■「外免切替」に言及、どういうことなのか
自民党衆議院議員の河野太郎氏は2025年5月12日、Xにて以下の投稿を行いました。
「日本に住民票のない中国人が、来日して中国の運転免許証を日本の免許証に切り替えるのは今後認めないことを警察庁が明確にしました。ルールの適用が杜撰だったものについて、きっちりと法令が適用できるように目配りをしていきます」
投稿から15時間経過した現在、表示数は1031万件、いいねは10万件、コメントは3500に達しています。
この河野氏の投稿には、日本に住民票をもたない外国人の免許切り替え(外免切替)に関して、「警察が今後、『認めないことを明確にした』」とあります。
実際はどうなのでしょうか。現時点で警察庁からはこの件について何も発表されていません。
そこで、筆者(自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子)は警察庁に、この件を尋ねてみました。回答は以下の内容です。
「警察庁が公式サイトで発表している事以外のことをお答えすることはできません。取材ということであれば取材依頼書をお送りください。回答には2週間程度かかります」
時間がかかるということで、河野太郎事務所に取材を申し込むことに。
同事務所からは「ファックスで質問事項を送ってください」と言われたので、送ってみました。河野氏はいま、事務所に不在ということなので回答が今日(5月13日)中に来るかは不明です。
また河野氏の投稿を受けて、公明党参議院議員 谷合正明氏はXで返答を行い、公明党としての対応についてこのように言及しました。
「外免切替について、ご発信ありがとうございます。国民の不安を解消するため、公明党としてもしっかり取り組んでまいりました。昨年11月に党の内閣部会で、今年3月に参院予算委員会で宮崎議員が改善を求めています。
警察庁からは、住所を証明する書類として住民票が中心となっていることを踏まえ制度見直しを考えている、と聞いております。事態の把握と改善のため、政権与党として共に取り組んでいく所存です」
ここであらためて、「外免切替」のシステムについて説明しておきます。
外免切替とは、「外国免許からの切り替え」のことで、外国で運転免許を取得した人が一定の条件を満たせば日本の免許に切り替えられるという制度です。
日本の免許を持たない外国人が、日本でレンタカーなどを運転する場合、多くは国際免許証を自国で取得して来日します。
しかし、日本で有効な免許はジュネーブ条約様式で発行された国際免許証だけであり、ウィーン条約など、他の様式の国際免許証では無免許と同じ扱いになります。
ジュネーブ条約の締約国は世界で約100か国となっており、中国やベトナムなど、ジュネーブ条約を締約していない国や、ロシアのように条約締約国であっても、発行する国際免許証がジュネーブ条約様式ではない国もあります。
当然、そういった国から来日した外国人は、日本でクルマを運転することはできません。
ここで「外免切替」制度を利用すれば、ジュネーブ様式の国際免許証を所有していなくても、自国で取得した免許証と必要書類、必要な試験(学科・技能)にパスすれば、日本の免許を取得できます。
切り替えたあとも、ごく一部の国を除いて自国の免許はそのまま所有が可能で、自国での運転に使用したり、更新したりも可能です。
外免切替で日本の免許に切り替えると、免許の更新や交通違反に関する処分などすべて日本人と同じ方式となります。さらに、日本で国際免許証を取得すれば世界約100か国以上で運転も可能となります。
ここで問題になるのが、外免切替で取得した日本の免許証に記載される住所はどうなるのか、ということです。
これは、「日本で在留資格を有する人は住民票記載の現住所」「住民登録をしていない人は一時滞在(帰国)証明書に記された住所」の2種類となります。
「一時滞在(帰国)証明書に記された住所」の場合、ホテルや旅館などの宿泊施設でも、施設側が許可を出せば一時滞在場所として免許証に記載が可能です。
ホテル以外にも、知人や親戚、友人宅などの住所でも世帯主が承認し、外免切替手続きへの同行を必須にできるならば、問題ありません。
国によって外免切替に必要な書類や試験などは多少異なっており、中国やオーストラリアなどのように、自国での運転経歴証明書や違反や事故などの記録などの提出義務がある国もあります。
また在留資格に種類や期間などに制限はなく、短期の観光ビザでも外免切替を可能としています。
この「ホテルの住所で日本の免許が取れる」ことは、昨年秋以降の各報道でも問題点として大きく扱われることになりました。
もちろん、外免切替の免許証で運転する際にはパスポートと免許証の2つを必携としていますが、日本の感覚だと免許証自体が本人確認・住所確認の役割を担うことから、そこに書いてある住所が「ホテル」ってありえない、と思う人も多いのでしょう。
■発言の真意は?
ちなみに、筆者が取材を進めるなかで、今回の一連の河野氏の発言は「完全な虚偽ではないが、やや飛ばし気味」であることがわかりました。
今のところ、警察庁が正式に発表したことではなく、警察庁が外免切替の制度見直しについて何らかの検討をしているのは確かなようですが、河野氏の拡大解釈、政治家としての希望的解釈である可能性が高いと言えそうです。
また、「ホテルの住所」のほかに筆者が問題だと思うのは、クルド人など難民申請中の人は、仮放免中であっても外免切替で日本の免許が取得できることです。
他にも自国の免許を偽造して、日本で外免切替を行っているケースがあるという情報も入ってきています。
来日外国人、訪日外国人の数が激増している昨今、筆者は外免切替制度に関して抜本的な改革が必要だと考えます。
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みんなのコメント
中国人が街を占拠しだしてるから、何らかの法整備が必要だとおもう。