マクラーレンF1チームは、アロウ・マクラーレンSPのパトリシオ・オワードとオリバー・アスキューのふたりに対し、2020年のF1テストに参加するチャンスを与える可能性があるようだ。
2020年からシュミット・ピーターソン・モータースポーツと提携し、インディカーにフル参戦することを決めたマクラーレン。ドライバーには、2018年のインディ・ライツ王者であり今年の全日本スーパーフォーミュラ選手権にもスポット参戦したオワードと、今年のインディ・ライツでタイトルを獲得したアスキューを起用する。
インディカー:マクラーレンのオワードらがエアロスクリーンテストをクリア「普段と同じように見える」
マクラーレンはオワードとアスキューについて、F1のテストと開発作業を手助けするための、才能ある人材を確保したと考えていることをほのめかしている。なお現在マクラーレンのジュニアドライバーには、FIA-F2を戦うセルジオ・セッテ・カマラがいる。彼は今年の5月にバルセロナで行われたインシーズンテストにマクラーレンから参加していた。
将来的にF1とインディカーの両事業のリソースを使用する可能性について、マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンは、「(F1とインディカーの)プロジェクトは分かれているが、彼らは商業的にお互いを補い合っている」と語った。
「我々には、2020年に向けて契約下にある若手ドライバーはいない」
「それゆえ、ルーキーテストで彼らのうちのひとりが我々のF1マシンに乗っているのを見ても驚くことはないだろう」
アロウ・マクラーレンSPは、シュミット・ピーターソン・モータースポーツに所属していたジェームス・ヒンチクリフを起用すると見られていた。しかしチームが選択したのはふたりのインディ・ライツ王者だった。
「この決断について、ジェームスのファンからの評判が良くないことはよくわかっている」とブラウンは認めた。
「満足できないジェームスのファンもいるだろうということを理解して、我々はこの決断を下した」
「我々は彼が2020年に(マクラーレンのマシンに)乗るだろうと述べ、この時彼も2020年に乗るつもりだった。しかしビジネスでもレースでも、ご存知のように、物事は変わる。ビジネスの環境も変化する。多くの利害関係者も含まれているのだ」
■スーパーフォーミュラも経験したオワードの加入は重要だった
オワードは先週末、セブリングで2020年から導入される頭部保護デバイスのエアロスクリーンのテストに参加し、初めて2020年仕様のマシンを走らせた。このエアロスクリーンは、インディカーがレッドブル・アドバンスド・テクノロジーズと提携して開発したものだ。
ブラウンはオワードの起用について、極めて重要なことだったと述べた。
「パトリシオ・オワードは“市場”に出ていた。我々はすべての利害関係者と協議することを決め、チームにとって何はが最善なのかを長い目で見ることを決断した」
「パト(オワードの愛称)とオリバーはスーパースターのポテンシャルを持っていると我々は考えている。そのふたりを起用するというのは難しい決断だったが、チームにとっては正しいものだった」
「最終的に我々はチームにとってベストなことをした。だがそれは、必ずしも最も評判の良い決断になるとは限らない」
「しかし、最年少のドライバーラインアップでもあるふたりのインディ・ライツ王者を見ることを楽しみにしている人々が大勢いることを承知している」
「みんながオリバーとパトを受け入れてくれることを願っている。ファンのリアクションを見ると、がっかりしているファンがいる一方で、それと同じようにドライバーラインアップに興奮している人々もいる」
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