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モデル3 パフォーマンスは走りで魅了するEVだ!【工藤貴宏】

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モデル3 パフォーマンスは走りで魅了するEVだ!【工藤貴宏】

新車試乗レポート [2025.05.01 UP]


モデル3 パフォーマンスは走りで魅了するEVだ!【工藤貴宏】
文●工藤貴宏 写真●澤田和久

プリウスが8年連続大賞!クルマ業界のプロが認める実力とは?いいクルマアワード2025

 これまた「クルマ好き濃度」の高いクルマだなあ。「テスラ・モデル3」の最高峰モデル「パフォーマンス」を前にしてまず思ったのはそんな共感でした。


モデル3はテスラらしさを味わえるユニークなEVセダン

テスラ モデル3 パフォーマンス
 テスラは世界有数の富豪であり、起業家で“話題製造マシン”ともいえるイーロンマスク氏が率いる会社のひとつ。そして、今やだれもが知るEV専門メーカーといっていいでしょう。同社はクルマの操作系から製造方法、さらには売り方やアフターサービスまで「従来のクルマ観と自動車ビジネス」にとらわれないスタイルを貫くことも自動車業界に大きな衝撃を与えたのに皆さんご存じの通りです。

 まるでパソコンやスマホのような感覚でクルマを作って売り、それは若い人や意識の高い系の人々にとっては「クール」と支持を受けているのも事実。古い価値観に別れを告げ、控えめに言って「すべてが新しい」のが同社の特徴のひとつです。

 モデル3はそんなテスラのベーシックモデルであり、同社においてもっとも小さなセダン(といっても全長は4.7mあってそれは「トヨタ・ハリアー」と同じくらいだから小型車ではありません)。室内に乗り込めは、物理スイッチが極めて少なくシンプルでスッキリしたインパネに驚き、最新モデルではシフトセレクター(DとRとPの切り替え)すら物理的な操作ではなくタッチパネルで行うなど、圧倒的な新しさを感じさせる仕立てです。たしかにその洗練さは見事で、惚れる人も気持ちもよくわかるってものです。


パフォーマンスは466馬力を発揮するスポーツモデル

テスラ モデル3 パフォーマンス
 そんなモデル3にもいくつかの仕様がありますが、目の前にある「パフォーマンス」は、ひとことでいえば最も高性能な仕様。“いちばん速いヤツ”です。

 前後に搭載するモーターのトータル出力は466馬力&最大トルク723Nmと圧倒的で、最高速度は261km/h、0-100km/h加速(停止状態から時速100kmまで到達する加速)に関してはたったの3.1秒とスーパーカーも真っ青のレベル(モデル3パフォーマンスの倍のプライスを掲げる「ポルシェ911」の通常モデルや「S」「GTS」より圧倒的に速い!)。見た目はセダンだけど、速さに貪欲なモンスターと言っていいでしょう。

 でも、そんな性能は抜きにして筆者にビビビッと伝わってきたのが、スタイリングにおける「これカッコいいよね」という感覚。これがまた、筆者のようなスポーツカー好きとも波長が合う感じなのです。


テスラ モデル3 パフォーマンス
 どこがそう感じるか? それはエアロパーツの仕立てというかデザイン。たとえばフロントは左右に車体側面に風を流して安定性を高めるためのスリットが刻まれた専用バンパーを組み込み、下部にはブラックの整流板もついていて、いかにもな高性能モデルの雰囲気そのものなのですから。「RS」とか「GT」なんていうグレード名がついていてもおかしくないくらいです。


テスラ モデル3 パフォーマンス
 同様にリヤのバンパーはディフューザー形状になっているし、トランクリッド最後部には小ぶりのスポイラーがついていて、その素材はなんと高性能車の定番であるカーボンファイバー。そのうえ、車高が他仕様より10mm落ちていてローダウンならではの“腰の低さ”だってある。どれをとっても「スポーツモデル好き」の琴線にふれそうじゃないですか? 筆者を含めて。

 従来のクルマ好きと相容れないようなクルマ作りを得意とするテスラが、「パフォーマンス」だけは従来のクルマ好きが喜びそうな仕立てを施している。それがとっても面白い現象だとおもうのは筆者だけでしょうか?

 もちろん、それらのエアロキットは単なる見た目のためでなくしっかりと走行性能を向上するもの。空気抵抗を5%減らしつつ、リフト(速度を上げるとクルマが浮き上がる現象)は36%低減。きっちり効くエクステリアなのです。

 もちろん466馬力を発生する動力性能も他仕様より強化されたもので、ピークパワーは32%、最大トルクは16%アップ(モーター自体がほかのタイプとは異なる)。またパフォーマンスの走行切り替えモードは最高の運動性能を実現する「トラックモード」が用意されているほか、エネルギーマネジメントはバッテリーが減っても出力を制限しないようになっているのだとか。連続出力維持性能は22%アップしつつ、いっぽうでエネルギー消費量が2%減っているというのも興味深いところです。ちなみにバッテリーは前後重量配分最適化のために他仕様よりもリヤ寄りで搭載しているのだとか。

 そうそう、サスペンションはモデル3としてははじめての電子制御サスペンション装着というのもトピックですね。ついでにお伝えしておくとタイヤは前後異サイズの20インチでホイールは鍛造。ブレーキも強化されています。


ロケットのような強烈な加速

テスラ モデル3 パフォーマンス
 さて、そんなモデル3パフォーマンスの走りはどんな世界か。加速力に関しては言うまでもないでしょう。スペックからも想像できるように、驚愕というか異次元。まるでカタパルトで押し出されるかのように前へ前へと押し出されます。ロケットに乗ったらきっとこういう感じなのでしょう(加速度が発生する向きは違いますが)。

 参考までにお伝えすると、実際のフル加速は「想像できる」というよりは「想像以上」というのが正しい印象です。そして、ひと昔前の加速自慢EVとは違い、アクセルを踏みつけた際にドカン!と後ろから蹴飛ばされるようにワープするのではなく、リニアで伸び感がありました。これは昨今の高性能EVのトレンドをしっかりと反映しているといっていいでしょう。

 そのうえで、直線番長かといえばそうではないのも特筆すべき部分。しっかりとタイヤが路面をとらえ、ドライバーのハンドル操作に対して忠実に曲がる感覚に好感が持てます。


市販車EVレースでは優勝の常連
 よくよく考えたらこのモデルは、日本で行われている市販車で競うEVレースの優勝の常連。中途半端な走りなら、それは成し遂げられないでしょう。そんな走りの印象を知れば運転好きも「テスラ、なかなか気持ちよく走るじゃない」と納得じゃないでしょうかね。何を隠そうスポーティな運転が好きな筆者も、乗ってその走りの良さに驚いたクチでしたから。

 クルマ好きが楽しめるテスラ。モデル3パフォーマンスはそう断言できるドライビングカーなのです。スポーティな運転好きなら、ぜひとも一度はハンドルを握る価値がありますよ。


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みんなのコメント

14件
  • フカセ
    このようなBYDはフカセノ終わりにこそ似合う!
    是非乗っていただきたい!
  • SK-LV
    トランプ関税の最大の犠牲車!?だろうね。これがアメリカに輸出できたら、莫大な利益が稼げたよ。もちろんイーロンの政権参加はそれが目的だったが、不発に終わった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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