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MotoGPレギュレーションがシーズン中に変更。スタート手順の見直し、復帰前テストが可能に

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MotoGPレギュレーションがシーズン中に変更。スタート手順の見直し、復帰前テストが可能に

 国際モーターサイクリズム連盟(FIM)は、2025年MotoGP世界選手権のレギュレーションに関し、スタート手順や負傷ライダーの事前テストなどの変更を発表した。いずれも規則変更が承認された4月29日より即時施行されている。

 今回発表されたレギュレーションでは、第3戦アメリカズGPで発生した混乱に端を発したスタート手順の見直しや、負傷したライダーのためのMotoGPマシンによるテストの導入など複数の変更が加えられた。

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アメリカズGPでの騒動を受け、スタート手順を明確化

 まず、全クラス対象のスタート手順の変更についてその内容は、グリッドを離れるライダーとグリッドに並ばないライダーに区別なくペナルティが科せられるようになる、というものだ。

 これまでは天候によるタイヤ交換を目的とした場合と、技術的な理由がある場合で対応が異なっていた。今回の変更でその区別がなくなり、いかなる理由であってもグリッドを離れたライダーはピットレーンからウォームアップラップを開始し、元のグリッドポジションに戻り、『ダブルロングラップペナルティ』が科されるようになった。

 また、ウォームアップラップまでにグリッドに着かなかったライダーにも同様に上述のペナルティが適用される。

 なお、ピットレーンからレースをスタートする場合にピット出口の解放が遅延される点は従来通りだ。さらにピットレーンスタートは最大10名まで可能という現行の規則も維持されるものの、ウォームアップラップには適用されないこととなった。

 これらにより、先のような混乱を避けるだけでなく、正しいタイヤ選択をしていたライダーの優位性が守られることとなる。


負傷で長期離脱したライダーが復帰前にMotoGPマシンでのテスト走行が可能に

 次に負傷したライダーのテスト走行についての変更だ。今までの規定では、コンセッション(優遇措置)対象のメーカーを除き、公式テスト以外でレギュラーライダーがMotoGPマシンを使用したテストを行うことは不可能であった。

 だが今回、復帰に向けた身体的な準備の援助を目的に、市販車ではなくMotoGPマシンでのテスト実施の条件に“負傷ライダーの復帰前テスト”に関する細則が追加され、復帰前に1日限定でテスト走行を実施可能となった。

 復帰前テストについては、開幕前のテストから怪我で離脱していたホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)が第3戦アメリカズGPを欠場する発表の後、同チームのチームマネージャーであるパウロ・ボノラが提唱していたものであり、それがシーズン中に実現した形となる。

 この規則が適用されるには、『シーズン中に3大会以上の連続欠場』、もしくは『連続して45日間以上イベント(グランプリおよび公式テスト)に参加できていない場合』のどちらかに当てはまる必要がある。

 なお、第4戦カタールGPで復帰したマルティンは、同大会の決勝レースで転倒して骨折と肺気胸を伴う胸部外傷を負ったため、再びの戦線離脱を余儀なくされた。マルティンは、第5戦スペインGPに続き、第6戦フランスGP以降も欠場が見込まれているが、もし2度目の復帰が第8戦アラゴンGP以降の場合は、新たな規則が適用され、MotoGPマシンでのテストが可能となる模様だ。


その他のレギュレーション変更

 さらには、2027年から最高峰クラスに導入される新たなMotoGPマシンのテストについてもレギュレーションで定められた。2027年からエンジン排気量が1000ccから850ccとなり、エアロダイナミクスの低減や車高調整デバイスの撤廃などの新規定マシンの導入が2年後に迫るなか、バイクメーカー間で2025年シーズン中に2027年仕様マシンのテストを行わないことが合意された。そのため、新規定マシンのテストは2025年11月17日に解禁されることがレギュレーションに明記されることとなった。

 そして、Moto2およびMoto3クラスのワイルドカード出場の制限はライダー1名にあたりシーズン3回となったことや、走行中に他者に危険を及ぼさぬように確実に髪の毛をまとめて走行することに関する項目が追加され、レースやテストなどのサーキットイベントでの医療体制に関する規定も変更された。

 これらの変更は、FIM、IRTA(国際ロードレーシングチーム連盟)、MSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会)、ドルナスポーツの代表者で構成されるグランプリコミッションが競技規則および技術規則に関する協議を行い、4月29日に承認された。そして、前述の通り、いずれも即時施行となったため、5月9~11日に開催される第6戦フランスGPが規則変更後、最初のグランプリとなる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年05月08日]

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みんなのコメント

8件
  • とんきち
    勝利を追及するプロ根性は凄いと思うけど、周囲のの迷惑すら気に掛けること無く常に自分のことしか考えない迷惑な輩のマルケスが何度チャンピオンとろうが尊敬に値しない。
    あまりにもタチが悪くてシーズン中にルール追加なんて恥ずかしいくらい民度が低すぎ。
  • Nobody
    皆んなが離れてマシン交換したらやり直しになることを知っていたマルケスは流石に長老だよな(笑)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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