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ZFが新開発電動ドライブシステムを披露。「タイカン」ベースのコンセプトカー「EVbeat」に搭載

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ZFが新開発電動ドライブシステムを披露。「タイカン」ベースのコンセプトカー「EVbeat」に搭載

ドイツのテクノロジー企業「ZF」は6月29日、新しい800V電動パワートレインを搭載するコンセプトカー「EVbeat」を発表した。このコンセプトカー、ポルシェ・タイカンをベースに大幅なトルクアップや航続距離の延長を実現しており、技術の一部は2026年の発売が予定されている。

リアアクスル最大トルク5200Nmを実現

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EVbeatは、ポルシェのバッテリー電気自動車(BEV)「タイカン」をベースに、ZFや他のサプライヤーの最新技術を採用し開発されたもので、ドイツ本国で開催されるグローバルテクノロジーデーにおいて公開された。このうち、ZFはEVの心臓ともいえるパワートレインを担当。新システム「EVSys800」はEVbeatに強大なトルクと長い航続距離をもたらしている。

小型、軽量および実走行での最高効率が追求されたEVSys800は、パワーエレクトロニクス、電動モーターおよび減速機で構成。非常にコンパクトなデザインと軽さが特徴で、小型減速ギアボックスとZFが特許を取得したモーターの「編み込み式巻線」技術により、モーター長を50mm短縮したほか、総重量は74kgと現行の800Vシステムに比べ約40kg軽量である。

リアアクスル最大トルクは5,200Nmとなっており、公道を走行する乗用車向けとしては他に類を見ないほど高い。また、最高出力275kW(374ps)の75%という高い定格出力(206kW=280ps)もアピールポイント。

ZFでは、こうした定格出力向上のためモーターの冷却方法と巻線を工夫し、最も熱が発生する巻線の周囲に直接オイルが流れる冷却構造を採用した。そして、レアアースの使用も省き、モーターの生産工程をよりサステナブルなものとしている。巻線技術そのものについても、先述の「編み込み式巻線」により銅の使用量を約10%低減したという。

>>>次ページ 寒冷時の航続距離を大幅アップ

寒冷時の航続距離を大幅アップ

さらに、BEVの鬼門とも言える熱管理についても、ZFが開発した初のEV用中央熱管理システム「TherMaS」を実装。3つの冷却回路を有するTherMaSでは、800V駆動のヒートポンプにフッ素フリーのプロパンを使った冷媒を使用しており、従来の半分の容量で一般的な冷媒に比べ能力は2倍にも向上した。

そのため、特にエアコン暖房で3~6kWのエネルギーを使う寒冷時の航続距離が、最大で3分の1伸長。EV乗りなら誰でも、冬場に短くなる航続距離に悩まされた経験はあるだろうから、こうした新技術でより長い足が確保できれば、実に嬉しいニュースとなる。

こうしたハード面での革新に加え、EVbeatではパワートレインを制御するソフトウェアも大幅改良。すべての車両システムを相互にネットワーク化し、ZFのクラウドに接続している。

そのため、ドライバーの行動を学習し、AIを活用したクラウドサービスを通じて運転プロファイルを予測することが可能となっており、例えば短距離走行を検出すると、エアコンやシステム冷却を低減するなど精緻な制御が実施されるという。

ZFでは、このソフトウェア改良により、さらに正確な航続距離の予測もできるとアナウンスしているから、こちらもオーナーにとって朗報となる。

日常的な使い勝手に直結する新技術も満載されたEVbeat。ZFによれば新しいZFドライブトレインの最初の技術は2026年に発売予定とのことで、今から楽しみに待ちたい。

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