11月24、25日の2日間快晴の鈴鹿サーキットにおいてSRS-Fのスカラシップ選考会が開催された。
2021年度SRS-Fを受講した生徒たちが次のステップアップを目指して、最後のアピールをすべく6名がこの選考会に臨んだ。
佐藤琢磨主宰のキッズカートが2年ぶりに開催「2022年に向けて良いニュースが届けられる準備をしている」と琢磨
これを佐藤琢磨プリンシパル、中野信治バイスプリンシパルと共に、加藤寛規、野尻智紀、大津弘樹、笹原右京らの講師も生徒の走りを見届けながらアドバイスを送っていた。
選考最終日となった2日目は、フリー走行を30分行った後に、予選を想定した20分の計測走行を2回行い第1ヒート、第2ヒートのレースのグリッドを決定。
6名の生徒とその中に大津弘樹、野尻智紀の現役ドライバーもレースに混ざり生徒たちの最終選考となるレースが行われた。現役のスーパーフォーミュラのドライバーであるふたりも手を緩めることなく、生徒たちをバトルを繰り広げる。
第1ヒート、第2ヒート共に大津がレースをリードし、生徒たちがそれを追う展開となった。10周のレースを制した大津の次にフィニッシュしたのは第1ヒートが野村勇斗、第2ヒートが荒尾創大という順位だった。
第2ヒート後選考の結果、選考発表が行われ佐藤琢磨プリンシパルから首席を荒尾創大、次席を野村勇斗が獲得したことが発表された。
首席となった荒尾は喜びを表しながらも淡々とした表情で、「スクールに入ってから思い通りにいかないこともありましたが、スカラシップを獲得できてうれしいです」
「F1を走っている角田裕毅選手はカートチームが一緒でしたが、すごい勢いでF1まで行きましたし、あの勢いがないとF1に行けないのかなとも思います。次はどのレースに出るようになるかわかりませんが、ここでの経験を生かして頑張りたいと思います」とコメント。一方、次席となった野村は悔しそうな表情で、涙も浮かべていた。
中野信治バイスプリンシパルは受講生たちに向けて「今年1年見せてもらいましたが、みんな成長しました。速くなったと思うし、強くなったと思います。全体のレベルはすごく高かったし、講師たちもスカラシップを選ぶのに悩みに悩みました」
「SRSを卒業した後も最後まで諦めない気持ちを持って戦って欲しいと思います。最後はいちばん負けたくないと思っているヤツが残るし、勝つし、上まで上がっていくと思う。ここはゴールではなくて通過点。1年間おつかれさまでした」とエースを送った。
また佐藤琢磨プリンシパルは「スタッフのサポートもあって1年間無事に終えることができました。ありがとうございます。ここに座ってる6名みんなは誇りを持って欲しいと思います。とてもレベルが高かったと思う」
「でも上に上がっていくにはどれだけチャンスを掴んでいくか。スカラシップを得たふたりはそれを見せてくれました。でもスカラシップを取れなかったとしても、この悔しさをバネに頑張って欲しいと思います」
「スカラシップを取ったふたりも、今日のレースは大津講師の後姿を見たと思う。フリー走行では自分の方が速かったのに、レースでは敵わなかったのは何故か、自分には何が足りなかったか、よく考えて欲しい」
「6人全員競争力も高かったし、スカラシップを獲得したふたりはさらに活躍して欲しいし、他の生徒たちもこれをバネに頑張って欲しいです。1年間おつかれさまでした」と振り返った。
SRSを卒業し活躍するF1の角田裕毅やF3の岩佐歩夢のように、今回の卒業生がまた世界で活躍してくれるのが楽しみだ。
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