現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ついに復活? 波紋のTVR、電動モデル3車種投入 グリフィスEV公式画像公開

ここから本文です

ついに復活? 波紋のTVR、電動モデル3車種投入 グリフィスEV公式画像公開

掲載 4
ついに復活? 波紋のTVR、電動モデル3車種投入 グリフィスEV公式画像公開

2024年に新型グリフィス発売 EV仕様も

英国のスポーツカーメーカーであるTVRは、2024年に事業を本格的に再始動し、新型グリフィスの生産を開始する。そのわずか半年後にはグリフィスのEV仕様が発売される予定だ。その後、さらに電動セダンとSUVと思われる2台の量産化が予定されているが、発売時期は未定。

【画像】TVR復活なるか?2024年の発売に期待【TVRグリフィスを写真で見る】 全42枚

この復活プロジェクトは、同社オーナーのレス・エドガー、CEOのジム・ベリマン、主要投資家でリチウム企業であるEnsorcia Automotiveの会長ダニエル・レイトンらがAUTOCARに独占的に明らかにしたもの。電動化を機会に、TVRをグローバルな高級車メーカーにする長期計画の始まりとなる。

2013年にTVRの所有権を獲得し、2014年にゴードン・マレーとともにグリフィスの開発を開始、そして2017年にプロトタイプを公開するという、TVRの再出発からここまでの長い道のりについて、レス・エドガーは次のように語っている。

「予想以上に時間がかかってしまいましたが、将来の成功に向けて、すべてが整いました」

「クルマとしては、ゴードン・マレーが設計し、彼の革新的な製造プロセスを用いて製造する準備ができています。TVRの75年の歴史にふさわしい製品であるということは、あらゆるフィードバックからも明らかになっています」

「しかし、重要なのは、EVで持続可能な未来を築くための適切な投資と正しい道筋を得たということです。当社は、製造現場における作業を開始し、2024年の発売に向けて準備を整えました」

グローバル展開を視野に 英国での製造計画は

新型グリフィスは、2017年に初めて公開されたプロトタイプとほぼ同じ仕様で発売される。コスワースの手も入ったフォード製の自然吸気5.0L V8エンジンを搭載し、最高出力450~500psを発生。6速MTが用意される予定だ。

エドガーはグリフィスについて、顧客からまだ「数百件」の予約が入っている状態だと述べたが、新しいEV仕様に注文を変更する人がいるかもしれないと認めている。

TVRは、ゴードン・マレーが提案する製造プロセス「iStream」を自社以外で初めて活用する可能性がある(iStreamはヤマハにも提供されている)。製造拠点はまだ確定していないが、TVRはウェールズ政府と密接な関係にある。ウェールズ政府は2016年に200万ポンド(約3億円)の融資とともに3%の株式を取得したが、TVRは今年初めに未払い利息とともにそれを返済しているため、ウェールズ以外に拠点を構える可能性もある。

ベリマンCEOは、「もうすぐ決断を下すことになる」としながらも、「しかし、すべての決断は、会社の長期計画を念頭に置いて行わなければなりません。TVRの中心は英国にありますが、世界的な計画拡大を目指す中で、他の場所での製造も視野に入れた機敏な対応を期待しています」

電動モデルのグリフィスEVについては、公式のスタイリング画像が公開されている。V8モデルと同じプラットフォームを採用する予定だが、電動セダンやSUVをはじめとする将来のモデルについては、スケートボード・プラットフォームを製造する「世界的に定評のある」企業と交渉中であるという。

販売はTVRが直接行い、国際的な注文に対応するためにオンラインシステムを構築する予定。当初は英国に焦点を当て、3つの「ブランド体験センター」を開設し、車両とオプションを展示する。

V8モデルのグリフィスは、初期限定モデルが500台用意され、その価格は9万ポンド(約1480万円)から。EV仕様の価格は明らかにされていないが、15万ポンド(約2500万円)前後になると考えられる。

発売が遅れた理由 本当に復活できるのか

英AUTOCAR編集部は、TVR会長のレス・エドガーと、投資家ダニエル・レイトンにインタビューを行った。まずは、レス・エドガー会長との質疑応答の内容を紹介したい。

――なぜ遅れたのでしょうか?

「工場改修に必要なウェールズ政府の承認と、パンデミックが重なったからです。政府の承認作業は徹底的なもので、実は、それがわたし達を救ってくれたのです。もし、すぐに承認が下りて、パンデミック前に発売していたら、今頃は倒れていたかもしれませんね」

――今、再出発する資金はあるのでしょうか?

「そうでなければ、今年、ウェールズ政府からの融資に相当な利子をつけて返済することはできなかったでしょう。これは遊びではありません。当社には資金と、持続可能なビジネスを構築するための長期計画があるのです」

――グリフィスV8は、今日の水準と比較すると少し古くなっていませんか?

「もし、3年前に発売していたら、今頃どうなっていたと思いますか?バンパーを変えたり、クロームメッキを施したりしたでしょうか?もともと正しいデザインで、古風な魅力があるのです。今も当時と同じようにゴージャスで、エンジニアリングも素晴らしく、必要な規制はすべてクリアしています」

――グリフィスのEV仕様の特徴は?

「ゴードン(・マレー)は、基本的に軽くて空気抵抗の少ないクルマをデザインしました。そのおかげで、バッテリーの重量を抑えつつ、航続距離を稼ぐことができるのです。TVRは、0-100km/h加速のタイムをコンマ1秒でも縮めるのではなく、卓越したハンドリングとエンターテインメント性を追求しています」

――静かなTVRというのは、的外れなのでは?

「もうすぐEVの時代がやってくる。誰もそれを止めることはできません。詳細は申し上げませんが、EVだからといって無音である必要はなく、その音も人工的なものであったり、増幅されたものであったりする必要はありません。エキサイティングなものであればいいのです」

――セダンとSUVの詳細がわかるのはいつ頃でしょうか?

「今はまだ初期段階です。計画があることを示したいのですが、計画は流動的である必要があります。スタイリングは進化していますが、成長を続けるためには、ブランドとその信頼を築き上げる必要があります」

投資家は何を考えているのか

ダニエル・レイトンは、TVRに大規模な投資をしているEnsorcia Automotiveの会長を務める人物。AUTOCARは、これまであまり語られてこなかったTVRとの関係や、ビジョンについて尋ねた。

――Ensorcia Automotiveとは、どんな会社なのでしょうか?

「グリーンリチウムのリーディングカンパニーです。世界各地でリチウムの権利を持ち、より安価で簡単、かつ環境負荷の少ないリチウムの抽出方法の特許を取得しています」

――自動車向けの資金はあるのですか?

「わたしは石油化学で利益を上げ、しばらく前に環境に優しい技術に注力するために手を引きました。今の会社は、数百万ドルではなく数十億ドル規模で計ることができます。今日まで、TVRに8桁(10億円以上)の資金を投入してきましたが、これはTVRを立ち上げるのに十分な額です。まだ必要なら追加投入しますが、もっと投資家を増やした方がいいかもしれません」

――なぜ、TVRなのでしょうか?

「多くの企業からリチウム供給について問い合わせがありましたが、自動車産業への供給は考えていませんでした。TVRは、その歴史と伝統、規模の小ささ、高級車市場にフォーカスしている点で、他とは一線を画していたのです。電動化された新しい世界ではやることは膨大にありますが、大きな可能性も秘めています。わたし達と比較するわけではありませんが、ルーシッド、リヴィアン、テスラは、その可能性を示してくれました」

――TVRが持つ英国ならではの伝統が、グローバル展開を妨げることはないのでしょうか?

「全くありません。TVRの心は常に英国にあります。しかし、『クール・ブリタニア』は世界中に響き渡るものであり、TVRはとてもクールです。時間と予算はかかりますが、このブランドは世界に売り込むことができるのです」

――フォーミュラEとの提携は、おそらくそのマーケティングの一環と思われますが、そこでレースをすることは可能なのでしょうか?

「フォーミュラEのレースをサポートすることで、わたし達が復活することを認知してもらう必要があったのです。レースはTVRのDNAの一部であることは確かです」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
motorsport.com 日本版
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

4件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

698.0848.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
グリフィスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

698.0848.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村