シリーズIIに進化したロールス・ロイス「ゴースト」は、見ても乗っても優雅な世界が堪能できた。『GQ JAPAN』ライフスタイル・エディターのイナガキがリポートする。
新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIの特徴
“伝統”と“革新”の共演──新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズII試乗記
1.エンジン2.“マジック・カーペット・ライド”3.ゴージャスなリヤシート4.まとめ1.エンジン
2025年4月末、東京都心部で新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIをドライブした。
新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIの試乗車は「エクステンデッド」と呼ぶロングホイールベースバージョン。標準モデルでも全長は5545mmに達するが、エクステンデッドは5715mm! 東京都心部ではやや扱いにとまどうものの、少し高めの着座位置と車両間隔の掴みやすさが相まって、取り回しにはそれほど困らなかった。
走り出しから、あまりのスムーズさに衝撃を受けた。エンジンが、はるか先に搭載されているかのような錯覚を受けた。まるで、BEV(バッテリー式電気自動車)を彷彿とさせる。
しかし、遠くからかすかに聞こえる「シュルシュル……」という音がV12エンジン搭載をわずかに主張する。
新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIのアクセルを踏むと、静々とクルマは進む。存在をわずかにしか主張しないV12エンジンの完成度はお見事。
超高級車にふさわしいパワートレインだ。
が、ロールス・ロイスに限っては、モーターがなくても恐ろしく力強い。究極の内燃機関と評したい。
2.“マジック・カーペット・ライド”
新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIの乗り心地は極上だ。
足まわりの「プラナー・サスペンション・システム」には、フロント サスペンション アセンブリの上部に独自のアッパー・ウィッシュボーン・ダンパー・ユニットを組み込む。このユニットは、連続可変の電子制御ショックアブソーバーやセルフレベリング機構付きの大容量エアストラットアセンブリと連動し、ロールス・ロイス特有の“マジック・カーペット・ライド”を供するというが、その通りで、終始フラットでまろやかな乗り心地を実現する。
新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIには“マジック・カーペット・ライド”を強化する「フラッグベアラー・システム」も搭載。カメラで前方の道路を読み取り、路面の変化に合わせてサスペンションを可変させる。
驚いたのがタイヤ。グッドイヤー製のタイヤ(EAGLE F1 SuperSport)で、サイズは255/35R22! 薄いタイヤにも関わらず、凹凸のショックをほとんど感じさせないとは驚いた。
今回は試せなかったが、ワインディングもそれなりに楽しめそうだ。
リヤシートは、超広大。新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズII エクステンデッドはリヤドアと開口部を拡張することで、リア・スイート・スペースを170mm拡大。足もとは超ゆったりしており、170cmの筆者が足をリラックスして伸ばせる。
新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIの快適装備は豊富で、電動格納式のテーブルおよびインフォテインメントディスプレイ、シャンパーニュ用のクーラー(専用グラス付き)、そして電動開閉式のカーテンも備わる。カーテンは、まるで誰かが手で開け閉めをしているかのようで、スムーズ。モーターの音もよく抑えられている。
新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIは分厚いカーペットに、リヤドアに格納された専用アンブレラなどロールス・ロイスらしいおもてなし装備は満載。リヤシートに身を委ねて移動するのもイイが、ハンドリングも悪くない。
4.まとめ
新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIは、スポーツカーのようなクイックなハンドリングではないけれど、よく調整された足まわりとパワフルなV12エンジンによって、それなりのスピードでコーナーを駆け抜けられる。
かつてのロールス・ロイスは、やや頼りないハンドリングで、とても飛ばす気にはなれなかったけど、ゴースト・シリーズIIは、意外なほど運転が楽しい。GPSデータを利用してカーブの曲率に応じた最適なギアを選択する「サテライト・エイデッド・トランスミッション」を搭載するなど、走行性能を高めるシステムもイイ仕事をする。
ドライバーズカーといえば、英国製だとベントレーのイメージが強いけれども、ロールス・ロイスも悪くない。事実、新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIのプレスリリースには「実際、ゴースト・エクステンデッドを選ばれるお客様は、ほとんど運転手を手配することなく、後部座席スペースを拡張したこのモデルを自ら運転する目的でオーダーしています」と、記されている。
意外な記載だったものの、新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズIIのステアリングを握れば納得だった。
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