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チーム三菱ラリーアートが凱旋。AXCR優勝報告会を開催「ロスを最小限に抑えたチームワークの賜物」

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チーム三菱ラリーアートが凱旋。AXCR優勝報告会を開催「ロスを最小限に抑えたチームワークの賜物」

 9月2日、チーム三菱ラリーアートは東京都港区の三菱自動車 本社ショールームでAXCRアジアクロスカントリーラリー2025の優勝報告会を実施した。

 30回目の開催を迎えたAXCRは8月8日に開幕し、翌9日から16日にかけて開催された。ダカールラリー2連覇の経験を持つ“レジェンド”増岡浩総監督が率いるチーム三菱ラリーアートは、チャヤポン・ヨーター/ピーラポン・ソムバットウォン組を筆頭に、田口勝彦/保井隆宏組、小出一登/千葉栄二組の3台体制で参戦した。

最終日の“試練”を乗り越え、三菱ラリーアートが2022年以来のAXCR総合優勝「悔しい思いをバネに1年間頑張ってきた」

 大会初日から総合2番手につけたヨーターは、レグ3後にトップへ浮上すると最後まで首位を維持し、3年ぶり2度目となる総合優勝を飾った。また、田口/保井組が総合5位、小出/千葉組が総合22位と3台すべてが完走を果たし、チーム三菱ラリーアートは2年ぶり2度目のチーム賞にも輝いた。

 凱旋したチーム三菱ラリーアートは、9月2日に三菱自動車 本社ショールームで優勝報告会を実施。増岡総監督と112号車ミツビシ・トライトンを駆ったヨーターとソムバットウォンの3人が出席し、過酷なAXCRを振り返りつつ、その勝因や心境などを報道陣へ説明した。

 チームを指揮した増岡総監督は、「例年にも増して非常にタフなラリーでした」と全体を振り返り、「過去2年間は優勝から遠ざかり、2024年には勝利の目前でトラブルに見舞われるという悔しい思いを味わいました。そのため、今年こそは『王座奪還』という強い意志を持って参戦しました」と語った。

 優勝を目指して臨んだものの、初日に小出が追突、3日目には田口にサスペンショントラブル、そして、5日目にはトップのヨーターがスタックしてタイムロスするなど序盤からアクシデントに見舞われたチーム三菱ラリーアート。他のチームにもさまざまな困難が襲いかかるなか、最終的にヨーター組が総合優勝を手にしたことについて、「我々がトラブルによるタイムロスを最小限に抑えられたことが勝利できた最大の要因だったと思います。素晴らしいチームワークの賜物です」と今大会の勝因を話す。

「たとえば、田口選手の105号車のサスペンション修理では、本来20分ほどかかる作業を9人がかりでわずか9分40秒で完了させ、ペナルティなしで再び競技に送り出すことができました。それ以外にもメカニックたちは夜遅くまでマシンのメンテナンスにあたり、ドライバーが安心して戦える環境を整えてくれました」

 チーム結成4年目にして4戦中2勝というAXRCでの成績にも触れ、「監督としては胃が痛む1週間でしたが、勝率が5割になってホッとしました」と笑いを交えながら今の心境を吐露した。

「来年はディフェンディングチャンピオンとして連覇に挑むことになります。さらに高いハードルとなると思いますが、皆様のご声援をどうぞよろしくお願いいたします」

 昨年の優勝目前でのリタイアから雪辱を果たしたヨーターは、「WRCやダカールラリーで活躍する三菱チームをテレビで見ていて、幼い頃からの憧れだった。そのチームの一員になり、2度目の総合優勝を飾ることができて夢が叶った気分だよ。本当に嬉しい」と喜びを見せた。

 ヨーターは、「今年はマシンの戦闘力が大幅に向上し、特にスタビライザーの改良などによってコーナリングや悪路での高速走行性能が格段に上がったんだ」と話し、「今回のコースはとてもハードだったから、首位を維持するために危険な部分は少し抑えつつ、飛ばせるところで猛プッシュすることを意識して走ったよ」と語った。

 自身に降りかかったトラブルについては、「レグ5でスタックしたこと以外にも最終日にロードセクションでラジエーターのトラブルに見舞われたけど、小出のクイックサポートのおかげで走ることができた。ターゲットタイムぎりぎりで到着してほとんど休む暇もなかったよ」と振り返る。

「大きなプレッシャーがかかったけど、スタートまでの1分間で『残りの50kmを走り切ることだけに集中力しよう』と切り替えたことで、優勝を掴み取れたのだと思う」

 来年に向けては、「優勝することは難しいけど、勝ち続けることはもっと難しい。来年も王座を守れるように全力を尽くしたい」と連覇への意気込みのコメントを残した。

 そして、ヨーターを優勝に導いたコ・ドライバーのソムバットウォンは、「夕方に翌日分のロードブックを受け取るところから始まって、徹底的に研究してコースの特性を頭にたたき込むんだ」と説明する。

「どうすればドライバーに簡潔かつ正確に情報を伝えられるかを考えて言葉を選びながら戦略を練っていく。それ以外にも毎日、道の状態を確認したり、ミーティングでは過酷なコースを走り切るために話し合ったよ。その後は自分だけで研究して、当日も朝早くに起きて変更などを確認した」

 ロードブックについては、「2色のマーカーを使い分けていて、『はっきりと確認すべきポイント』に緑色、『危険なポイント』に赤色のマーキングをして分かりやすくしている」と視覚的な工夫も行なっていると話した。

 そして、レグ5でのスタックについては、「昨年の悪夢を思い出した」と当時の心境を語り、「脱出までに20分ほどタイムをロスしたけど、その後も問題なく走れたし、最終的に優勝することができたよ」と6日間のラリーを振り返った。

 後半には、昨年の4台体制から3台体制となったことに関して増岡総監督は、「予算的な問題もあり、チームをスリム化を図りました」と述べ、「実は数合わせでスペアパーツに中古品を持ち込んでいたりしました。コンパクトにはなりましたが、優勝を狙えるチャヤポン選手と田口選手の2台に集中する『2トップ体制』としたことで結束力を高まり、チームがより強くなりました」とその裏側とともにポジティブな影響があったことも明かされた。

 その後、増岡総監督はヨーターについて、「追われる展開でも追う展開でもメンタルが強いと思いますし、AXRCのドライバーの中でもミスが一番少ない強いドライバーです」と評した。「自分の息子とほぼ同い年だから、子どもみたいなものですね」と語りつつ、今大会に向けて20kgの減量を果たしたことについては、「強くたくましくなって帰ってきてくれた」と笑顔を見せる場面も。

 和やかな雰囲気のなか優勝報告会は終了。ここでは2026年大会への正式な参戦表明は無かったものの、連覇への意気込みが語られるなど、正式発表や来年の活躍に期待が高まる。

[オートスポーツweb 2025年09月03日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

2件
  • jin**********
    扱いが小さいな。
    トヨタが優勝したらトップニュース扱いだろ?
    トヨタ大好きYahooニュースだから仕方ないけど。
  • 木田信明
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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