メルセデス・ベンツEQSのEV性能をチェック!
メルセデス・ベンツのフラッグシップEVである新型EQSで恒例の1000kmチャレンジを行いました。果たして、テスラを超えて史上最速タイムを更新することはできたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。
高速で航続距離500km以下になるのはまれ!? メルセデス・ベンツEQS450 4MATIC SUV THE EV TIMES流・電費ガチ計測
まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。
*走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県)
*走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ(EQSの場合21℃オートに設定) ・追い越しなど含めて制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEQS450+・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して0.7%の下振れなので、オドメーター上で993kmの段階でゴール)
1)海老名SA→草津PA(90kW級急速充電器)
・走行距離:384.3km ・消費電力量:98%→26% ・平均電費:4.8km/kWh(208.3Wh/km) ・外気温:6℃→3℃ ・充電セッション:26%→62%(31分)
まず、この区間で注目するべきは、150kW級急速充電器が設置されている湾岸長島PAをスキップしているという点です。湾岸長島PAで充電しようとしたところ充電できず、90kW級が設置されている草津PAまで走らざるを得なくなってしまったのです。あとで調べてみたところ、充電器検索アプリ上では休止中と表示されていたものの、EQSのディスプレイ上では充電器の休止情報は反映されておらず、気づくことができませんでした。
2)草津PA→加古川北IC→桂川PA(90kW級急速充電器)
・走行距離:218.8km ・消費電力量:62%→19% ・平均電費:4.7km/kWh(212.8Wh/km) ・外気温:3℃→4℃ ・充電セッション:19%→25%(7分)
すでに折り返し地点を通過。検証を行った2024年冬では湾岸長島PA以西には150kW級急速充電器が存在せず、90kW級で最小限充電を繋ぐという我慢の時間が続きます。この桂川PAでは150kW級が設置されている湾岸長島PAまで辿り着けるぶんだけ充電。やはり、100kWh級以上の大容量バッテリー搭載EVの場合は150kW級急速充電器がマストであると実感します。
3)桂川PA→湾岸長島PA(150kW級急速充電器)
・走行距離:109.0km ・消費電力量:25%→5% ・平均電費:4.7km/kWh(212.8Wh/km) ・外気温:4℃→2.5℃ ・充電セッション:5%→33%(15分)
ようやく初めての150kW級急速充電器で充電です。確かに150kW級が設置されていることで高性能EVの利便性は向上するものの、仮に2台が充電すると、充電出力は最大90kWに制限されてしまい、当初想定していた充電計画が狂ってしまいます。
隣にEVがいない、来ないことを祈るしかできないのが苦しいところです。
所要時間は10時間9分!
4)湾岸長島PA→浜松SA(150kW級急速充電器)
・走行距離:109.9km ・消費電力量:33%→10% ・平均電費:4.5km/kWh(222.2Wh/km) ・外気温:2.5℃→1.0℃ ・充電セッション:10%→27%(15分)
浜松SA到着の段階で150kW級急速充電器に先客のボルボEX30が充電していました。よって充電をスタートさせても80kWしか発揮できず、恐れていた充電出力制限に遭遇してしまいました。
ちなみにEX30は日本仕様では約80kW(=200A)しか発揮できないので、隣の青いマルチで充電しても充電出力は変わりません。とはいうものの、青いマルチでは15分後に充電出力が125Aにまで制限されてしまうので、現状の時間課金制であれば同じ時間でなるべく多く充電できたほうがお得です。よって充電性能の低いEX30オーナーが150kW級を使用したい気もちも理解できます。
いずれにしても150kW級の本領を発揮させてタイムを少しでも短縮するために、最後の150kW級急速充電器が設置されている駿河湾沼津SAに到着できる最小限の充電で切り上げることにしました。
5)浜松SA→駿河湾沼津SA(150kW級急速充電器)
・走行距離:114.8km ・消費電力量:27%→3% ・平均電費:4.0km/kWh(250Wh/km) ・外気温:0.5℃→2.0℃ ・充電セッション:3%→15%(7分)
最後の150kW級では早朝ということもあってか充電器を共有するEVに遭遇することなく、充電出力をわけ合わずにフルの充電スピードを発揮することができました。ゴールの海老名SAまでは約100kmなので、15%まで充電して海老名SAまで走り抜けます。
6)駿河湾沼津SA→海老名SA上り(ゴール)
・総走行距離:1012km ・充電回数:5回 ・平均電費:4.64km/kWh(215.7Wh/km) ・外気温:-3℃~6℃
海老名SA到着前に走行距離1000kmを達成しました。海老名SAには充電残量2%で到着。この海老名SA到着時点での充電残量が少なければ少ないほど、最後の充電時間を短縮することができるわけですので、綿密な充電残量コントロールが求められるわけです。その意味においてはほぼ完璧な充電残量コントロールを達成できたといえそうです。
トータルの所要時間は10時間9分と、私がこれまで行ってきた1000kmチャレンジの検証のなかでは悪くないタイムとなりました。とはいうものの、旧型のEQSが10時間2分、EQEも10時間3分を達成していたことを踏まえると、真冬の検証とはいえ10時間切りは達成したかったところです。日本国内で購入できる航続距離最長EVで充電回数5回というのは想定外の結果でした。
ちなみに競合となるテスラ・モデルSの冬の1000kmチャレンジの際の電費は215Wh/kmと、今回のEQS450+とほとんど同じであり、テスラと同等レベルの電費性能というのは、メルセデス・ベンツの底力を感じる部分でしょう。新型EQSからはヒートポンプシステムが標準搭載されたことが冬場の電費改善につながっているはずです。
いずれにしても、メルセデス・ベンツのフラッグシップEVであるEQS450+は、新型としてバッテリー容量の増量やヒートポンプシステムの搭載など、EV性能をさらに引き上げています。一方、EQSのEV性能をいかんなく発揮できる充電インフラ側が追いついていない様子が、今回の1000kmチャレンジの結果を通して図らずも浮き彫りとなった格好です。
高速道路上の急速充電ネットワークを整備するeMP社は、この数年間で150kW級の増強をアナウンスしています。1~2年後に再び1000kmチャレンジを行った際、どれほどタイムを短縮することができるのかに期待でしょう。
また、メルセデス・ベンツは次世代EV専用プラットフォームを採用するCLAのEVバージョンを2025年中に発表予定です。この次世代EVのEV性能が新型EQSと比較してどれほど進化しているのかも、2025年の注目ポイントでしょう。
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