5月11日、2025年MotoGP第6戦フランスGP MotoGPクラスの決勝レースがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、ワイルドカード参戦をした中上貴晶(ホンダHRCテスト・チーム)は6位でフィニッシュしてポイントを獲得した。
2018年からMotoGPクラスに参戦して以来、LCRホンダ・イデミツで唯一の日本人ライダーとして戦い続け、2024年限りでフル参戦を終了させる決断を下した中上。今季からはMotoGPマシン開発ライダーの役目を担い、新しく加わったアレイシ・エスパルガロとともにテストに参加し改良に取り組んでいる。
そんな中上が、今回の第6戦フランスGPにてテストを目的としたワイルドカード参戦をし、2024年第20戦ソリダリティGP以来にファンの元で走行を披露した。いくつかの重要な技術要素の検証作業に専念しているという彼は、初日のプラクティスは20番手で終え、走行後には「再びMotoGPの場に戻ってこられて嬉しいです。できる限りホンダに貢献していきたいと思います」と嬉しさも口にしていた。
2日目の予選Q1ではトップから2.145秒差の12番手に終わり、最後尾からのスタートが決まったが、スプリントではオーバーテイクなども披露し16位でフィニッシュ。レース中のペースも改善できたようで、しっかりとテストライダーとしての役割も果たした中上は次のようにコメントしていた。
「全体としては悪くない一日でした。テストライダーをやっていると、予選やスプリントといった実戦形式からは少し遠ざかっているので、こうした環境に戻ってこれらをこなすのは簡単ではありません。それでも限られた時間の中で多くの項目をこなすことができ、ホンダHRCの要望に沿って作業を進めることができました」
迎えた決勝日は朝方から雨が降り、朝のウォームアップ走行および決勝レースはウエットコンディションでの走行となり、前日までとは異なる路面での走行に。決勝レースでは開始早々から赤旗が掲示され、さらに仕切り直し後のサイティングラップでは14台がマシンを乗り換えるためにピットインするなど大波乱のなかで幕開けとなった。
そのなかで中上はリスタート後からピットに入ることなくレインタイヤを履き続け、大多数のライダーとは異なる戦略を採った。そのことが功を奏し、レース中は再び雨足が強まり再度乗り換えを強いられるライダーたちが続出するなかで、レインタイヤを履いていた中上はロスなく序盤にトップ10圏内まで順位を上げることに成功する。
レースが進むにつれ雨が強まる状況下でも終盤まで8位をキープし続け、さらに終盤に上位勢の転倒があったことで6位に浮上。最後まで順位を守り切ってチェッカーを受け、10ポイントを持ち帰った。最後まで転倒なく走り切ってポイントも獲得した中上は、テストライダーの役目をしっかりと果たしたと言えるだろう。さらに元チームメイトであり、中上と同様の戦略で劇的な勝利を収めたヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)にも祝福のコメントを寄せるとともに嬉しさを滲ませていた。
「ザルコの活躍を心から嬉しく思います。彼の母国GPでこのような結果が出せるなんて夢のようです! 今日はコース上で本当に速かったです。彼と僕はレインタイヤで走るという決断をし、僕はクラッシュしないように、オーバーランしないように、自分の仕事に集中することを心がけました」
「スタートはスタートはピット作業で混沌とし、多くの人がマシンを乗り換えていて、状況を理解するのがとても大変でした。レースは長かったですが、本当に楽しめました! トップ6は信じられない結果で、全く予想外の結果でしたが、今年だけでなく長年にわたり全力を尽くしてきたテストチームにとって、最高のご褒美です。このような機会を与えてくれたホンダHRCに感謝します」
フル参戦終了後、初のワイルドカード参戦となった今大会は大波乱のレースとなったが、運も味方にポイントと貴重な走行データを持ち帰った中上。さらにザルコが地元で劇的な勝利を収め、ホンダがドゥカティの連勝記録を止めたことは、開発ライダーを務める中上にとっても非常にプラスな要素となることだろう。
今後はどのような状況でも強さを発揮できるよう、さらなる改善を目指して開発およびテストに専念していくこととなる。長年苦境が続くなかで今回手にした勝利、これをきっかけにさらにレベルアップし強さを兼ね備えたホンダ勢の走りが見られることに期待したいところだ。
[オートスポーツweb 2025年05月12日]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
【独占】アストンマーティンF1、メルセデスからラッセル引き抜きに興味か。2026年以降のホンダ共闘チームを率いるエースに?
レッドブルのホーナー代表、12位まで追い上げた角田裕毅のカナダGPを評価「いい仕事をした。彼は今、自分のスタイルに合ったモノを追求している」
可夢偉の“エルボー”からペナルティ。7号車が象徴した苦闘のル・マンと、“最年長”トヨタが直面する転換点
F1カナダGPは”レース後審議対象”のマシン多数。最終結果が大きく変わるかも?……角田裕毅「昨日僕がペナルティなら、彼らも同様だ!」
フェラーリ車検不合格。50号車の失格によりトヨタが5位に繰り上がる/ル・マン24時間
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
レインタイヤ選択の選手少ない中、ザルコと共にナイス決断でした。
YAMAHA同様、HONDAの復活を楽しみに待ってる一人として、昨日のレースは天候に左右されすぎでしたが、HONDAがドカの連勝止めたのも嬉しかったです。
記憶に残る良いレースでした。ザルコの地元優勝🏆最高でしたね。マシン開発頼みます。