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なぜ今さら「F-15」を爆買い!? 米空軍が最新ステルス機F-35ではなく“非ステルス機”を倍増させる切実なワケ

掲載 更新 121
なぜ今さら「F-15」を爆買い!? 米空軍が最新ステルス機F-35ではなく“非ステルス機”を倍増させる切実なワケ

「イーグル」シリーズの末弟を増産する理由

 2026年4月、アメリカ空軍は現在調達中のボーイングF-15EX「イーグルII」の計画規模を倍以上に拡大し、購入予定機数を129機から267機に増やす予定であることを明らかにしました。

【まるで耳みたい!】ここがF-15EXの識別ポイントです(写真で見る)

 なぜ、今さらF-15の増勢をアメリカは考えているのでしょうか。F-35「ライトニングII」などの第5世代戦闘機を増やすのではなく、1世代古いF-15「イーグル」なのでしょうか。

 実は、F-15EXは、名称こそ従来の「イーグル」シリーズを継承していますが、中身は別物です。「イーグル」シリーズの戦闘爆撃機型であるF-15E「ストライクイーグル」を原型に、従来アナログ式だった操縦装置をデジタル化し、フライ・バイ・ワイヤ飛行制御システムなどに換装、新しい兵装搭載ステーションの追加などが行われた性能向上型です。初飛行したのも2021年のことです。

 ただ、その調達計画は何度も見直され、二転三転しています。当初は144機の調達を計画していましたが、2022年には80機への大幅削減が決定。ところが2023年には一転して104機に増加、2025年にはさらに増え129機となっており、そして今回、一挙に267機へと倍増することになりました。

 なぜ、ここまでF-15EXの帰趨が増えることになったのでしょうか。理由に挙げられるのが旧型機の更新です。アメリカ空軍は空中戦に特化したタイプのF-15C/D「イーグル」を退役させるとともに、対地攻撃専用機のA-10C「サンダーボルトII」の一部を多用途戦闘機であるF-15EXで置き換える計画を立てています。

 また今回、F-15EXの増勢で更新される機種として名が挙がったのが、約200機を保有するF-15Eのうち、旧型エンジン(F100-PW-220)を搭載した推力の小さい初期型です。この旧型エンジン搭載機は、F-15Eのうち約半数を占めており、これらを退役させ、F-15EXへと置き換えることで戦力の向上を図ろうとしています。

 ボーイングは現在、F-15EXだけでなくF/A-18E/F「スーパーホーネット」戦闘機の生産も手掛けていますが、こちらは来年にも生産が終わる見込みです。現在、F-15EXの年産は24機であり、このまま推移すると仮定すれば2030年代中頃までボーイング社の戦闘機生産ラインが維持され続ける見込みとなります。

F-22やF-35にはない「F-15EX」ならではの能力とは?

 他方で現在アメリカ空軍は、年間100機に迫るペースでF-35A「ライトニングII」の導入を進めています。F-35Aはステルス性に優れ、F-15Eとの空中戦ではほぼ完封に近い成績を上げていることが知られています。それなのに何故今さらF-15EXを新たに導入するのでしょうか。

 この決定の背景には、現代航空戦における任務の多様性への要求が挙げられます。ステルス性を中核とするF-22やF-35のような機体は、敵防空網の突破という点で比類なき能力を発揮します。

 とはいえ、すべての任務がステルスを必要とするわけではありません。むしろ、敵防空圏外からの長時間警戒や、大量の目標に対する持続的対処といった任務においては、別種の性能が求められます。

 F-15EXの本質的価値は、まさにそこにあります。機体サイズが大きいことで燃料も豊富に搭載できるため、これにより長大な航続距離と滞空時間を保証し、広域防空や遠距離展開において圧倒的な柔軟性を提供します。また、機外搭載能力の高さは、出撃回数あたりの火力密度を飛躍的に高めます。これは特に、近年顕著となっている巡航ミサイルや無人機の飽和攻撃への対処において決定的な優位性を意味します。

 現代の脅威環境では、安価かつ大量に投入されるドローンや巡航ミサイルが、防空システムに対して「量の暴力」を仕掛けてきます。このような状況下では、一機あたりの搭載弾数が多い戦闘機こそが、持続的迎撃能力を担保する要となります。

 F-15EXは、現状において最大12発の空対空ミサイルを搭載可能であり、これを20発以上に拡張する計画案もあります。その「弾薬庫」としての性格は、ステルス戦闘機には代替しがたい価値をもたらしています。

 最初のF-15が初飛行したのは1972年であるため、そこだけ見ると既に半世紀前に生まれた旧式機といえるでしょう。しかし、余裕を持った大きな機体であることが何より、なおも第一線で求められる理由なのも、また間違いないのです。

文:乗りものニュース 関 賢太郎(航空軍事評論家)

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みんなのコメント

121件
  • 一角太郎
    20発のミサイルなんて、マクロスの世界だな
  • hus********
    日本にF22導入騒ぎの時航空自衛隊のパイロットがF15の方が最良と言ってたのはこの事だった。プロフェッショナルの言う事は常に正しいと言う事。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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