バカンスの夢は叶うのか!? A24の青春ガールズムービー『ネバー・ゴーイン・バック』

　お馬鹿で下品、だけどパワフルなガールズムービー『Never Goin’ Back／ネバー・ゴーイン・バック』は、いま注目の俳優／監督オーガスティン・フリッゼルが手がけた初長編です。

　高校を中退し、兄とその友人と4人で共同生活を送っている親友同士のアンジェラとジェシー。バイト三昧の日々でも、家賃を払うのがやっとの極貧生活を送っています。しかし、ジェシーの誕生日に1週間のビーチリゾートのバカンスをプレゼントしたいアンジェラは、家賃のためのお金で2人分の夢のチケットを購入することに。

　そこで不足分の家賃を稼ぐため、無茶苦茶な追加シフトを入れるのですが、家に泥棒が入り、兄のせいで刑務所に入れられ、誤って大麻入りクッキーを食べてハイになり、さらに肝心のバイトもクビになりかけるなど、散々な目に遭う2人。はたして憧れのバカンス、テキサスのリゾートビーチへと無事に辿り着くことは出来るのでしょうか……？

　2018年のサウス・バイ・サウスウエスト映画祭でゲームチェンジャー賞にノミネートされた本作。オーガスティン・フリッゼル監督は15年以上ものキャリアを持つ女優で、本作が長編映画監督デビュー作となります（※続く2作目は日本ではNetflixで配信中の『愛しい人から最後の手紙』）。

　フリッゼルはテキサス州ダラスで育ちましたが、15歳で両親に捨てられたも同然で、毎月の家賃の当てもなく、友人と一緒に困難な暮らしを送ってきたそうです。そんな過去から着想を得た本作は、夫である映画監督デヴィッド・ロウリー（『グリーン・ナイト』『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』ほか）と出会い短編映画を制作するようになり、“あの暗黒時代を笑い話に変えよう”という想いから撮影されたのだとか。主演のマイア・ミッチェルとカミラ・モローネによるリアルな若さが発揮された演技も見どころです。

　さて、フリッゼルの夫ロウリーは、名優ロバート・レッドフォードの“引退宣言”も話題になった『さらば愛しきアウトロー』（2019年）も監督しています。そしてレッドフォードといえば、青春ロードムービー『お前と俺』（1970年）はバイカー必見の映画。2人のバイク狂がレース場を転戦していく物語で、TR-2を筆頭にCT-1、TD-1、DT-1 MXなど多くのヤマハ車が登場します。

『Never Goin’ Back／ネバー・ゴーイン・バック』は、2022年12月16日（金）よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開です。