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やっぱり黄金期だった? 輝かしい1990年代のクルマ(1) アウディTT E39型BMW 5シリーズ

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やっぱり黄金期だった? 輝かしい1990年代のクルマ(1) アウディTT E39型BMW 5シリーズ

1990年代のクルマへの思いは強まる一方?

1990年代が黄金期だったと振り返る、クルマ好きは少なくないだろう。現代のモデルが変化するほど、思いは強まる一方といえる。

【画像】やっぱり黄金期だった? 輝かしい1990年代のクルマ UK編集部が気になる10台 全129枚

さほど昔には感じられなくても、実際は30年ほど前ということになる。当時10代の青年だった読者は、恐らく50歳前後をお迎えのはず。この年代のクルマは、幅広い年齢層から愛されている。今にはない、純粋さと個性を宿すからだろう。

社会学者は、1990年代は生活がシンプルだったと解説する。経済学者は、近年より活気があったと分析する。携帯電話が普及し、インターネットという言葉が耳に届き初めた頃だった。コンピューターは、まだ大きく重たい箱だった。

筆者が1990年代を簡潔にまとめるなら、「音楽に映画、市民、経済、クルマのより良い時代」。自動車もシンプルだった。気候変動は大問題になる前で、安全規制に対する制限は、驚くほど緩やかだった。

フォルクスワーゲンが、ディーゼルエンジンで不正をするのは20年後。各メーカーは、電気自動車への巨大な投資へ頭を抱える必要はなかった。

共通プラットフォームから異なるモデルを生み出すという、新たな考え方は進んでいた。それでも、スタイリングの自由度は遥かに高かった。

アウディTT:コンセプトカーが現実へ舞い降りた

この時代へ強い関心を寄せるのは、AUTOCARのUK編集部も同じ。1990年代の気になるモデルへ試乗しようというアイデアは、順調に実現することになった。実際に特徴を理解し、愛おしさが思い込みではないのか、確かめたいという考えが一致した。

かくして、揃ったのは10台。アルファベット順に、魅力を振り返っていこう。

まずは、1998年発売のアウディTT。歴代の共通プラットフォーム・モデルの中で、最も成功した1台だといえる。コンセプトカーは1995年に発表。量産車は、フォルクスワーゲン・ゴルフがベースになっていた。

1.8Lターボエンジンの最高出力は、228ps。力強さと軽快な操縦性、高品質なインテリアに、心を奪われた人は少なくないだろう。3代目へ進化し2023年11月に生産を終えたが、カリフォルニアのデザインスタジオで誕生した初代の容姿は、今も際立っている。

アウディの中で突出して個性的。マット・プライヤーは、発表当初から気に入っていた。「正真正銘、コンセプトカーが現実へ舞い降りましたね」。と、当時を回想する。27年も過ぎることが信じがたい。

当時は子どもだったイリヤ・バプラートも、感心を顕にする。「スポーツカーとはいえませんが、快適で運転しやすい。運転姿勢が良くて、変速は滑らか。エンジンは力強く回り、グリップも高い。日常的に使える、デザイン・アイコンですね」

E39型BMW 5シリーズ:現代の厳しい評価に耐える

E39型BMW 528iは、シンプルだった時代のミュンヘン・ブランドを象徴する1台だろう。滑らかな直列6気筒エンジンに、ドライバー中心のコクピット。正面には2枚のアナログメーターが並び、究極のドライビングマシンという言葉が、ピタリとハマる。

その頃BMWを実質的に率いていたのは、技術者のヴォルフガング・ライツレ氏。今でも、この世代のモデルは高く評価されている。

低く無駄のないボディは、新しい方向性を探り出す必要性を提示した、クリス・バングル氏以前のスタイル。明確なアイデンティティと威厳が漂う。E39型の5シリーズは1995年に発売されたが、ボディサイズは現在の3シリーズと殆ど変わらない。

「この5シリーズは、現代の目や耳、手足による厳しい評価に耐えますね。車内は充分に広く、レイアウトは人間工学に準じています。運転姿勢は完璧です」。ジェームス・ディスデイルが称える。

スムーズな2.8L直6エンジンは、2025年の交通に紛れても余裕のパワーを生み出す。仕事自体は流暢な5速ATは、変速タイミングが遅め。時代を感じさせる1つといえる。

ステアリングは自然なレシオと重み付け。後輪駆動らしいバランスを、普段使いの速度域で感じられる。洗練性は、現代の多くのモデルを凌駕している。

フォード・モンデオ:非常に高い一般道での充足感

フォード・モンデオ 1.8 LXは、当時のビジネスマンを納得させたサルーン。英国で売れる新車の7割近くが、社用車として企業に買われていた頃で、フォードは全盛期を迎えていた。それを牽引したのは、技術者のリチャード・パリー・ジョーンズ氏だった。

1993年にモンデオが発売されると、AUTOCARでは14ページもの特集を組んで徹底的な試乗テストを実施。そこでの絶賛は、フォードの株価を押し上げたとか。数か月後には、モンデオ 1.8 LXで1万9000kmを超えるグランドツアーも敢行している。

バプラートは、運転姿勢の素晴らしさと直感的なマナーを評価する。「カタチや素材、低いウエストライン、広いガラスエリアなどは、古さを感じさせます。しかし一般道での充足感は非常に高いですね」

「クラシックカーとして、評価される兆候は感じにくいかもしれません。この先代の、フォード・シエラも」。プライアーは、エイジングに少々不安を感じているようだ。

この続きは、輝かしい1990年代のクルマ(2)にて。

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