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「燃費王=プリウス」だったのは過去の話! エコカーの象徴じゃなくなったプリウスは別の価値で勝負している!!

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「燃費王=プリウス」だったのは過去の話! エコカーの象徴じゃなくなったプリウスは別の価値で勝負している!!

 この記事をまとめると

■トヨタ・プリウスは世界初の量産ハイブリッドカーとしてデビューした

シリーズにパラレルにストロングにマイルドって何が違う? 沢山ある「ハイブリッド車システム」の種類をスッキリ整理してみた

■現行型プリウスはエコカーの象徴でありながらももっとも燃費がいいモデルではない

■プリウスは「期待したほど燃費がよくないと感じる」といった声が多い

 じつはプリウスが1位じゃない現行モデル燃費ランキング

 かつて世界初の量産ハイブリッドカーとして一世を風靡し、エコカーの代名詞となったトヨタのプリウス。いまや誰もが知る存在となったプリウスは、燃費性能の高さと先進的な技術で自動車業界に大きな衝撃を与えた。

 しかし、時代は確実に変化している。2025年現在、プリウスは最新の燃費ランキングにおいて、意外にもトップではないという現実がある。この事実に驚きを隠せない人も多いのではないだろうか。以下、メーカー発表のWLTCモード燃費を基準に調べてみた。

 プリウスがエコの象徴だった時代とその進化

 プリウスは1997年に登場した初代モデルから、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステム「THS」を搭載し、従来のガソリン車の約2倍の燃費性能を実現した。カタログ燃費は初代で29.0km/L、最新モデルでは32.6km/Lに達している(ただし初代プリウスの燃費値は当時の10・15モードによるもので、WLTCモードとは測定基準が異なる)。この進化は、エンジンやモーター、バッテリーなどの技術革新が積み重なった結果である。

 プリウスは単なる低燃費車ではなく、CO2排出量の削減や環境負荷の軽減という社会的使命も担ってきた。

 しかし、プリウスの進化は、他メーカーの追従や新たなハイブリッド技術の登場によって、その優位性が少しずつ薄れつつある。プリウスがもっていた「エコカーの代名詞」という地位は、いまや数多くのライバルモデルによって脅かされている。

 プリウスよりも優れたモデルがたくさんある

 2025年6月時点の最新燃費ランキングを見てみると、トップ10の顔ぶれはじつに興味深い。ランキングの1位はトヨタ「ヤリス」で、36.0km/Lという圧倒的な燃費性能を誇る。2位には同じくトヨタの「アクア」が34.6km/Lで続き、3位にはプリウスが32.6km/Lでランクインしている。

 多くの燃費ランキングでは基準が曖昧になることもあるが、最近ではトヨタ「ヤリス」「アクア」「フィット」、日産「ノート」、ホンダ「フィット」など、コンパクトカーが上位を占めている。しかし、コンパクトカーでなくても、たとえば、「ヤリスクロス」はSUVでありながら30.8km/L、プリウスと同じセダンの「カローラ」は30.2km/Lと、プリウスの32.6km/Lと大差ないどころか、実用上はほとんど差がないレベルに達している。

 さらに、日産「ノート」も28.4km/Lと健闘しており、ハイブリッドやe-POWERなど新たな技術が台頭している。プリウスが「圧倒的なエコカー」として君臨していた時代は、すでに終わったといえるのではなかろうか。

 じつはプリウスは最初からトップではなかった!?

 プリウスは発売当初から注目され、その燃費性能でほかの自動車を圧倒していた。しかし、ほかの車種も、その進化は著しい。プリウスはセダンタイプだが、現在はコンパクトカーやSUV、ミニバンなど多様なボディタイプが登場し、それぞれが独自の技術で低燃費を実現している。とくにコンパクトカーは、軽量化や空力性能の向上、ハイブリッドシステムの小型化・高効率化が進み、プリウス以上の燃費を叩き出すモデルも珍しくない。

 また、プリウスの実燃費とカタログ値の乖離も指摘されている。カタログ燃費は32.6km/Lとされているが、実燃費は25km/L前後となるケースも多く、ユーザーによるレビューや実走行データでも「期待したほど燃費がよくない」と感じる声が多い。一方、ヤリスやアクアなどはカタログ値と実燃費の差が比較的小さいこともあり、ユーザーからの評価も高い。

 さらに、プリウスはセダンというボディタイプの制約も大きい。現代のユーザーはコンパクトカーやSUV、ミニバンなど多様な車種を求める傾向が強く、セダンの需要自体が減少していることも影響している。プリウスは依然として高い技術力と信頼性を誇るが、市場のニーズや競争環境の変化によって、そのポジションが揺らいでいる。

 こうした状況を受けて、プリウスもさらなる進化が求められている。ハイブリッド技術のさらなる高効率化や、プラグインハイブリッド、電気自動車への展開など、新たな挑戦が求められている。プリウスが再びエコカーの頂点に立つためには、時代の変化に敏感に対応し、ユーザーの期待に応える技術革新が不可欠だろう。

 プリウスがかつて築いた「エコカーの象徴」という地位は、いまや数多くのライバルに脅かされている。しかし、プリウスの歴史と技術力は、これからの自動車業界においても貴重な財産である。プリウスの進化から目が離せない。

文:WEB CARTOP 琴條孝詩
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みんなのコメント

86件
  • avs********
    たんなエコカーからの脱却ってのがコンセプトだろうに

    そもそも19インチ履いてる事自体
    燃費重視じゃないわな


  • Giulia105
    セダン(サルーン)の定義はエンジン、キャビン、トランクがはっきり分かれる3ボックス構造で、後席と荷室の空間を完全に切り離したボディタイプのことである。
    初代はともかく、現行型は5ドアハッチバッククーペスタイルであり、トヨタはプリウスをセダンのカテゴリーに分類してはいけない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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