高1290mm(社内測定値)
ホイールベース:2470mm
トレッド:前1594 後1589mm
エンジン:直列6気筒DOHCツインスクロールターボ
総排気量:2998cc
最高出力:250kW(340ps)/5000 – 6500rpm
最大トルク:500Nm/1600 – 4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前ダブルジョイント スプリング ストラット 後マルチリンク
0 – 100km/h加速:4.3秒
ポルシェ 718 ケイマン GTS
ボディサイズ:全長4385 全幅1800 全高1286mm
ホイールベース:2475mm
エンジン:水平対向4気筒DOHCターボ
総排気量:2497cc
最高出力:269kW(365ps)/6500rpm
最大トルク:430Nm/1900 – 5500rpm
トランスミッション:7速DCT(PDK)
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前後スプリング ストラット
0 – 100km/h加速:4.1秒(スポーツ・プラス モード時)
BMW M2
ボディサイズ:全長4475 全幅1855 全高1410mm
ホイールベース:2695mm
エンジン:直列6気筒DOHCツインパワーターボ
総排気量:2979cc
最高出力:272kW(370ps)/6500rpm
最大トルク:465Nm/1400 – 5560rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前ダブルジョイント スプリング ストラット 後5リンク
0 – 100km/h加速:4.3秒
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