この記事をまとめると
■2025年にプレリュードが24年ぶりに復活した
「S+」は「MT」じゃなくても走る喜びを体感できる手段! 新型プレリュードの開発責任者に気になることを全部聞いてみた
■初期のデザインスケッチではさまざまな方向性が検討された意欲的なモデルだった
■製品化された際は没個性となってしまいユーザーの関心を集めきれなかった
プレリュードのデザインは本当にイケてないのか
24年ぶりに復活となった新型プレリュード。デートカーとして一世を風靡したクーペの再来に大きな期待が寄せられる一方、そのスタイリングには賛否があるようです。そこで今回は、公式サイトに公開されている初期スケッチ案を改めてチェックし、新型のデザインについて振り返ってみたいと思います。
●方向性の違う3つの提案
「GLIDING CROSS STANCE」をデザインコンセプトとし、伸びやかなプロポーションとダイナミックに交差するサーフェスを特徴とする新型。ただ、公開されているデザインスケッチを見ると、開発初期には環境面や日常性も含めたさまざまな方向性が検討されていたことがわかります。
最初に目に入ったのはエッジを利かせた凝縮感のある提案。フードこそ大きな抑揚のある面ですが、シュッと引かれたベルトライン、ドア後端とリヤピラーを兼ねたラインなどは、じつにシャープで緊張感をもったもの。
注目したいのは、ドアハンドルやテールランプなど、かなりディテールまで描き込まれている点で、初期案とはいえ完成度の高さを感じるところです。ざっくりと削がれたリヤパネルも含め、メリハリの利いたボディがなかなか魅力的。
ふたつ目に示されたスケッチは、流線型の大きなカタマリを示した非常にシンプルなもの。新型のスタイルもカタマリでの表現が特徴ですが、このスケッチはボディの上下を鋭角なラインでわけたシャープな造形で、上に載るキャビンのスリムさも特徴。どこかテスラのサイバートラックを想起させる質感がユニークです。
赤いボディが特徴の3点目は、基本的なプロポーションこそ新型に近いものの、低いショルダーラインが重心の低さを演出しているし、ハンマーヘッドタイプではない固定式ヘッドライトがどこかイタリア車を感じさせます。スケッチとしてはラフなものですが、いますぐに実現しそうなリアリティが特徴です。
●削ぎ落とされてしまった個性?
さて、3点の初期スケッチはそれぞれ別の方向性を模索した案ですが、いずれも独自の存在感を示している点は共通です。正直にいうと「プレリュード」としてはどれもピンと来ませんが、眺めていていろいろな想像が膨らむスケッチではあります。で、じつはそれこそが今回のポイントかと……。
6代目となる新型は、滑空するグライダーのような軽快さや爽やかなスポーティさが身上ですが、その滑らかさが没個性につながってしまった点がじつに惜しいところ。否定的な意見のなかには「こんなのプレリュードじゃない!」といった声もありますが、それ以前に個性自体に欠けるのです。
最近のホンダデザインはシンプルな方向にあり、ステップワゴンやフリードなどのスタイルはじつに明快で完成度の高いものです。しかし、プレリュードはそのシンプル路線が若干裏目に出てしまったのかもしれません。公開されたスケッチは、奇しくもそれを教えてくれるのです。
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