日本のサービスステーション(ガソリンスタンド)の多くは、いわゆる「元売り系」と呼ばれる原油を精製し、販売する大手事業者の系列に属しています。大都市から地方都市まで、どこに行っても同じブランドのサービスステーションがあるのは、そうした背景によるものです。
ところがここ1年ほどで、そのブランドの比率が大きく変わっています。じつは2019年7月、JXTGホールディングスが、自らが展開する「エネオス」「エッソ」「モービル」「ゼネラル」を、すべてエネオスに統一したのです。
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その理由について、JXTGホールディングスは次のように話します。
「同じ会社なのにブランドが4つあることは、お客さまにとって『わかりにくさ』につながっていました。そこでブランドを統合し、共通のサービスを提供することで、お客さまの利便性向上を目指すことになったのです」
旧エネオスと旧エッソ/モービル/ゼネラルでは、電子マネーやスピードパス(ICチップによる決済ツール)、クレジットカードの取り扱いに一部差異があるなど、利便性の部分で差がありました。これについて、統合前から相互乗り入れを進めることで徐々に解消。そして統合後の現在、そうした支障はなくなり、利便性は確実に向上しています。 また取り扱うハイオクガソリンは、エネオスが「エネオスヴィーゴ」、エッソほかが「シナジーF1」でしたが、エネオスヴィーゴは統合に先立つ2018年10月に「エネオスハイオク」に変更されています。じつはこのエネオスハイオクはシナジーF1と同等のもの。ハイオクガソリンについては、ひと足先に統合されたということになります。
ところでなぜJXTGホールディングスが、4つものブランドを抱えていたのでしょうか。
じつはJXTGホールディングスは、2017年、JXホールディングス(エネオス)と東燃ゼネラル石油(エッソ/モービル/ゼネラル)が経営統合して生まれました。その東燃ゼネラル石油は2000年、東燃(エッソ/モービル)とゼネラル石油(ゼネラル)の合併で発足しています。つまり複数のブランドを同じ会社が持つ背景には、こうした企業同士の経営統合の歴史があるのです。
もちろんこうした歴史のなかで、消滅したブランドもあります。「JOMO」はかつて新日鉱ホールディングスが展開するサービスステーションのブランドでしたが、2010年に新日本石油(エネオス)と新日鉱ホールディングスが経営統合しJXホールディングスが発足した際、ブランドが消滅することとなりました。
全国約3万あるガソリンスタンドの半分ちかくが「エネオス」に 今回のエネオスへのブランド統合では、販売店個別の事情がある場合を除き、拠点の統廃合は行われていません。その結果、エネオスのサービスステーションは約1万3000店舗となり、同一ブランドとして日本最大になりました。
日本全国のサービスステーション数は約3万ですから、おおむね「2軒に1軒」がエネオスのサービスステーションということになります。
ちなみに、拠点数2位のブランドは約3500店舗の「出光」、3位には約3000店舗の「シェル」が続きます。このふたつのブランドも、じつは同一の会社、出光興産が展開しています。JXTGホールディングスが4つのブランドを統合したように、出光とシェルが統合されることはあるのでしょうか。出光興産は次のように話します。
「ブランド統合は検討していますが、お客さまの利便性向上もあわせて考えていかなければならない問題だと思っています。当面は、出光とシェルのふたつのブランドのままでの展開となります」
出光興産のホームページでは、出光とシェルが並列で紹介され、取り扱うハイオクガソンも個別に案内されています。
出光が取り扱う「スーパーゼアス」はエンジン清浄剤によるエンジン吸気系のキープクリーン効果を謳う一方、シェルの「V-Power」はフェラーリとの60年以上におよぶテクニカルパートナーシップを強調、F1で磨かれた技術や知見を前面にPRしています。統合については、それぞれのブランドにファンがいることも考え合わせる必要があるのでしょう。
拠点数第4位のブランドはコスモホールディングスの「コスモ石油」で、約2800店舗を展開。さらに太陽石油の「ソラト」、コスモホールディングスが資本参加するキグナス石油「キグナス」までが、元売り系のサービスステーションとなります。
一方、元売り以外のサービスステーションには、大手総合商社による「カーエネクス」「丸紅エネルギー」、JA全農が展開する「JA-SS」などがあります。また地方では免税軽油、営農灯油など農業経営に必要な燃料を幅広く手がける「ホクレンSS」など、地域事情に密着したサービスステーションも見られます。
近年はホームセンター、大型ディスカウントストアが敷地内に独自ブランドのサービスステーションを展開する例もあります。
エコカーの普及によるガソリン販売の減少や地方の過疎化で、サービスステーションの数は減り続けています。そうしたなか、今後5年から10年で、合理化に向けまた新たな再編劇があるかもしれません。
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