現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 歴代最強 紛うことなきロールス・ロイス スペクター・ブラックバッジへ試乗 2割増し価格へ納得

ここから本文です

歴代最強 紛うことなきロールス・ロイス スペクター・ブラックバッジへ試乗 2割増し価格へ納得

掲載 1
歴代最強 紛うことなきロールス・ロイス スペクター・ブラックバッジへ試乗 2割増し価格へ納得

ツインモーターで659psのブラックバッジ

BMWへ買収されるまで、ロールス・ロイスは自社のエンジンが何馬力を発生するのか、公表しなかった。1990年代後半までは、「充分なだけ」と表現するに留まっていた。

【画像】紛うことなきロールス・ロイス スペクター・ブラックバッジ 競合する上級EVたち 全113枚

それから四半世紀が過ぎ、ブランドはすっかり様変わりした。最新のクーペ、スペクター・ブラックバッジには2基の駆動用モーターが積まれ、最高出力は659psだと主張されている。史上最強のロールス・ロイスになるという。

0-100km/h加速も、公表されている。実に4.1秒で、その鋭さはサーキットでも実証済みだ。とはいえ、元CEOのクリス・ブラウンリッジ氏が主張するとおり、スペクターは真のロールス・ロイスでもある。

もう少し反社会的な見た目にしたい、と希望する顧客は多いのかもしれない。今回試乗したブラックバッジは、深い色調の威圧的なデザインテーマで仕立てられる。オーダーメイドのビスポークプログラムではない、ラインナップの1つとして追加された。

通常のスペクターより強力なモデルは、当初から計画されていた。一部の特別な顧客へ先行的に試乗してもらい、印象を伺うべく、秘密裏に25台が試作されたという。

そんな高性能は必要ない、と返した人もいたかもしれない。しかし、特別扱いに優越感を感じたユーザーは少なくないはず。「お客様は約半年間、存在しないはずのクルマに乗られていました」。ブラウンリッジが口にする。

ステアリングに追加された無限大記号のボタン

ロールス・ロイスは、年間5000台から6000台のクルマを販売している。それを大きく増やす計画は立てられていない。シェアを広げるのではなく、ユーザーへ特別感を味わってもらうことを、ビジネスの柱にしている。

筆者のもとへやってきたのは、もちろん秘密のスペクターではない。量産仕様のブラックバッジだ。通常との違いは、スタイリングやインテリアだけでなく、技術的な部分にも及んでいる。

外観では、ホイールやダーククロームのトリムが専用品。サイドシルのキックプレートには照明が内蔵され、内装はカーボンファイバー製トリムで飾られる。

1980年代や1990年代のナイトクラブをイメージさせる、バイオレット仕上げも新たに設定された。もっともロールス・ロイスだから、基本的にはオーナー好みにコーディネートできる。事実上、どんな仕上げでも可能だ。

技術的には、659psへのパワーアップが目玉。ただし、デフォルトでは通常と同じ585psに制限されたドライブモードが選ばれている。ステアリングホイールに追加された無限大記号のボタンを押すと、上乗せされた74psが開放される。

このインフィニティ・モード時は、静止時にブレーキペダルとアクセルペダルを同時に踏み込むことで、モーターが身震いするようにひと揺れし、ローンチコントロールがオンになる。同社はこれを、スピリット・モードと呼んでいる。

この時に限り、最大トルクは109.4kg-mへ増強。0-100km/h加速は、4.5秒から4.1秒へ短縮される。

加速力に乗り心地、操縦性は真のロールス・ロイス

インフィニティ・モード時は、ステアリングが僅かに重くなり、アクセルレスポンスは鋭くなる。それでも、テスラ・モデルS プレイドやポルシェ・タイカン・ターボほど過激な特性になるわけではない。

バッテリーEVのスペクターでも、あくまでもロールス・ロイス。全長5490mm、車重2890kgの超高級クーペとして作られている。野蛮なダッシュ力は求められていない。

試しにアクセルペダルを蹴飛ばしてみると、ジェット旅客機が離陸時に加速するほどの勢い。ブラックバッジであっても、ブランドイメージに合致するし、V型12気筒エンジンの感覚とも重なる。

乗り心地と操縦性も同様。インフィニティ・モードの姿勢制御は僅かに引き締まるが、快適ではないと表現する人は皆無なはず。衝撃吸収性は素晴らしい。傷んだ路面を80km/h程度で走っている限り、ボディはほぼフラットに維持される。

加減速時のピッチを抑えるべく、ハードウェアにも変更が加えられた。余計な動きはまったく伴わず、マナーはラグジュアリーでしかない。

内装は細部まで豪華。カーボンファイバー製トリムは、軽量化ではなく織り目の美しさを添えるために与えられている。シートは大きくフラット。素材はくまなく上質で、サイドウインドウの位置は高い。前方に伸びるボンネットが長い。

リアヒンジのドアは重い。開くポジションでドアハンドルを握ると、そのまま身体が優しく外界へ導かれる。

想像以上に運転は楽しい 20%増しの価格へ納得

当然のように、車内は静寂。ただし、加速時に人工音を僅かに奏でることはできる。筆者は短時間で聞き飽きてしまい、オフにしたが。

すると、3mm厚みを増したステアリングホイールのリムを握る音が、1番目立つノイズになる。しっとりしていて、タッチは良い。お抱え運転手は、気に障らないよう、指でそっと操る練習をするはずだ。

路面を占める面積は、ピックアップトラック級に大きい。このクルマをドライバーズカーだと表現することは不思議に思えるが、他のロールス・ロイスと同様に、運転は想像以上に楽しい。

ペダルは、シームレスに発進・停止するのに最適な重み付けと滑らかさ。ステアリングは、極めて正確に反応する。通常のスペクターより速く、姿勢制御も磨かれたようだが、それ以外の美点はすべて受け継いでいる。

英国での価格は20%上乗せになるが、相応の見返りはある。至って麗しい、ロールス・ロイスだ。

ロールス・ロイス・スペクター・ブラックバッジ(欧州仕様)のスペック

英国価格:約40万ポンド(約7800万円/予想)
全長:5490mm
全幅:2015mm
全高:1575mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.1秒
航続距離:492-529km
電費:4.1-4.5km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2890kg
パワートレイン:ツイン励磁同期モーター
駆動用バッテリー:102.0kWh
急速充電能力:−kW
最高出力:659ps
最大トルク:109.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

AIが不審な動きをキャッチ!愛車を360°見守る4Kドライブレコーダー【動画あり】
AIが不審な動きをキャッチ!愛車を360°見守る4Kドライブレコーダー【動画あり】
グーネット
夜間もバッチリ記録!前方+車内を同時録画できる新型ドライブレコーダー セルスター
夜間もバッチリ記録!前方+車内を同時録画できる新型ドライブレコーダー セルスター
グーネット
いま見ても名車!藤トモが“大人のクーペ”スカイラインに迫る【グー鑑定団】
いま見ても名車!藤トモが“大人のクーペ”スカイラインに迫る【グー鑑定団】
グーネット
ミッションや駆動系から異音?発生原因と解決策を症状別に徹底解説
ミッションや駆動系から異音?発生原因と解決策を症状別に徹底解説
グーネット
1.8リッターエンジンで300馬力! 全長4.4mの“ちょうどいい”「5人乗りスポーツ」がスゴイ! ホンダ「シビックタイプR」のライバル的存在! ルノー「メガーヌ R.S.ウルティム」とは?
1.8リッターエンジンで300馬力! 全長4.4mの“ちょうどいい”「5人乗りスポーツ」がスゴイ! ホンダ「シビックタイプR」のライバル的存在! ルノー「メガーヌ R.S.ウルティム」とは?
くるまのニュース
これクルマか!? ロマンそのものが走ってる! 光岡 BUBU501乗ってみた
これクルマか!? ロマンそのものが走ってる! 光岡 BUBU501乗ってみた
ベストカーWeb
三菱「“新”本格4WD」のスゴさとは!? 全長5.3m超えの“カクカクボディ”&「強化ACC」採用! 「トライトン」一部改良モデルの魅力とは
三菱「“新”本格4WD」のスゴさとは!? 全長5.3m超えの“カクカクボディ”&「強化ACC」採用! 「トライトン」一部改良モデルの魅力とは
くるまのニュース
ひときわ目を引く“バンダナ柄”のデザインが魅力的! ニューバランスの名作スニーカー「M1000」を採用したアトモス別注モデルとは
ひときわ目を引く“バンダナ柄”のデザインが魅力的! ニューバランスの名作スニーカー「M1000」を採用したアトモス別注モデルとは
VAGUE
ハミルトンのダイバーズウォッチにGMT搭載の新作が登場! 経年変化も楽しみな「ブロンズ製ケース」が冒険心を駆り立てる
ハミルトンのダイバーズウォッチにGMT搭載の新作が登場! 経年変化も楽しみな「ブロンズ製ケース」が冒険心を駆り立てる
VAGUE
濡れた革靴、スニーカーの正しい乾燥方法とは? 6つのステップをお手入れのプロに訊いた
濡れた革靴、スニーカーの正しい乾燥方法とは? 6つのステップをお手入れのプロに訊いた
GQ JAPAN
限定500個! ホンダウィングマークの折り畳み椅子、鈴鹿サーキットで販売開始
限定500個! ホンダウィングマークの折り畳み椅子、鈴鹿サーキットで販売開始
レスポンス
メルセデス・マイバッハ史上 最も美しい2シーター!? 「SLモノグラムシリーズ」に秘められた贅沢すぎる塗装技術と快適性とは
メルセデス・マイバッハ史上 最も美しい2シーター!? 「SLモノグラムシリーズ」に秘められた贅沢すぎる塗装技術と快適性とは
VAGUE
スバル6代目「フォレスター」発表! 7年ぶり全面刷新で新「ハイブリッド」搭載! 販売店に寄せられた新型への「反響」とは
スバル6代目「フォレスター」発表! 7年ぶり全面刷新で新「ハイブリッド」搭載! 販売店に寄せられた新型への「反響」とは
くるまのニュース
スライドドア搭載の軽が大人気!! N-BOXの推しグレードは? バカ売れ軽自動車のおすすめグレード
スライドドア搭載の軽が大人気!! N-BOXの推しグレードは? バカ売れ軽自動車のおすすめグレード
ベストカーWeb
「またトラックが雪でスタックしてるよ」はいい加減な運行が原因とは限らない! スタッドレスを履こうがチェーンを装着しようがダメなこともある
「またトラックが雪でスタックしてるよ」はいい加減な運行が原因とは限らない! スタッドレスを履こうがチェーンを装着しようがダメなこともある
WEB CARTOP
英国にMINIの生まれ故郷を訪ねる【九島辰也】
英国にMINIの生まれ故郷を訪ねる【九島辰也】
グーネット
トヨタのオフロード仕様「TRDプロ」、新色「ウェーブメーカー」で冒険心を刺激…今秋米国設定へ
トヨタのオフロード仕様「TRDプロ」、新色「ウェーブメーカー」で冒険心を刺激…今秋米国設定へ
レスポンス
大阪・難波と世界遺産を結ぶ特急「こうや」はなぜ車両が短い!?  外国人観光客にも人気の“レトロ特急”がじつは高性能過ぎる理由とは
大阪・難波と世界遺産を結ぶ特急「こうや」はなぜ車両が短い!? 外国人観光客にも人気の“レトロ特急”がじつは高性能過ぎる理由とは
VAGUE

みんなのコメント

1件
  • tak********
    ロールスロイスもオラオラしたいお年頃なのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村