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リンス初日午前で4番手発進も午後はヤマハ全体が下位に「ソフトタイヤで大苦戦」/第8戦アラゴンGP

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リンス初日午前で4番手発進も午後はヤマハ全体が下位に「ソフトタイヤで大苦戦」/第8戦アラゴンGP

 6月6日、2025年MotoGP第8戦アラゴンGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがスペインのモーターランド・アラゴンで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのアレックス・リンスは15番手、ファビオ・クアルタラロは18番手で初日を終えた。

 勝利を目前にマシントラブルでリタイアとクアルタラロにとって失意の結果となった第7戦イギリスGPから2週間。2025年シーズン2度目となるスペインでのグランプリが開幕した。母国レースであるリンスは、地元の小学生が作成したリサイクル段ボール製ヘルメットのデザインを反映したスペシャルヘルメットを着用して、今大会に臨む。

【タイム結果】2025MotoGP第8戦アラゴンGP プラクティス

 快晴で迎えたフリー走行1回目は、セッション開始の時点で気温25度、路面温度38度。クアルタラロは前戦で投入された新型ウイングレットを装備し、リンスを含め他のヤマハ勢は従来の仕様を引き続き使用している。最初のランは、ふたりともフロントにソフトタイヤ、リヤにミディアムタイヤを選択した。

 リンスは、同じタイヤセットで2度のランを行い、残り20分の時点で1分49秒274で14番手に位置していた。一方、クアルタラロは、1度目のランからソフトタイヤに苦戦し、2度目のランでフロントをハードタイヤに変えた。すると順調にタイムを上げていき、1分48秒828の12番手をマークした。

 終盤に差し掛かった残り12分ごろ、リンスは新品のソフト/ミディアムを履いて3度目のランへ入る。するといきなり1分48秒台を記録して、その後も安定したタイムで周回を重ねる。リンスはそのまま最終アタックを1分47秒998のさらに自己ベストを大きく更新し、4番手でこのセッションを終えた。

 クアルタラロは、2度目のランと同じタイヤセットのまま終盤のアタック合戦へコースイン。タイムを縮めることができたものの1分48秒488に留まり、初日午前は11番手となった。

 午後のプラクティスは、さらに熱くなり気温31度、路面温度は47度まで上昇した。1度目のランはどちらも前後ミディアムを選択して、徐々にタイムを上げていった。

 クアルタラロは、2度目のランにリヤをソフトタイヤに変えて感触を確かめるも、コーナーの立ち上がりでリヤがスナップする場面が何度も見られた。思い通りに走れないことにフラストレーションを抱えたクアルタラロは、コース上だけでなくガレージでも感情を表に出していた。残り15分ごろからショートランを行うと、1分47秒842の15番手タイムを記録する。

 リヤをニュータイヤに変えて、最終盤のアタック合戦に臨むも10コーナーでまたもマシンが暴れてしまい、次のラップでも12コーナーでオーバーランし、タイム更新ならず。クアルタラロは最終的に18番手となり、第4戦カタールGPから続いた連続予選Q2ダイレクト進出は途絶えてしまった。

 リンスは、2回目のラン以降はショートランを繰り返した。セッション後半にはリヤをソフトタイヤに変えるもクアルタラロと同様に苦戦し、思うようにタイムを伸ばせない。終盤のアタックランで1分47秒509のヤマハ勢トップのタイムを残すも結果は15番手で初日を終えた。

 また、サテライトチームのプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPのジャック・ミラーがプラクティスで16番手、同じくミゲール・オリベイラが20番手、そしてワイルドカード参戦のアウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)が17番手と下位に沈み、ヤマハ勢の全ライダーが予選をQ1から挑むことになった。

 モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのチームディレクターを務めるマッシモ・メレガリ氏は、モーターランド・アラゴンがヤマハにとって得意なコースではないと語っており、初日終了時点でリヤグリップの改善とロングランでのレースペースの向上を課題に挙げている。今季で最も苦戦しているといえるこの状況を好転させることができるのか、2日目に向けて解決策を見つけるためにチームのやるべきことが多い夜となりそうだ。


アレックス・リンス(FP1:4番手、プラクティス:15番手)

「今日は複雑な気持ちだよ。FP1ではかなり速く走れて、4番手で終えることができた。モーターランド(・アラゴン)に来る前から、ある程度苦戦するだろうとは分かっていましたけど、今朝はグリップが足りない中でもかなりうまく走れたと思う。でも、その後のプラクティスではソフトタイヤで苦戦し、タイムアタックもうまく決められなかった。全力は尽くしたよ。原因を調べて、明日はさらに一歩前進するためにエンジニアたちが取り組んでいるところだ。今のグリップの状態では、本当に厳しいからね」

「あと、今回のレースでは、地元の学校に僕のヘルメットのデザインをしてもらう機会を設けたんだ。どれも素晴らしい出来栄えで、勝者を決めるのは本当に難しかった。リサイクルされた段ボールにデザインを描いてもらうというアイデアだったんだけれど、最終的にこのヘルメットを選んだよ。全部すごく良かったんだけど、特にこの青と星のデザインが気に入っている。バイクと合わせた写真も見たけど、すごく似合っていて、このままシーズン残りも使い続けたいくらいだよ」


ファビオ・クアルタラロ(FP1:11番手、プラクティス:18番手)

「ここまで厳しいとは正直思っていなかった。特にソフトタイヤでの苦戦は予想外だった。本当はソフトタイヤで大きく改善すると思っていたけれど、逆に悪い感触になってしまった。多くはないけど、一部のサーキットでは、路面にラバーが載るとこういった問題が出ることがある。これから原因を調べて理解したい。明日はもっと良くできるように全力を尽くすよ」

「もっとスムーズな走りを試してみようと思う。これまでの週末ではバイクを限界までプッシュしてもいい感触が得られたんだ。でも、今日は限界まで攻めるというのは正しい選択ではなかった」

[オートスポーツweb 2025年06月07日]

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