日産の新型「エクストレイル」に加わったワイルドな「Rock Creek(ロッククリーク)」に乗った! 『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキがリポートする。
新型日産 エクストレイル ロッククリークe-4ORCEの特徴
日本の道と四季を楽しみ尽くすための万能な道具──新型日産 エクストレイル ロッククリークe-4ORCE試乗記
1.e-4ORCEがもたらす「魔法」のようなハンドリング2.上質な乗り味3.コストパフォーマンスと市場での立ち位置4.日産の技術力が生んだ“最適解”1.e-4ORCEがもたらす「魔法」のようなハンドリング
首都高速道路のコーナーや起伏に富んだ道の走行時、真価を発揮するのが、日産の電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」だ。
e-4ORCEとは単なる4WDシステムではない。前後2つの高出力モーターと、4輪のブレーキを統合制御することで、“走る・曲がる・止まる”というクルマの挙動すべてを緻密にコントロールする技術だ。
少しペースを上げてカーブに進入してみる。通常、重心の高いSUVであれば、コーナーの外側に車体が傾くロールや、アンダーステア(外に膨らむ動き)を感じる場面だ。しかし、エクストレイルはどうだ。まるで路面に吸い付いているかのように、狙ったラインをピタリとトレースしていく。
ステアリングを切った瞬間、前後のモータートルク配分と左右のブレーキ制御が瞬時に行われ、クルマが旋回方向へと素直に向きを変える。ドライバーは難しいことを考える必要はない。ただ行きたい方向へステアリングを切るだけで、クルマが“曲がれる状態”を勝手に作り出してくれるのだ。
しかし、決して退屈なわけではない。「運転が上手くなった」と錯覚させるほどの安心感と、意のままに操れる快感がある。電子制御の賜物と言うのは簡単だが、その制御の味付けがあまりに自然で、違和感がないことこそが驚異的である。
さらに感動的なのが、ブレーキング時の姿勢制御だ。通常、ブレーキを踏めばノーズダイブ(前のめりになる動き)が発生し、乗員の頭が前後に揺すられる。しかしe-4ORCEは、回生ブレーキを前後モーターで細かく調整することで、車体をフラットに保ったまま減速させる。同乗者の頭がグラグラと揺れない。これはロングドライブでの疲労軽減に直結する要素であり、高級サルーン顔負けの快適性を提供してくれる。
2.上質な乗り味
今回の試乗車はオフロード志向のグレードであり、さらに試乗車はスタッドレスタイヤを装着していた。通常であれば、ロードノイズの増大や、タイヤの剛性不足によるふらつき、あるいはゴツゴツとした乗り心地の悪化が懸念される条件だ。
しかし、実際に街中や荒れた路面を走ってみても、不快な突き上げやノイズはほとんど感じられなかった。“足がよく動いている”という表現がぴったりだ。サスペンションが路面の凹凸をしなやかに吸収し、ボディへの入力をいなしている。
ロードノイズに関しても、非常によく抑えられている。遮音ガラスの効果もあるのだろうが、静粛性は極めて高い。渋谷の喧騒の中を走っていても、車内は別世界のように静かだ。
面白いのは、このロッククリークが、見た目はフィールド遊びが似合うワイルドな出で立ちでありながら、走り味は極めてモダンで洗練されているというギャップである。
泥にまみれて走るようなシーンでも高い走破性を発揮するのは間違いないが、実際には都市部での日常使い、例えば買い物や家族の送迎といったシーンでも、その恩恵を十分に享受できる。
無駄な視線移動や、無駄な挙動が起きないため、運転していて非常にリラックスできることこそ、毎日乗るクルマとして非常に重要な資質だ。
3.コストパフォーマンスと市場での立ち位置
さて、気になる価格について触れておこう。今回試乗したエクストレイル ロッククリーク e-4ORCE (2列)の車両本体価格は、¥4,756,400である。
ここに、インテリジェントアラウンドビューモニターやNissanConnectナビゲーションシステム、SOSコール、AC100V電源などがセットになったメーカーオプション(¥337,700)と、特別塗装色(¥93,500)が加えられ、メーカーオプション合計は¥431,200。さらにドライブレコーダーやフロアカーペットなどのディーラーオプション(¥190,452)を加えると、総額では¥5,400,000前後となる。
ひと昔前の“エクストレイル=若者がラフに使い倒す道具”というイメージ、いわゆる200万円台から買えた時代を知る世代からすると、「高くなった」と感じるかもしれない。
しかし、装備や性能を冷静に分析すれば、むしろバーゲンプライスとさえ言える。
まず、可変圧縮比ターボエンジンという内燃機関の最高峰技術を搭載している点。そして、e-4ORCEという世界トップレベルの電動駆動制御技術。さらには、プロパイロットやSOSコールに代表される先進安全装備の数々。これだけの内容を詰め込んで、昨今の輸入車SUVや、あるいはBYDのような新興EV勢と比較しても、¥4,756,400というスタートプライスは競争力が高い。
内装の質感、特にシートの作りやダッシュボード周りの仕上げも、かつてのエクストレイルとは比較にならないほど向上している。もはやプレミアムSUVの領域に片足を突っ込んでいると言っても過言ではない。それでいて、ラゲッジルームの使い勝手や、防水シートといった「タフギア」としてのDNAはしっかりと継承されている。
4.日産の技術力が生んだ“最適解”
試乗を終え、横浜の日産グローバル本社ギャラリーへと戻ってきた。あらためてエクストレイル ロッククリークを眺める。
このクルマは、日産が長年培ってきた技術の積み重ねの結晶だ。「テラノ」や「サファリ」といった本格クロカン四駆の時代から脈々と受け継がれるオフロードへの信頼性。そして、「リーフ」で培った電動化技術。「スカイラインGT-R」のアテーサE-TSで磨かれた4輪制御技術……それらすべてが、この1台に集約されている。
BYDなどの海外製EVが上陸し、クルマの価値観が大きく変わりつつある今だからこそ、この“日産車らしい”そして“日本車らしい”底力を感じさせるクルマの存在は頼もしい。バッテリーEVへの完全移行過渡期において、エンジンで発電しモーターで走るe-POWERは、充電インフラの不安なく電動ドライブの気持ちよさを享受できる、現時点での最適解のひとつだと思う。
特にこのロッククリークは、都市生活者が週末に自然の中へとエスケープするための相棒として、これ以上ない選択肢となるだろう。オンロードでは高級車のような静粛性とフラットな乗り心地を提供し、一歩ラフロードに踏み込めば、e-4ORCEが絶大な安心感でドライバーをサポートする。
“技術の日産”が本気で作った、日本の道と四季を楽しみ尽くすための万能な道具こそ、新型エクストレイル ロッククリーク e-4ORCEなのだ。日常の足としてだけでなく、人生を豊かにする“ギア”としてのSUVを探しているなら、このクルマは間違いなく最有力候補になるだろう。
▲前ページ:「日本の道と四季を楽しみ尽くすための万能な道具」
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